ほろびて『音埜淳の凄まじくボンヤリした人生』 | 新・法水堂

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ほろびて Re:シリーズ

『音埜淳の凄まじくボンヤリした人生』



2024年6月21日(金)〜30日(日)

STスポット


作・演出:細川洋平

照明・音響プラン:櫻内憧海(お布団)

オペレーション:nujonoto

宣伝美術:酒井博子(coton design)

宣伝写真:寺部智英 制作助手:渡邊綾人

制作:大橋さつき、ほろびて

企画・製作:ほろびて


出演:

吉増裕士[ナイロン100℃](音埜淳)

亀島一徳[ロロ](淳の息子・音埜大介)

上村聡(淳の弟・丹波准)

八木光太郎(淳の義弟・楠木塁)


STORY

言語学者の音埜淳はアニメーター志望の息子・大介と二人暮らし。ある日、婿養子に行った淳の弟・准がやってきて離婚すると告げて半ば強引に同居を始める。更にそこへ亡き妻の弟・楠木塁が訪れる。


初期作品を作り直すRe:シリーズ第1弾。

2015年、スタジオ空洞にて初演。


床には間取りに沿って線が引かれ、下手側が玄関。中央がリビングで、テーブルに椅子4脚、隅に仏壇がある(線のみ)。上手側が淳の書斎で、机の上にノートパソコン、手前にタンス(これまた線のみ)。手前には廊下。下手手前の出入口が台所へ、が風呂やトイレへ、上手手前は大介の部屋へそれぞれ繋がる。


男4人のみで繰り広げられる会話劇。

一見、地味な作品ではあるがーーそして実際、地味なのだがーーしみじみと染み渡ってくるような舞台だった。音埜淳はどうやら認知症を患っているらしく、数年前に亡くなった妻を捜しに外に出て行ってしまい、息子や弟を心配させる。

ところが、その息子も実はーーということが分かってくると、宇宙人と話ができるようになったという音埜淳の喪失感の大きさに切なくなる。


初演は観ていないが、吉増裕士さんの佇まいが溜まらない。初演時、細川さんが吉増さんの出演を熱望したというのも納得。

亀島一徳さんの息子っぷりもよかった。熱のこもった語り口に『新世紀エヴァンゲリオン』が見たくなった。笑


上演時間1時間46分。


 タイトルの元ネタ