ホリプロ『未来少年コナン』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ホリプロ

『未来少年コナン』



【東京公演】
2024年5月28日(火)~6月16日(日)
東京芸術劇場プレイハウス
 
原作:日本アニメーション制作「未来少年コナン」(監督:宮崎駿 脚本:中野顕彰、胡桃哲、吉川惣司)
演出・振付・美術:インバル・ピント
演出:ダビッド・マンブッフ 脚本:伊藤靖朗
音楽:阿部海太郎 作詞:大崎清夏
照明:ヨアン・ティボリ 音響:井上正弘
ヘアメイク:宮内宏明 通訳:石丸由紀
美術助手:大島広子 振付助手:皆川まゆむ
演出助手:陶山浩乃 舞台監督:足立充章
【宣伝美術】
アートディレクター:千原徹也 撮影:森山将人
衣裳:飯嶋久美子(POTESALA)、SHIRO.O
ヘアメイク:冨沢ノボル

出演:
加藤清史郎(コナン)
影山優佳(ラナ)
成河(ジムシー)
椎名桔平(おじい/ブライアック・ラオ博士)
門脇麦(インダストリア行政局次長モンスリー)
宮尾俊太郎(貿易局員・船長ダイス)

今井朋彦(インダストリア行政局長レプカ)

岡野一平(ルーケほか)

 <ダンサー>
川合ロン、笹本龍史、柴一平、鈴木美奈子、皆川まゆむ、森井淳、黎霞、Rion Watley
<ミュージシャン>
トウヤマタケオ、佐藤公哉、中村大史、萱谷亮一/服部恵
 
STORY

西暦20XX年、人類は超磁力兵器を使用し、地球の地殻を破壊、大変動が起こった。五つの大陸はことごとく海の底に沈み、栄華を誇った人類の文明は滅び去った。それから20年後、孤島・のこされ島では少年コナンが育ての親・おじいと二人で暮らしていたが、ある日、謎の少女ラナが島に流れ着き、コナンの運命が動き出す。島には工業都市インダストリアから行政局次長モンスリーが飛来して、ラナを誘拐してしまう。コナンはラナを助け出すため、いかだに乗って冒険の旅に出ることに。 旅先では謎の野生児・ジムシーやインダストリアの貿易局員・船長ダイスなどと出会ってゆく。一方、自然に溢れたラナの故郷・ハイハーバーには、天才科学者ブライアック・ラオ博士の居どころを探すインダストリアの行政局長レプカ率いる兵士たちが襲いかかる。コナンは仲間たちと巡り合い、大切な人を守るために様々な困難に立ち向かってゆく。そして人類に残された世界で、新しい未来を切り拓いてゆくのであった。【公式サイトより】


1978年、NHKで放送された宮崎駿監督の初監督アニメ『未来少年コナン』の舞台化。
世代ではないので今まで見たことはなかったが(数年前に再放送してたけどね)、本作を見るにあたって8話まで視聴。

『ねじまき鳥クロニクル』再演から半年、日本の小説の次は日本のアニメの舞台化となったわけだけど、作品の内容的にはディストピア的世界を舞台にして環境問題も扱われていて、実に今日的。
本作でもダンサーの動きに目を奪われることがしばしばあったが、上手側にいるミュージシャンが効果音を担当したり、ほとんどのメインキャストがソロで歌ったりして演出面でも飽きさせることがなかった。特に一幕最後のコナンとラナが海底に降りていくシーンは幻想的で、二幕のクライマックスとも言うべきコナンとレプカの対決シーンでは、鏡で覆われた三角すいが効果的に使われていた(終演後、眩しいと文句を言っていた人もいたけど…)。
最後は希望が感じられる終わり方だったけど、インバル・ピントさんの母国がしていることを思うと何ともはや……。

キャストでは主演の加藤清史郎さんはコナンそのもの。走り方なども宮崎アニメっぽさが感じられ、こんなに身体能力が高かったんだと驚き。
影山優佳さんは初めて知った方だけど、これまたイメージにぴったり。成河さんも頑張っていたけど、やはり加藤さんとの年齢差は違和感が残った。
宮尾俊太郎さんのダイスもなかなかいいキャラクターだったけど、最後はモンスリーと結ばれるとは。

上演時間2時間50分(一幕1時間17分、休憩16分、二幕1時間17分)。