キ上の空論『ピーチオンザビーチノーマンズランドの再演』 | 新・法水堂

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キ上の空論

『ピーチオンザビーチノーマンズランドの再演』

Peach on the Beach: no man's land


2023年11月23日(木・祝)〜12月3日(日)
上野ストアハウス
 
脚本・演出:中島庸介(キ上の空論)
音楽:堀山俊紀(ikihsot) 舞台監督:小川陽子
照明:若原靖 照明操作:江花明里
音響:水野裕(空間企画) 音響操作:斎藤裕喜
舞台美術:愛知康子 衣装:梶山ゆめ乃
制作:吉田千尋(LUCKUP)、川邊照
演出助手:保坂麻美子(キ上の空論)
宣伝美術:古戸森陽乃(かるがも団地)
フライヤー写真:早川佳郎 舞台写真:保坂萌
プロデューサー:中島庸介(キ上の空論)
 
出演(Aチーム):
〈キョウの世界〉
川鍋知記(キョウ)
須田歩(ユーリ)
梶川七海(佐々木蒼)
小日向雪(キョウの妹?・羽湖)

〈星野の世界〉
松原怜香(星野)
板場充樹[猿博打](三崎)
美里朝希(三崎の元カノ・倉田柳)
勝沼優(三崎の友人・上野)
村上弦(上野の恋人、三崎の同級生・守谷)
 
〈マリヤの世界〉
浜田栞那(マリヤ)
石崎愛茉(日向)
音羽美可子(マリヤの幼馴染・百合子)

STORY
三崎と星野は高校生で、付き合っている。三崎は星野としたい。でも星野は断る。《セックス》という行為に違和感があるようだ。26歳のキョウとユーリは、《それ》だけの関係。ユーリはキョウに愛されたいと思うが、どうやらキョウには『本命』がいるみたい。キョウは、趣味で小説を書いていて、小説のネタの為、アプリで出会った、高校生のマリヤとよくお茶をしている。マリヤは、同じクラスの日向が好き。ある日、ユーリはキョウの携帯を見る。LINEには『蒼』という女とのやり取りが。ある日、星野は三崎にセックスの代案を出す。ある日、マリヤは日向に…。【公式サイトより】

昨年7月に上演され、4日目以降が中止となってしまった《狂愛と共生の3部作》第2弾の再演。初演は無観客で収録された映像版を鑑賞。

下手に丸テーブルと椅子3脚。上手にベッド、サイドテーブル、ゴミ箱。中央奥に柱があり、横板が舞台中央やや左手から上手の壁まで続く。壁には白と赤のカーテンのような布。

どうしてもR-18な性描写が注目されてしまうこのシリーズではあるが、本作では人がセックスしているのを聞いて興奮を覚えるという星野の性的嗜好(この意味で「性癖」を使う人がいるがそれは誤り)の方がインパクトが強い。欧米のようにセックスシーンで脱ぐことが当たり前になれば、好奇の目で見られることもないのだろうけどねぇ。もちろんそうした環境を整えるにはインティマシーコーディネーターの存在は必要不可欠だし、何より演じ手の意志が最優先されるのは言うまでもないけど。

かるがも団地『静流、白むまで行け』に続いて今月2本目の梶川七海さんはいつもとはまったく違うキャラクターで、そのギャップに驚き。
板場充樹さんは時に暴言を浴びせ、暴力も振るう三崎を熱演。この演目、男性陣も大変だよなぁ。今回から参加の村上弦さんは結婚式のシーンでのKing & Prince「シンデレラガール」のダンスが可愛らしく。
他には小日向雪さんのミステリアスな雰囲気がよかった。

男女逆転で上演されるBチームも観てみたいところたけど、日程的に厳しいかな…。

上演時間2時間5分。