KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』 | 新・法水堂

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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース

『スプーンフェイス・スタインバーグ』

Spoonface Steinberg



2024年2月16日(金)〜3月3日(日)
KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉

作:リー・ホール 翻訳:常田景子
演出:小山ゆうな
美術:大島広子 照明:大石真一郎
音響:徳久礼子 舞台監督:山田貴大
出演:安藤玉恵(スプーンフェイス・スタインバーグ)

STORY
顔がスプーンみたいに丸いため“スプーンフェイス”と名付けられた自閉症の少女は、7歳にして癌に侵される。死を間近に、両親やお手伝いのおばさん、病院の先生、大好きなオペラに思いをめぐらせながら、生きることや死ぬこと、そしてこの世界の意味をも問い語り続ける…【公式サイトより】

ミュージカル『ビリー・エリオット』などの脚本を手がけたリー・ホールさんがラジオドラマとして書いた作品。2000年にキャサリン・ハンターさん主演で舞台化され、日本では2010年に長塚圭史さん演出でリーディング公演として上演されている(スプーンフェイス役は麻生久美子さん)。

天井からは白い布が垂れ下がり、舞台上には棚や机、帽子掛け、おもちゃのピアノ、おもちゃ箱、ハンガーラックなど。奥には円形の台があり、ぐるりを白いカーテンが覆う。
『悲劇喜劇』に掲載されている戯曲は途中まで読んでいたのだけど、イメージしていた数十倍もポップな仕上がり。安藤玉恵さんは金髪のウィッグをつけ、舞台も子供部屋の雰囲気。
天井から垂れ下がっている布は可動式で、下まで下ろして映像を映し出す際にはスクリーンとして使用。下手手前にビデオカメラが据えられ、スプーンフェイスがカメラに向かって喋ったり、カメラを手に取って撮影したりもする。
また、マリア・カラスさん歌唱によるオペラの楽曲がいくつか使われており、スプーンフェイスが客席通路まで出ていって歌い上げるといった演出も。

安藤玉恵さんは癌に冒された自閉症のユダヤ人少女という、どこから手をつけていいものやらな役柄を見事に演じ、75分間、しかと客席を惹きつけた。
今のところ観に行く予定はないけど、片桐はいりさん(今日は最後列で鑑賞されていた)がこの役をどう演じるのか気になるところ。

上演時間1時間14分。