流山児★事務所
『田園に死す』
2024年3月14日(木)~24日(日)
ザ・スズナリ
原作:寺山修司
脚色・構成・演出:天野天街(少年王者舘)
音楽:J・A・シーザー(演劇実験室◎万有引力)
芸術監督:流山児祥
振付:夕沈(少年王者舘)
美術:水谷雄司 美術補:小林岳郎
照明:小木曽千倉 音響:岩野直人
映像:浜嶋将裕 衣装:竹内陽子
舞台監督:伊東龍彦 演出補:小林七緒
演出助手:内河啓介 舞台監督助手:橋口佳奈
制作:米山恭子
宣伝美術・絵:花輪和一
宣伝美術・文字:山田勇男
舞台写真:横田敦史 記録映像:コラボニクス
出演:
大内厚雄[演劇集団キャラメルボックス](新次)
木暮拓矢(シンジ)
五島三四郎(しんじ)
眞藤ヒロシ(新司)
里見和彦(同級生・地獄)
日下部そう(同級生・極楽)
山下直哉(同級生・テラ)
竹本優希(ままはは/空衣)
平野直美(母・セツ)
新部聖子[少年王者舘/FUKAI PRODUCE羽衣](せつ/花衣)
伊藤弘子(化鳥)
沖田乱(化鳥のダンナ)
中田春介(怪人/父)
流山児祥(大嵐・寺山司修)
小川輝晃(嵐・明智小五郎)
さとうこうじ(少年探偵団・コバヤシヨシオ)
小林七緒(少年探偵団・狂作)
山川美優(少年探偵団・杉作/歌衣)
辻京太(少年探偵団・サクミ)
森春介[少年王者舘](少年探偵団・ユタカ)
蒲公仁[個人企画集団*ガマ発動期](団長)
飯塚勝之[少年王者舘](アカマント)
本間隆斗(ナオヤ1)
小林夢二[少年王者舘](ナオヤ2)
鈴木麻理(看護婦/ナデシコ)
荒木理恵(看護婦/キキョウ)
STORY
父親のいない「私」は、恐山の麓の村で母と暮らしている十代の少年。楽しみはイタコに父親の霊を呼び出させて会話をすること。「私」の家の隣には他所から嫁入りした若い人妻が住んでおり、意中の人。ある日、村にやって来たサーカス団員から外の世界の事を聞かされ、憧れを抱く。「私」は家出を決心し、同じように生活が嫌になった隣の人妻と共に村を離れる。駅で待ち合わせ、線路を歩く二人…ここまでが映画監督になった現在の「私」が製作した自伝映画の一部。「もし君がタイムマシーンに乗って数百年をさかのぼり、君の三代前のおばあさんを殺したとしたら、現在の君はいなくなると思うか」と批評家に尋ねられた私は、少年時代の自分自身に出会う。少年の私は、映画で描かれた少年時代は脚色されており、真実ではないと言い放つ。そして、本当の少年時代がどの様なものであったかが語られる。【初演チラシより】
2009年初演、その後、2012年、2014年と上演された作品を10年ぶりに上演。私は初演以来の観劇。
舞台は十二畳ほどの和室。左右に天井までの高さの襖が斜めに数枚置かれ、その間から出入り。中央には柱時計。
開演前、ぎゅうぎゅう詰めのスズナリというだけでもワクワクしてしまうが、始まってしまえばノンストップで2時間15分があっという間。
のっけからマッチを灯しながらの群読、延々と続くループ、夕沈ダンス、迫りくる映像とここしばらく味わえていなかった私の大好き要素が満載。
初演から変更された部分もあり、父と怪人が一人二役になっているのも効果的。そして終盤の展開は47歳の若さでこの世を去った天才を惜しむ気持で胸がいっぱいになる。
そして最後のザ・スズナリには分かっていても、感動を禁じ得ない。作品自体が円環構造になっていることもあり、もう永遠に観ていられるな。
キャストではやはり今回も新部聖子さんに目が行ってしまうし、歌や群読でもしかと聞き分けられる笑。早く王者舘の本公演で観たい!
大内厚雄さんは初演時と変わらない…どころか若返っているような印象もあり、改めてよくキャラメルボックスの役者さんが出てくれたし、キャスティングしたなと感心してしまった。
上演時間2時間17分。
アフタートークはイープラスSPICE編集部の安藤光夫(うにたもみいち)さん司会のもと、しりあがり寿さんがゲスト。天野天街さんは風邪なのかちょっと変な喋り方。笑