連続テレビ小説『ブギウギ』
第18週「あんたと一緒に生きるで」(第85回)
作:足立紳
音楽:服部隆之
主題歌:「ハッピー☆ブギ」中納良恵、さかいゆう、趣里
語り:高瀬耕造アナウンサー
出演:
趣里(福来スズ子)
水上恒司(村山愛助)
黒田有(村山興業東京支社長・坂口)
友近(看護婦・東)、三浦誠己(村山興業社長秘書室長・矢崎)、中川浩三(産婦人科医・村西)、松木賢三(愛助の主治医)、劇団東俳、オフィス・ミナミカゼ、Dプロモーション、シンフォニア、劇団往来、舞夢プロ、ビックワンウエスト
近藤芳正(山下達夫)
小雪(村山トミ)
STORY
スズ子のもとに愛助から、病状は快方に向かっており、出産予定日までには東京に帰ることができるだろうという葉書が届く。しかし、実は愛助の病状は悪いままであった。愛助は母・トミに、自分はもう助からないのだろうと聞く。その数日後、スズ子に陣痛が来る。ちょうど同じ時、山下と坂口のもとに、大阪の矢崎から愛助が危篤状態にあるとの知らせが入る。【NHK公式サイトより】
予定日までには戻ると書いてきた愛助のハガキを見て、無理をしていると見抜くスズ子。ハガキには病院の食事がおいしいと書いてあったものの、愛助に食欲はなく……。
愛助はトミに「もうあかんねやろ」と聞き、「お母ちゃんの子でホンマよかった」と言う。それでもスズ子と結婚すると言う愛助は、あの人の明るさに救われた、お母ちゃん以外で僕の人生を明るくしてくれた唯一の女の人だと続ける。そんな愛助に病気を治したら何でも言うこと聞いたるわと答えるトミ。
トミもこんなことなら愛助の願いを叶えさせてあげておいたらよかったと思っていたのかもしれませんね。「先立つ不孝」(勘違いしている人が多いけど不幸にあらず)とよく言いますが、子供に先立たれることほど親として辛いことはないでしょうねぇ。
そして数日後。
夕食のうどんを食べようとしていたスズ子に陣痛が来る。その頃、坂口のもとには矢崎から愛助が危篤という報せが届く。
陣痛の痛みに耐えながら病院に向かう準備をするスズ子。坂口と山下が玄関前で愛助のことをスズ子に伝えるべきかどうか迷っていると、中からスズ子の苦しむ声が。2人は慌てて中へ入り、スズ子を病院へと連れて行く。
こんなときでもちょいコメディタッチでんなぁ。「ここで産むんか?」という坂口に対し、スズ子が「アホ言わんとってください」と言っていましたが、まだこの頃は家で産むこともそれほど珍しくはなかったのでは。それにしてもスズ子、陣痛が来ているのになぜ山下と坂口が来たのか気にする余裕はあるんやね。笑
愛助は最後の力を振り絞ってスズ子への手紙を書き始める。一方、スズ子は愛助の丹前を抱きしめながら痛みに耐える。
そして、遂に出産。廊下の山下と坂口も産声が聞こえてくると抱き合って喜ぶ。生まれてきたのは可愛らしい女の子。坂口は早速、大阪に電話するが……。
まさに生と死。実際にはここまでドラマチックではなかったようですが(笠置シヅ子さんは頴右さんが亡くなったことを知った後で出産)、愛助が手紙を書く姿は鬼気迫るものがありましたね。恐らく最後に書いていたのは生まれてくる子供の名前なのでしょう。それが父親としての最初で最後の務めになろうとは。大阪側が何も台詞を発しないという演出もよかったです。
ところで娘役はこれまでの朝ドラだとヒロインの幼少期を演じた子役が演じることが多かったですが、今回も澤井梨丘さんが再登場するのでしょうかね。評判もよかったのでその可能性は大いにあると思いますが。