namu『地獄は四角い』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

名村辰ソロユニットnamu

旗揚げ公演『地獄は四角い』




2024年1月12日(金)〜14日(日)
OFF・OFFシアター

作・演出:名村辰
照明:緒方稔記(黒猿)
音響:大嵜逸生(くによし組)
舞台監督:古屋治男 演出助手:安齋彩音
宣伝美術:金子裕美 宣伝写真:柳澤将大
演出補佐:山西貴大
特別協力:野花紅葉 (モミジノハナ)、ファザーズコーポレーション

出演:
江原パジャマ[パ萬](蛯原/P)
柿丸美智恵(木也/K)
青山美郷(椎名/O)
松本哲也[小松台東](尾崎/C)

STORY
蛯原は自らの作・演出で旗揚げ公演『地獄は四角い』を打つことになる。出演者は恋人でもある椎名の他、ベテランの木也と尾崎の3人。しかし、コールセンターのバイトで時間が取れない蛯原は本番が近づいてもなかなか脚本を仕上がることができず、椎名との関係もギクシャクし始める。そんな中、尾崎が新型コロナに感染してしまう。

モダンスイマーズ『だからビリーは東京で』などに出演していた名村辰さんが立ち上げたソロユニットnamuの旗揚げ公演。

舞台は椅子代わりの黒い立方体が4つあるのみ。
開演時間になると、江原パジャマさんが上手舞台袖で前説。
物語は3人の俳優がある空間に閉じ込められたところから始まる。そこへ首謀者が現れ、いい演技をすれば出られるが、できなければ俳優を辞めてもらうと告げる。3人が試行錯誤していると、部屋が狭まっていき……。
なかなか攻めた内容だなと思っていると、ここでストップがかかり、今まで観てきたのが劇中劇『地獄は四角い』の稽古の様子だったことが分かる。
劇中劇の作・演出を務める蛯原は名村さん自身を投影した人物のようにも見えるが、決定的に違うのは蛯原が上演を断念したのに対し、名村さんはこうして実際に上演したという点。
演劇に限らず、何かを表現することは誰かを傷つける恐れがある。また、その創作の過程においてハラスメントが発生する可能性もある。本作は、それでも責任を持って表現を続けていくのだという名村さんの決意表明とも感じられた。この次にどういった作品を手がけるのか、楽しみに待ちたい。

上演時間1時間28分。

椎名と尾崎が観る映画。