連続テレビ小説『カーネーション』
第3週「熱い思い」(第15回)
作:渡辺あや
音楽:佐藤直紀 演奏:フェイスミュージック
主題歌:「カーネーション」椎名林檎
出演:
尾野真千子(小原糸子)
麻生祐未(糸子の母・小原千代)
正司照枝(糸子の祖母・小原ハル)
トミーズ雅(パッチ店店主・桝谷幸吉)
柳生みゆ(糸子の妹・小原静子)、眞木めい(同・小原清子)、吉田葵依(同・小原光子)、金谷克海(パッチ職人・坂本)、河野智宏(同・岡村)、中村大輝(同・山口)、NAC、ルート、劇団東俳、クリアファースト、テアトルアカデミー
小林薫(糸子の父・小原善作)
STORY
泣くだけ泣いて涙が止まった糸子は家に帰る。ハルは温めるために布団を何枚も重ねるが、糸子は暑さと重さでうなされる。夕方。店を辞めて女学校に戻りたいと茫然と考えていると、千代と静子の声が聞こえてくる。欲しい着物を買ってもらえない静子は糸子が好きなことをさせてもらえると羨ましがるが、千代はそんなに羨ましいなら糸子を見習って善作に頭を下げてお願いするように言う。それはできないと言う静子に、「好きなことするちゅうんはな、見てるほど楽とちゃうんやで。女は余計や。大変なんや。姉ちゃんはえらい。やりたいことあったら自分でどないかしよる」と言う千代。糸子は「えらい」と言われたことに喜びを隠し切れない。夜。糸子は夕食を食べに下りてくる。千代は店をもう一日休ませてもらうかと尋ねるが、糸子は行けると答える。「勉強やで勉強しにいくと思え」と言う善作に対し、「ほんまやな」と同意する糸子。善作は初めて聞いたような顔をして納得する糸子に腹を立てる。翌朝。店に出た糸子は窓を開けたら朝の風が入って空気が入れ替わり、机がきれいに拭かれていたら気持がいいと実感する。普段は怖い岡村も糸子を気遣って飴をくれた。ガラスは縦に拭いてから横に拭いたら汚れが残らない、お茶は少しずつ淹れたらおいしくなるなど、勉強したことを帳面につける糸子。知恵は増えていくばかりのもので、10年は減っていくばりのものだと考える糸子は、あと9年と349日だと残りの日数を数える。そうして2ヶ月が経った頃、糸子が嬉しそうにミシンを磨いていると、幸吉がミシンは夜になったら遊んでいると教える。誰も使わず、遊んでいるミシンを少し使わせてもらっても誰も怒らないと聞き、糸子は喜びを爆発させる。いつか山口がやたらと自分を帰らせたがったのはそういう訳だったのかと納得する糸子。この日も山口が掃除をしている糸子を帰らせようとするが、糸子は山口の後でミシンを使わせて欲しいと頼む。幸吉から許しが出るのに1年かかった山口は、なぜ糸子はふた月なのかと落ち込む。山口が帰った後、糸子は両肘をついてミシンを愛おしそうに眺める。糸子は「おおきにな、待っててくれて。せやけど案外早かったわ」と話しかけながら、着物の裾を縫う。明日から山ほどきれを持って来て、遅くなってもいいようにハルに夜用のおにぎりを作ってもらうことにする。
なるほど。山口は一人残ってミシンを使っていたわけですね。
というわけで糸子もミシンを触ってもいいということに。
話の中では2ヶ月が経ってはいますが、ホント、案外早かったですね。
もっと苦難の日々が続くかと思いましたが、糸子を救ったのは両親の言葉。
まず千代がやりたいことがあったら自分で何とかするという糸子のことを「えらい」と評したことでやる気が沸き起こり、善作の「勉強しにいくと思え」という言葉によって仕事に対して取り組む姿勢が変わってきます。善作も100回以上言った甲斐がありましたね。笑
でもこれはかなり本質を突いた言葉ですよね。
同じ状況でも自分の心持次第で意味のあるものとなるか無駄なものとなるか。「何でも勉強だ」ということに気づけた糸子は幸いでしたが、幸吉が2ヶ月でミシンを触らせる許可を与えたのも、そんな糸子の姿勢を見ていたからなのでしょうね。