テアトロコントspecial/コントライブ『夜衝2』 | 新・法水堂

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年間300本以上の演劇作品を観る観劇人です。ネタバレご容赦。

テアトロコントspecial/コントライブ

『夜衝2』

yè chōng èr
 

 

2023年2月22日(水)~26日(日)

ユーロライブ

 
作・演出:蓮見翔(ダウ90000)
企画:玉田真也(玉田企画)、神谷圭介(テニスコート/画餅)
舞台監督:ステージワークURAK 照明:アイズ
音響:栗原カオス 舞台美術:sunui
スタイリスト:秋田百合美 演出助手:久我悠介
配信:堀切基和 イラスト:はらわたちゅん子
宣伝美術:牧寿次郎 制作:小西朝子(ユーロライブ)
 
出演:
伊藤修子
溜口佑太朗(ラブレターズ)
森本華(ロロ)
忽那文香(ダウ90000)
中島百依子(ダウ90000)
神谷圭介
玉田真也
蓮見翔

玉田真也さんと神谷圭介さんの企画によるコントライブ第2弾。
 
背景に「夜」「衝」、中央に「YASHŌ」のネオンサインは前回同様。左右に赤い提灯。コントごとに適宜、セットは入れ替え。
 
「イタリアン」
半年前に転職した森本と彼女に思いを寄せる蓮見。森本が職場の個性的な同僚たちをピザで喩えていると、隠れ家イタリアンを探す神谷に道を聞かれる。店の場所が分からずにうろうろしている中島や忽那にアロハシャツを着た溜口が道を教える。それは森本の同僚・溜口で、コンビニを探す伊藤は冷たくあしらわれる。そこへイタリアンのオーナー・神谷もやってきて――。
 
「町」

殺人事件の調査をしていた探偵・神谷は、無人販売をしていた野菜を持ち去られて困っていた森本に話を聞く。そこへ森本の弟・翔(蓮見)や近隣に住む伊藤や中島もやってくるが、全員がGAPの服を着ていて神谷は戸惑う。更に、翔の先輩・溜口や忽那もGAPを着て現れる。聞けば今日、GAPが駅前に出来てお祭り騒ぎなのだという。そこへGAPを着ていない玉田が現れ、神谷は彼が犯人だと決めてかかり、玉田は野菜の代金を払いに来たのだと言い、中に着ていたGAPを見せる。

 
「弁護士」

ウーバーイーツ配達員の神谷はヤンニョムチキンを届けにきた部屋に娘・百依子がいて驚く。そこは恋人の部屋だという。父親が弁護士だと信じていた百依子はショックを受けつつ、ウーバーイーツの前はエスカレーターの手すりをクリーニングする仕事をしていたが、クビになったという父の話を聞く。そこへ恋人・蓮見が帰ってくる。蓮見の職業は弁護士だった。

 
「リハーサル」

ものまね番組のリハーサルの準備をするスタッフの神谷と蓮見。そこへものまねパブで20年、ショーをしていてテレビに初めて出演するという森(溜口)がやってきてリハーサルが始まるが、森は郷ひろみやBoAなどの名前を言うだけでものまねは披露しようとしないため、蓮見は不安を感じる。森が審査員の伊藤に取り入ろうとしているうちに森の弟子・玉田がやってきてリハーサルが再開される。

 

「カフェ」
カフェでスマホを見せる見せないで言い合いをする蓮見と中島。だが、テーブルがガタガタしていて落ち着かない。蓮見は店員の伊藤に席を変わってもいいかと尋ねるが、伊藤は自分がテーブルを押さえていると言い出す。そこへ森本がやってきて、蓮見の二股が発覚する。
 
「喧噪」
店の中で大きな声で話す二組の男女(溜口・伊藤、森本・神谷)。そこへ玉田と遅れて忽那もやってきて店員の中島がオーダーを取る。店員の蓮見が料理をそれぞれのテーブルに運び、話し声は収まるが、シャカシャカポテトの音が響き渡る。
 
「エキストラ親子の正月」
正月。弟夫婦(神谷・森本)の家にやってきた伊藤と娘の文香(忽那)。2人は親子で映画のエキストラをして日本全国を飛び回っていたが、17歳になる文香はエキストラの仕事にプロ意識を持つ母が怖くなり、もう仕事を辞めたいと叔父に漏らす。
 
「海岸沿い」
海岸沿いに座って深刻な話をする溜口と森本。離れて座った玉田は2人の話を聞くともなく聞いていたが、立ち去ろうとした2人が手にしたゴミ袋の多さに驚く。2人が立ち去った後、玉田は指輪を外して海に向かって投げる。
 
「ラーメン」
ラーメン屋店主の溜口は食べに来た友人・玉田に感想を聞くが、まずくはないがどこかで食べたことがあるような味だと言われる。常連の蓮見と中島からもスキー場で食べた思い出の味によく似ていると言われて落ち込んだ溜口は、上京した娘・文香(忽那)とその両親(神谷、伊藤)に別の店の方がいいと言い出す。やけになる溜口だったが、隣のスイパラの店員で常連の森本からなぜこの店に通うのかの理由を聞いて店の味を変えられなくなってしまう。
 
今回も9つのコントで構成。
お気に入りは「町」で、神谷さんがツッコむ前からGAP揃いに気づいて可笑しくて仕方なかった。これから町でGAPを着ている人を見かけたら笑ってしまいそう。自分は持ってないはずだけど、どこかに買ったことを忘れたトレーナーとかがあるかもしれん。笑
最後の「ラーメン」も好き。ラーメン屋店主役・溜口さんのおいしいラーメンを作っているはずが、パーキングエリアや動物園の売店で食べた覚えがある味にしかなっていないことを自覚させられた時の表情が抜群。
「弁護士」での神谷圭介さんのダメ親父感、「エキストラ親子の正月」での伊藤修子さんと忽那文香さんの親子感も味わい深い。

思えば前回の『夜衝』で初めてダウ90000の存在を知って彼らのコントライブや公演を観るようになったのだけど、あれよあれよという間に売れっ子になってしまい、今度の単独ライブもチケットは瞬殺。今回のチケットも何とか手にできたけど、本多劇場の次回公演も厳しそうだなぁ。

上演時間1時間17分。