無限のネコ定理『演劇を考察してみよう!』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

無限のネコ定理 第3回本公演

『演劇を考察してみよう!』



2024年4月17日(水)〜21日(日)

王子小劇場


脚本:すやまあきら 演出:松尾元勢

照明:中西美樹 音響:HARLY

映像プラン:宇野雷蔵

映像オペレーター:櫻井れな

舞台監督:横山朋也 舞台美術:松尾元勢

ラップ制作:後藤浩明

トラックメイカー:erimak

衣裳:すやまあきら

宣伝美術:梶原慎平、鈴木花実(印税生活社)

広報:すやまあきら、阿部将生

制作:阿部将生 


出演:

鉄男(劇団第7ターミナル脚本家・順川陰)

松本征樹[劇団俳優座](漫才師・宇治光輝/アトム/ファミレス「ダスト」店員)

西覚[無限のネコ定理](劇団第7ターミナル主宰・東覚)

浅野悠那[無限のネコ定理](劇団員・深海)

上野陽立[Prelude](劇団員・岸大輔/アトムの父)

宇野雷蔵(劇団員・竹頭退/宇治の相方)

四木ひかり(順川の恋人・桜子)

大数みほ(アトムの母・キョウコ)

吉本穂果[TOKYOハンバーグ](アトムの姉)

南木春香

すやまあきら[無限のネコ定理](男)

阿部将生[無限のネコ定理](飼い犬チロ)


STORY

学生時代の仲間と劇団第7ターミナルを結成した順川は、座付き作家として様々な思いを抱えながらも演劇活動を続けていた。しかし2023年2月、恋人もできた順川は、ファミレスでの会議の場で劇団を離れる意志を伝える。


桐朋学園芸術短期大学の卒業生からなるユニット・無限のネコ定理の新作公演。劇団名は無限の猿定理からやね。



劇場を通常とは反対向きに使用。上手奥に縦長のスクリーンがあり、章題を表示。反対側に電柱。電線には青、黄、赤のスニーカー(後で気づいたけど信号を表していたのか)。下手手前にボロいソファとテーブル、自転車。上手手前に机。奥にカーテンのついた可動式の枠組。上手奥にハンガーラックにかかった衣裳などなど。


スクリーンには「第1章 演劇はエロには勝てない。」に始まり、「第2章 演劇は二次元には―」、「第3章 演劇は焚火には―」と続き、「第4章 演劇は休憩には勝てない。」で一幕終了。休憩中は「第5章 演劇は活字には勝てない。」と題された文章を読むよう指示があり、二幕は「第15章 演劇は音楽には勝てない。」と一挙に飛ぶ。

このように演劇と他ジャンルのものを比べていくのだが、「演劇を考察」すると言うよりは、そんな勝ち目のない演劇なんぞというものを作り続けている自分たちについての考察と言った方が正確だろう。

とりわけ劇中劇で高校卒業後、役者を目指して上京する決意をしたアトムとその母のやりとりがとてもいい。想像でしかないけど、大半の演劇人は自分とアトムを重ね合わせてしまうのでは。

RCサクセションの「スローバラード」や「雨あがりの夜空に」を使っている時点で合格。布施明さんの「君は薔薇より美しい」も何度も歌われて、若いのに古い歌が好きなのね。笑


上演時間2時間45分(一幕1時間17分、休憩17分、二幕1時間11分)。


アフタートークゲストは芸人のTAIGAさん。客席も知らない人が大半の芸人さんで私もピンと来ていなかったが、ウーバーイーツの待ち時間で配信をしていると聞いて、あぁあの人かと納得。

で、知られていないであろうTAIGAさんの紹介をするのはいいけど、そもそも紹介しているお前は誰なんだよ、というね笑。多分、すやまあきらさんだと思われるけど、隣の2人も誰やねん(推測するに演出の松尾元勢さんと制作の阿部将生さんなんだろうけど)。まずは自分たちから自己紹介しましょうね。

自己紹介という点で言うと、当日パンフレットに配役がないのも不親切極まりない。気になった俳優さんがいても名前が分からないでは、お互い得することは何もないだろうに(なので上記の配役は不完全であることをあらかじめお断りしておく)。