かわいいコンビニ店員飯田さん
『空腹』
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OFF・OFFシアター
作・演出:池内風
舞台監督:浦本佳亮(至福団)
照明:阿久津未歩(LICHT-ER)
音響:泉田雄太 音響オペレーター:秋田雄治
美術:稲田美智子 舞台監督補佐:谷川大吾
演出助手:保坂麻美子(キ上の空論)
作家ドラマトゥルク:阿岐之将一
チラシデザイン:立花和政(デザイン太陽と雲)
イラストレーション:Mayuki Oikawa
公演サポート:高畑裕太(ハイワイヤ)
制作協力:大原みづほ、伏見萌愛、萩原深雪、神庭春香
制作:横井佑輔(PlayPlan)
企画・製作:かわいいコンビニ店員飯田さん
出演:
吉田悟郎(シェアハウス「ラブリエ」オーナー・美濃部國光(38))
小林れい(「ラブリエ」入居者・朝桐京香(26) )
廣瀬智晴(「ラブリエ」入居者・小鳥遊陽向(24) )
長南洸生(「ラブリエ」入居者、陽向の高校の同級生・日下部青葉(24) )
宇野愛海(「ラブリエ」入居者、アーティストの卵・南雲遊(26) )
渡辺翔(「ラブリエ」入居者・武藤勝次(42) )
橋本菜摘(「ラブリエ」入居者、勝次の恋人・倉下幸(32) )
高畑裕太?(「ラブリエ」入居者・アゴウユズル(35) )
阿岐之将一[声の出演](勝次の年下の上司)
STORY
シェアハウス「ラブリエ」には児童養護施設出身の陽向、アーティストの卵・遊、年上の恋人・勝次に尽くす幸、そして健康志向の強い京香の5人が入居していた。そこへ新たに入居してきた青葉は陽向の同級生だったが、借金取りに追われている様子。オーナーの美濃部は他にも物件を所有していたが、掃除や設備のメンテナンスを入居者に任せっきり。それでいて光熱費やシステム費の名目で家賃が上げられていくことに入居者たちは不満を募らせる。
『とりあって』(未見)、『悼むば尊し』に続いて現代のストレスを描く3作品目。
舞台はシェアハウス「ラブリエ」の共同スペース。中央にテーブルとソファセットがあり、奥はキッチンで冷蔵庫や電子レンジ。上手奥が出入口で、上手手前に仕切りがあり、その奥にベッド。下手側には物が雑然と置かれている。壁には注意書きなどなど。
本作のテーマはずばり貧困。
日本の貧困率は2023年度の調査では15.7%でG7の中でも最悪の数字となっているが、「ラブリエ」の入居者たちもそれぞれの事情を抱えつつ共同生活を送っている。
今日的な題材でそれぞれのキャラクターもよく、全体的にはいい作品だったと思うけど、見どころであろう美濃部と入居者たちとの議論が今ひとつ響いてこなかった。一つには何だかんだ言いつつ、入居者たちがそれほど切羽詰まった状態に置かれているようには感じられなかったせいもある(その後に事件は起きるのだけど)。
しかしこれだけ貧困に苦しむ人が多くて生きづらさを感じている人が多いのに、自民党が与党でありつづけ、東京都知事も現職が三選されてしまうのは何でなのかね。貧困は明らかに政治の責任なのに。
キャストはみなさんとてもよかった。
特に橋本菜摘さんは痛々しい感じがしつつも、渡辺翔さんとの凸凹コンビ感が微笑ましい。開場時からソファに座っていた廣瀬智晴さんも独特の存在感を発揮それていた。
アゴウ役は当日パンフレットに記載がなかったのだけど、高畑裕太さんで合ってる?
上演時間2時間6分。