日本劇団協議会『森から来たカーニバル』 | 新・法水堂

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日本劇団協議会

日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演俳優部門

『森から来たカーニバル』



2023年11月23日(木・祝)〜28日(火)
ザ・スズナリ

作:別役実 脚色・演出・振付:スズキ拓朗
プロデューサー:流山児祥
音楽:諏訪創
舞台美術・映像・宣伝美術:青山健一
照明:横原由祐 照明プログラマー:山森栄治
音響:大久保友紀 音響操作:斎藤正樹
衣装:竹内陽子 舞台監督:中西隆雄
ドラマトゥルク・演出助手:鳥越勇作
演出助手:小林七緒 稽古場スタッフ:山川美優
舞台写真:横田敦史
アシスタント・プロデューサー:岡島哲也、米山恭子

出演:
山﨑薫(妻)
よし乃[CHAiroiPLIN]【育成対象者】(編み物をする女)
橋口佳奈[流山児★事務所]【育成対象者】(乳母車の女)
竹本優希[流山児★事務所]【育成対象者】(近所の奥さん)
山下直哉[流山児★事務所](ウェートレス)
いわいのふ健[劇団温泉ドラゴン](夫)
小林七緒[流山児★事務所](ボーイ)
伊藤奨(牧師)
鳥越勇作[椿組](担架の男1)
鈴木幸二(担架の男2)
小林らら[CHAiroiPLIN](お嬢さん)
石渕聡[コンドルズ](カーニバルの男)
諏訪創(森)

STORY
春になると春風にのってカーニバルが森からやってくる。ゆっくりのっそりやってくる。森から来たカーニバルは七つの街と七つの村をゆっくりまわり、百三十五人を殺し、百二十二人のみなしごをのこして、森に帰ってゆく。【公式サイトより】

1994年、演劇集団円により初演された作品。

舞台にはところどころ穴の開いた壁があり、前後に移動。この壁は象にもなる。また、妻は床から、編み物をする女、乳母車の女、近所の奥さん、ウェートレスの4人は劇場自体のドアを開いて顔を出す。客席上手側の通路は主に担架の男2人が使用。

この作品を観るのは初めてなので、どの程度、スズキ拓朗さんの脚色が入っているのか分からないけど、歌ありダンスあり、諏訪創さんによるスペインの楽器ドルサイナの演奏ありで、スズナリの空間全体を用い、動く壁と映像を駆使した演出が実に楽しい。
その一方で、カーニバルという一種不条理な存在は戦争や災害を想起させる。今や不条理劇こそが最も現実世界を照射するというのも何とも皮肉。

キャスト陣ではいわいのふ健さんと山﨑薫さんの夫婦コンビ、ド派手な衣裳に身を包んだ石渕聡さん、小林ららさんのダンスが目を引いた。

上演時間1時間32分。