濱田マリ(安岡玉枝)、須賀貴匡(安岡泰蔵)、尾上寛之(安岡勘助)、田中隆三(千代の兄・松坂正一)、柳生みゆ(糸子の妹・小原静子)、眞木めい(同・小原清子)、吉田葵依(同・小原光子)、中村大輝(パッチ店職人・山口)、金谷克海(同・坂本)、湯浅崇(同・田中)、河野智宏(同・岡村)、鍋島浩(吉田屋主人・吉田克一)、一木美貴子(幸吉の妻・桝谷さよ)、飯島順子(木岡美代)、那々實あぐり(近所の主婦)、円藤さや(同)、兼口みさ(音楽教師)、山下ひとみ(女学生)、杉本好(同)、福嶋千明(同)、NAC、舞夢プロ、キャストプラン
小林薫(糸子の父・小原善作)
すっかり大人気分の糸子は早起きして、妹たちの布団を上げ、遅刻せずに学校に向かう。授業は相変わらず退屈で、歌を歌いながらあくびをして教師に注意される。善作は大地主の神宮寺に呼ばれ、吉田屋の座敷に向かう。部屋の中では吉田屋の主人が小原呉服店の悪口を言っていた。笑顔を作り、声をかけてから部屋の中に入る善作。主人が下がった後、神宮司は娘の縁談が急に決まり、振袖や訪問着など嫁入り一式を揃えてやって欲しいと頼む。息子のときに悪いことをしたと思っていた神宮寺は気が楽になったと安堵する。善作は神宮寺の心遣いに感謝して涙ぐむ。一方、お使いから帰ってきた静子は糸子を探すが、まだ帰ってきていない。この頃、帰りが遅いことを心配する千代とハル。静子は帰ってきた糸子を捕まえ、パッチ屋で働いているのかと尋ねる。糸子は静子の口を塞ぎ、路地裏に連れて行く。そこで小原呉服店は娘を働きに出さなければならないほどお金に困っているらしいという噂が流れていることを知った糸子は、ちょっと手伝っているだけだと否定する。静子は善作に怒られると言うが、糸子は悪いことはしていないと居直る。桝谷パッチ店でいつものようにミシンの動きを眺めていた糸子は、店主の幸吉に呼ばれる。幸吉は妻のさよを追い払うと、卒業したらうちに来ないかと提案する。嫁に来いと言われたのかと勘違いする糸子だったが、雇ってくれるのだと知り、働きたいと申し出る。後日、安岡家の前を通った糸子は、2階の勘助に呼び止められ、粟おこしにつられて立ち寄る。1階では奈津が勘助の母・玉枝に髪を結ってもらっていた。芸姑のようで贅沢だと言う糸子に対し、女の値打ちが違うと答える奈津。糸子は2階に上がり、粟おこしを食べながら女学校を辞めようと思っていると打ち明ける。パッチ屋で働くという糸子を羨ましがって自分も学校を辞めて働くと言い出す勘助だったが、糸子に頭をはたかれ、玉枝が女手一つで行かせてくれている学校を辞めたら承知しないと言われて考え直す。糸子は勘助の様子から学校で何か嫌なことがあると察知し、いじめられていたらいつでも仕返しをすると請け合う。その後、勘助が1階に下りてくると、髪結いが終わった奈津がまだ家にいた。泰蔵がいつ帰ってくるのか気になっていた奈津だったが、いざ帰ってくると言葉を交わすこともできず、恥ずかしそうに帰っていく。その頃、神戸に住んで父親の紡績会社を手伝っている千代の兄・正一が、仕事で岸和田に来たついでに小原呉服店にやってくる。正一が大の苦手である善作は、その姿を見て逃げ出す。
大人になった糸子、寝坊もしなくなりました。
でも遅刻しそうでもそうじゃなくても、毎回のように吉田奈津と登校時間が同じになるのはなぜ。笑。
しかもどちらが先に行くかで競い合ってるし。後半で「女の値打ちが違う」などと憎まれ口を叩く奈津ですが、やはり糸子は気になる存在なんでしょうね(一番気になるのは泰蔵のようですが)。
パッチ店の店主、なかなかいい人ですね。顔はでかいけど。
これまで何かと「女だから」と制限をかけられていた糸子ですが、店主は男だろうが女だろうがやる気があればいいという考え。最初に「うちに来えへんか」という言葉を嫁に来いという意味だと勘違いしたのも、それだけ女が外に働きに出ることが珍しかったせいでしょうね。
そしてもう一人、岸和田の大地主・神宮司もいい人。
息子の縁談のときは相手がフランス帰りということで燕尾服で挙式、小原呉服店の出番はなかったわけですが、娘のときは嫁入り一式をご購入。しかし立て続けですな。
品揃えが悪いなどと陰口を言う吉田屋の主人には「これまでの付き合いがあるから」というような言い方をしていましたが、大地主になるほどの人ほどそういった付き合いを大事にするものなのかも知れません。吉田屋の主人は自分でも言っていた通り、器がこんまい(小さい)ですな。
善作も正一の姿を見て逃げ出すあたり、こんまいこんまい。