『ちひろさん』(今泉力哉監督) | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『ちひろさん』

 

 

2023年日本映画 132分

脚本・監督:今泉力哉

脚本:澤井香織

原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)

エグゼクティブプロデューサー:岡野真紀子、佐藤菜穂美、豊島雅郎

プロデューサー:山野晃、中里友樹

スーパーバイジングプロデューサー:山田雅子

ラインプロデューサー:三好保洋
音楽:岸田繁 音楽プロデューサー:安井輝

主題歌:「愛の太陽」くるり

撮影:岩永洋 照明:谷本幸治 録音:根本飛鳥

美術:井上心平 装飾:遠藤善人 編集:佐藤崇

スクリプター:河野ひでみ

スタイリスト:伊賀大介 衣裳:江口久美子

ヘアメイク:田中マリ子
ヘアメイク(有村架純):宮内三千代

キャスティング:細川久美子

フードスタイリスト:飯島奈美

リレコーディングミキサー:浜田洋輔

音響効果:勝亦さくら カラリスト:石山将弘 
VFXプロデューサー:前川英章

助監督:高土浩二 制作担当:多賀典彬

 

出演:

有村架純(ちひろ・古澤綾)
豊嶋花(オカジ・瀬尾久仁子)
嶋田鉄太(佐竹マコト)

風吹ジュン(尾藤多恵)

リリー・フランキー(風俗店元店長・内海)

平田満(「のこのこ弁当」店長・尾藤)

根岸季衣(「のこのこ弁当」店員・永井)
鈴木慶一(ホームレスのおじさん)

van(ちひろの友人・バジル)
若葉竜也(土木作業員・谷口)
佐久間由衣(マコトの母・佐竹ヒトミ)
長澤樹(オカジの同級生・宇部千夏(べっちん))
市川実和子(ちひろ)

占部房子(オカジの母・瀬尾みつ子)、斉藤陽一郎(オカジの父・瀬尾徹)、芹澤興人(ちひろの客・寺尾)、南琴奈(オカジの友人・沙都子)、伊礼姫奈(同・美晴)、滝澤エリカ(同・まな)、大迫茂生(弁当屋の客・シゲ)、大宮将司(谷口の同僚・大宮)、廣瀬祐樹(同)、細川佳央(同・細川)、飯田芳(同・飯田)、内堀太郎(金魚すくい屋)、奈良澪(幼少期のちひろ)、岡部成司(ラーメン屋の客・サラリーマン)、嶺豪一(ラーメン屋店員)、木村知貴(農夫)、太田結乃(オカジの妹・瀬尾亜紀)、武田知久(ちひろの弟・圭介)、7A(ドラマの母親)、芝博文(ドラマの父親)、金野雄斗(ドラマの子供・祐一)、安田茉央(看護師)、宮本琉成(小学生)、海津陽(同)、智崎凱斗(同)、佐藤尊(公園の小学生)、鈴木雄大(同)、新井洸聖(男子生徒)、浅川蓮(同)、佐々木詩音(同)、しいちゃん(猫・マダム)

 

STORY

ちひろは、風俗嬢の仕事を辞めて、今は海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働いている。元・風俗嬢であることを隠そうとせず、ひょうひょうと生きるちひろ。彼女は、自分のことを色目で見る若い男たちも、ホームレスのおじいさんも、子どもも動物も…誰に対しても分け隔てなく接する。そんなちひろの元に吸い寄せられるかのように集まる人々。彼らは皆、それぞれに孤独を抱えている。厳格な家族に息苦しさを覚え、学校の友達とも隔たりを感じる女子高生・オカジ。シングルマザーの元で、母親の愛情に飢える小学生・マコト。父親との確執を抱え続け、過去の父子関係に苦悩する青年・谷口。ちひろは、そんな彼らとご飯を食べ、言葉をかけ、それぞれがそれぞれの孤独と向き合い前に進んで行けるよう、時に優しく、時に強く、背中を押していく。そしてちひろ自身も、幼い頃の家族との関係から、孤独を抱えたまま生きている。母親の死、勤務していた風俗店の元店長・内海との再会、入院している弁当屋の店長の妻・多恵との交流…揺れ動く日々の中、この街での出会いを通して、ちひろもまた、自らの孤独と向き合い、少しずつ変わっていく。【公式サイトより】


安田弘之さんの同名コミックを今泉力哉監督で実写映画化。NETFLIXにて鑑賞(初日舞台挨拶、YouTubeで視聴したけど、現地に行きたかった…)。

 

原作は未読。

タイトル通り、ちひろさんが主人公ではあるのだけど、決して物語の中心にドシンと構えているような存在ではなく、それぞれの人物の心にじわじわと染み込んでいるような存在。本作の中でもちひろさんずどーんと沈む場面があるけれど、自身がいろいろなものを抱えながら日々を送っているからこそ、ちひろさんに出会った人は惹かれていくのだろう。

特に好きなのは、屋上で弁当を食べていたオカジがべっちんにハグするシーンと、ちひろさんに連れ出されて病室を抜け出した多恵が車の中でちひろさんをハグするシーン。ハグをされた方の口では嫌がりながらどこか嬉しそうな表情がとてもいい。

 

有村架純さんは濡れ場もあり、30代に突入しただけあって、「可愛いだけじゃダメかしら?」(byイザベル・アジャーニ)な心境なのだろうか。

今泉監督が手掛けたWOWOWのドラマ『有村架純の撮休』で母親役を演じていた風吹ジュンさんとの組み合わせもよかった。

豊嶋花さんもやっぱりうまいなぁと感心するけど、マコト役の嶋田鉄太くんがちょっとおっさんの入った実にいい表情をしていて、よくぞ見つけてきたという感じ。

平田満さん&根岸季衣さんが同じ弁当屋で働いているというのもつかこうへいファンとしては胸熱よね。

 

 

 

ちひろさんとべっちんのお気に入り漫画は竹宮惠子さんの『地球(テラ)へ…』。これ、原作通りなのかな。