柚木彩見プロデュース あっとほーむ『視界の先に』 | 新・法水堂

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柚木彩見プロデュース第19弾

あっとほーむvol.16

『視界の先に』



2024年2月14日(水)〜18日(日)
TKJシアター

脚本・演出:業
音響・照明・舞台監督・美術・フライヤー・スチール:カンフミト
企画・制作・衣装・小道具・プロデュース:柚木彩見

出演(Bチーム):
九島勇(北野亮)
荏原汐里(亮の恋人・藤本美月)
岩邊諒(亮の高校時代の友人・石原圭吾)
小町なこ(同・青木彩香)
たかみやまほ香(同・菊池さくら)
重清もも子(亮の美大時代の友人・吉村菜緒)
小島美緒(菜緒のルームメイト・十城咲)

STORY
「結婚しよう」北野と藤本はそう話す。北野は、昔の同級生に「おめでとう」と告げられるが、親友の吉村には思いもよらぬことを言われる。そんな中、 藤本は道で唐突に「絵を描かせてくれ」そう告げられ…。【当日パンフレットより】

TKJシアター1周年記念公演。Wキャストのうち、Bチームを鑑賞。

舞台中央壁の前にテーブルと椅子2脚。壁の向こう側に冷蔵庫がある設定。下手側にソファ、スタンドライト。上手側が一段高くなっていて、ベランダや道路など別空間として使用。上手手前にハケ口。

物語はクリスマス、北野が恋人の藤本にプロポーズするところから始まる。北野は高校では美術部、その後、美大に進んでいたが、藤本が妊娠しているということもあり、絵を描くのは止めることにする。
北野と藤本の出会いは、駅前で北野が絵のモデルになってほしいと藤本に声をかけたことがきっかけなのだが、藤本に声をかけたのには理由があった。
どうにもこうにも北野の無神経さにモヤモヤ。藤本を高校の美術部仲間に会わせた際、藤本が高校時代に亡くなった北野の恋人ジュン(漢字不明)に似ていることが分かるのだけど、友人たちのリアクションは当然予想できたわけで、前もって話しておくなり、藤本には気取られないようにしたりいくらでもできそうなところを何もしない。
藤本が立ち去った後、転げ落ちるような物音がするが、藤本に何が起きたのかは明確にならないまま、北野が藤本の絵を描いて終わるのだけど、そこでも悲劇の主人公気取りなのが鼻につく。
北野の友人たちのおふざけのノリとかはよかったけど(特にカラコンを入れた彩香(さいか)役の小町なこさん)、やや消化不良。荏原汐里さんには役不足だった(本来の意味で)。

上演時間1時間38分。