『ZOO』(ピーター・グリーナウェイ監督) | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『ZOO』

A ZED & TWO NOUGHTS



1985年イギリス・オランダ映画 115分
脚本・監督:ピーター・グリーナウェイ
撮影監督:サッシャ・ヴィエルニ
美術:ベン・ヴァン・オズ、ヤン・ロールフス
音楽:マイケル・ナイマン
編集:ジョン・ウィルソン 

出演:
アンドレア・フェロル(アルバ・ビューイック)
ブライアン・ディーコン(オズワルド・デュース)
エリック・ディーコン(オリヴァー・デュース)
フランシス・バーバー(娼婦ミロのヴィーナス)
ジョス・アクランド(ヴァン・ホイトン)
ジム・デイヴィッドソン(ジョシュア・プレート)、アグネス・ブリュレ(アルバの娘ベータ・ビューイック)、フーシェ・ファン・ティルボフ(助手カテリーナ・ボルネス)、ジェラード・トゥールン(外科医ヴァン・メイハラン)、ケン・キャンベル(スティーヴン・パイプ)、ウルフ・カーラー(フェリペ・アルク・アン・シエル)、ジェフリー・パーマー(ファラスト)、デイヴィッド・アッテンボロー(ナレーター)

STORY
ヨーロッパのとある公立動物園。動物学者であるオズワルドとオリヴァーの兄弟はそこで働いているが、最近、自動車事故で同時に妻を亡くした。車を運転していた女アルバは生命はとりとめたが事故で片脚を切断した。残された兄弟は悲しみにうちひしがれていたが、やがて二人は死んだ動物が腐ってゆく過程を記録する実験にとりつかれ、生物の進化をたどったフィルムを憑かれたように見始めた。二人はアルバに魅かれ、彼女も二人に興味を抱いた。そんな三人の様子が外科医ヴァン・メイハランと助手のカテリーナに監視されていた。アルバと兄弟の間には愛が生まれた。ヴァン・メイハランはアルバのもう片方の脚も切断しようと企てる。動物園の内部で動物の肉が取引され、ゆすりが行われ、腐敗が渦巻き、動物を自由にすべきだという兄弟と彼は反発し合う。三人は共同生活を始め、アルバは二人の子どもを身篭った。二人が動物園をくびになった直後、アルバは双子の男の子を産んだ。しかしその直後衰弱で死んでしまう。残された兄弟は自ら撮影の実験体になり、互いに命を断つのだった。【「KINENOTE」より】

《ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティヴ 美を患った》上映作品。 2000年初期のHDリマスター版を無修正で劇場初上映。


これまたDVDは持っているものの、スクリーンで観るのは初めて。本作はサウンドトラックも何回聴いたか分からないぐらい。フジテレビ『料理の鉄人』でも使われていたが、今回、上映中はまったくそのことが頭を過ぎらなかった。それだけ映像や展開が強烈で、思い出す暇(いとま)もなかったということだろう。40年近く経って一向に古びることがない。

今回の特集上映はこれで3本目だが、見れば見るほど初見時は何も理解できていなかったし、今も理解できていないままなのを痛感する。またDVDを引っ張り出してきて見るとしよう……。