劇団チョコレートケーキ『白き山』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

劇団チョコレートケーキ

『白き山』



2024年6月6日(木)〜16日(日)

駅前劇場


脚本:古川健(劇団チョコレートケーキ)

演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)

舞台美術:長田佳代子

美術助手:安岐祐香
照明:和田東史子(松本デザイン室)
音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)

音響オペレーター:日本有香(Sugar Sound)
音楽:佐藤こうじ(Sugar Sound)
衣装:藤田友 山形弁指導:伊藤穂(箱庭ノ糸)

大道具製作:Carps、美術工房いろあと

小道具製作:佐藤区役所、服部未夢

電飾協力:株式会社ラセンス

演出助手:石塚貴恵

舞台監督:本郷剛史、小川陽子
タブレット字幕:G-marc(株式会社イヤホンガイド)
宣伝美術:R-design 写真:池村隆司
撮影:神之門隆広、与那覇政之、松澤延拓、大竹正悟、遠藤正典
Web:ナガヤマドネルケバブ
制作協力:塩田友克
制作:菅野佐知子(劇団チョコレートケーキ)


出演:

緒方晋[The Stone Age](歌人、精神科医・斎藤茂吉)

浅井伸治[劇団チョコレートケーキ](精神科医、茂吉の長男・斎藤茂太)

西尾友樹[劇団チョコレートケーキ](精神科医、茂吉の次男・斎藤宗吉)

岡本篤[劇団チョコレートケーキ](会社員、茂吉の高弟・山口茂吉)

柿丸美智恵(農婦、茂吉の賄い婦・守谷みや)


STORY

昭和20年9月、山形県堀田村金瓶(かなかめ)に疎開していた歌人・斎藤茂吉は、終戦後も近所の農婦・みやに賄い婦をしてもらいながら、その地に居続けていた。金瓶を訪れた次男・宗吉は父の様子がおかしいことに気づき、兄・茂太(しげた)に手紙を送る。その手紙を読んだ茂太は父の高弟・山口茂吉とともにやってくる。


劇団チョコレートケーキ、新作公演。

当初、斎藤茂吉役は村井國夫さんが予定されていたが、体調不良のため降板。緒方晋さんが代役を務める。


下手に茂吉の書斎。上手に庭があり、竹を組み合わせて作った長椅子。背景に白い山。

チョコレートケーキではよくあることだが、本作も史実を踏まえつつも物語はフィクションとなっている(ちなみに次男の宗吉は後の北杜夫さんで、その著書も多数参考文献として挙げられていた)。

タイトルの白い山は蔵王連峰を指していて、奇しくも音無美紀子さん出演の劇団桟敷童子『阿呆ノ記』と同じく山が主人公とも言える作品となっていた。物語としてはこちらの方が8年ほど後ということになるが、この頃はまだ人間が山を始めとした自然から様々なものを受け取っていたのだなと思わされる。


正直なところ、斎藤茂吉にさほど興味はなく、本作を観ても興味は湧かなかったが(苦笑)、緒方晋さんは艶のある演技で雷親父でもあった茂吉を魅力的に演じていた。

柿丸美智恵さん扮するみやにはモデルがいるのかどうかはよく分からないが、いいアクセントになっていた。とりわけ終盤、茂吉と山について語るくだりがよかった。

岡本篤さん扮する山口茂吉もいいキャラをしていたけど、岡本さんが演じればたいていいいキャラになるからなぁ。笑


上演時間1時間58分。


上演後、岡本篤さんによるアフターアクトあり(8分)。山口が自宅に帰り、妻と交わす会話の一コマ。