新国立劇場
『デカローグ』プログラムB
原作:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ
翻訳:久山宏一 上演台本:須貝英
演出:上村聡史
美術:針生康 映像:栗山聡之 照明:松本大介 音楽:阿部海太郎 音響:加藤温
衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:西祐子、中嶋彩乃
舞台監督:濵野貴彦、清水浩志
総合舞台監督:齋藤英明
演出部:大平扶紀子、杉田健介、小玉珠成、三上洋介、小野寺栞、伊藤春樹
衣裳部:山中麻耶、天野文子、安河内瞳、山中由佳
ヘアメイク:前田亜耶
映像操作:オングストローム 安里奈保見、小池夏海
音響助手:浅野直斗
ヘアメイク助手:田中順子 、岩田知世
稽古場代役&プロンプ:村上佳、キクチカンキ
制作助手:林弥生、小川真理
制作:永田聖子、中柄毅志、伊澤雅子
プロデューサー:茂木令子、三崎力
デカローグ2「ある選択に関する物語」
出演:
前田亜季(ドロタ)
益岡徹(医長)
坂本慶介(ドロタの夫アンジェイ)
近藤隼(アンジェイの友人、ドロタの愛人ヤネク/婦人科医)
松田佳央理(看護師)
亀田佳明(男(若い医師の姿をしている)STORY
交響楽団のバイオリニストである30代の女性ドロタと彼女と同じアパートに住む医長の二人。ドロタは重い病を患って入院している夫アンジェイの余命を至急知りたいと医長を訪ねる。ドロタは愛人との間にできた子を妊娠していた......。【公式サイトより】
デカローグ4「ある父と娘に関する物語」
出演:
近藤芳正(ミハウ)
夏子(娘アンカ)
松田佳央理(母)
近藤隼(眼科医/教授)
坂本慶介(学生ヤレク)
益岡徹(医長)
亀田佳明(男(白い大きな凧を持った男の姿をしている))
STORY
快活で魅力的な演劇学校の生徒アンカは、父ミハウと二人暮らし。母はアンカが生まれた時に亡くなった。父娘は友達同士の様に仲睦まじく生活していたが、ある日アンカは「死後開封のこと」と父の筆跡で書かれた封筒を見つける。その中身を見たアンカがとった行動とは.....。【公式サイトより】
昨日のプログラムAに続いてプログラムBを鑑賞。「デカローグ2」と「デカローグ4」の組み合わせ。
舞台はプログラムAに出てきた団地の横と手前に増築された形で、手前の部分は上手の出入口まで続く。
「デカローグ2」では1階は医長の家、2階がドロタの家(最上階という設定)、下手にアンジェイが横たわる簡易ベッド。「デカローグ4」では1階部分がアンカとミハウの家、2階部分は演劇学校の授業のシーンで使用。
物語の分かりやすさという点においてはプログラムAの2作の方が優っていたように思うが、こちらのプログラムの2作もそれぞれ丁寧に人間関係の機微が描かれていた。
デカローグ2のドロタは夫が生き延びるか死ぬかによって愛人の子を堕胎するかどうかを決めるのだが、医長から助かる見込みがないと聞いて出産した後、奇跡的に一命を取り留め、自分の子供を産んでくれたと勘違いした夫に感謝される。
一方、デカローグ4のアンカは父親の出張中、母親が遺した手紙を読み、自分たちが本当の親子ではないことを知ったと父親に告げる。その後、お互い異性として愛していることを確かめ合うも、実はアンカは手紙を読んでいないと打ち明ける。
どちらも1つボタンをかけ違えればその関係性がまったく別のものになるという点において、近しいものを感じたし、阿部海太郎さんによる音楽も作品にとてもよく合っていて要所要所で盛り上げてくれてた。
キャストは両方ともよかったけど、近藤芳正さんはもう少し渋めの方のほうがよかったかな……いや、近藤さんもよかったんですけどね。笑
上演時間2時間8分(「デカローグ2」52分、休憩20分、「デカローグ4」56分)。