Sun-mallstudio produce『トーキョー奇譚〜感覚強化産業 Vol.2〜』 | 新・法水堂

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『トーキョー奇譚〜感覚強化産業 Vol.2〜』


2024年1月17日(水)〜21日(日)
サンモールスタジオ

プロデューサー:佐山泰三
舞台監督:吉田慎一(Y’s factory)
照明:長沢宏朗 音響:大園康司
宣伝美術:内田真里苗
映像:劇団離風霊船/佐藤賢治 撮影:伊藤格

◆個人企画集団*ガマ発動期
『星降る夜に~オルタナティブ~』
作:蜂蜜パンチ
脚色・構成・演出:蒲公仁
出演:
水沼さゆり(無無無の会会長・サユリ)
安田亞希子(無無無の会部下・ヤスコ)
石塚義高(刑事・沢口タツシ)
小山利英(刑事(部下)・日暮カナ)
日替わりゲスト(18日(木)19:00):
大西一郎(ウーバーイーツ)

STORY
ゴミ箱の中で密会をするサユリとヤスコ。秘密結社『無無無の会』の彼女達は毎週金曜日に場所を変え、世間に対して不平不満を議論する。そんな中、ある事件を追及しようとしていた。不条理な世を殊更に不器用に生きる人々の、少々おバカで茶目っけ一杯な夜の物語。

The Stone Age ブライアント
『あの角を曲がりたい女』
作・演出:鮒田直也(The Stone Age)
出演:
さんなぎ(さ迷う女・角紅子)
神野千愛(悩める少女・谷小夏)
本庄由佳(疑う女(児童養護施設長)・山中葉月)
熊野善啓(考える男(虫売り)・堺考男)
石坂史朗(迷わない男(主任)・幸進)

STORY
ある事情から児童養護施設で暮らす少女の楽しみはまだ誰も発見していない虫を探すこと。夏休み最後の日、少女は山の中で虫売りの男と出会う。不運な目に遭い続ける日々を送っていた少女に同情した男はある生き物をプレゼントする。それはまだ誰も見たことのない3匹の蟲(むし)だった。

◆劇団離風霊船
『どうする?!かぐや姫』
作・演出:伊東由美子
出演:
江頭一晃(宇宙飛行士1)
松戸俊二(宇宙飛行士2)
瀬戸純哉(宇宙飛行士3)
倉林えみ(かぐや姫)
岩嵜六大(アメリカ合衆国大統領)
伊東由美子(キャスター)

STORY
20XX年、NASAの発表によると、小惑星が地球に衝突する可能性が濃厚になってきたという。この事態を避けるには、月の破壊による小惑星の軌道誘導が必須だ。月に想いを馳せてきた人類にとって、月の破壊は果たして正しい道なのか? どうする⁈かぐや姫!!【以上、公演チラシより】

佐山泰三さんと寺十吾さんが1988年に始めた「感感覚強化産業」、35年越しの第2弾。「月」をテーマに3つの団体が40分の作品を上演。前説は伊東由美子さん。

ガマ発動期は14年ぶりの再演作。
元々は男女逆の配役だったもよう。
舞台は港近くで、中央に大型のゴミ箱。開演すると向きが逆になり、ゴミ箱の中にサユリがいて、ヤスコが合言葉を言って入ってくる(「山瀬」「まみ」って14年前でも古いのでは。笑)。
2人はイケメン市長が自殺を遂げた事件を追及するが……という内容。ゴミ箱が車になってカーチェイスになるなど演出面の面白さはあったが、内容的には普通。

The Stone Ageブライアントのみお初の団体。
舞台にはベンチが1つ。
両親を事故で亡くし、不治の病である結核を患っている少女・小夏はある女性と出会う。月日が流れ、高校3年生となった小夏は病気が治り、40歳の考男は彼女へのプロポーズを迷っている。
お目当てのさんなぎさんが一応、主演扱いではあるけど、あらすじにも絡んでこないことからも分かるようにそれほど重要な役ではない。角紅子と主任の幸進(こうすすむ)の正体は鬼で小夏の魂を取ることを目的としているのだが、そのあたりの設定が活かしきれていないように感じた。

いちばん楽しめたのはお久し振りの離風霊船。
背景に地球。下手にアメリカ合衆国大統領が登場する演台、上手にキャスター席。
日本人宇宙飛行士3人(1人はスポンサー、残りの2人はアンドロイド)が月面に国旗を立てようとすると、着物をアレンジしたような服装の女性に阻止される。かつて日本にいたというその女性はかぐや姫、という設定からして面白い。バイデンならぬパイセン大統領役の岩嵜六大さんがハマっていた。

上演時間1時間54分(41分/38分/35分)。