艶∞ポリス『恥ずかしくない人生』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

艶∞ポリス

10周年記念公演 第12回公演

『恥ずかしくない人生』

 

 

2023年1月7日(土)〜15日(日)*7日、8日昼は公演中止

新宿シアタートップス

 

作・演出:岸本鮎佳

音楽:カワイヒデヒロ 舞台美術:門馬雄太郎

音響:古川直幸 照明:宮崎絵美子

衣装:首藤和香子 演出助手:和田沙緒理

舞台監督:土居歩、岩狭舜

アンダースタディ:吉野めぐみ

ラップ指導:上鈴木兄弟(P.O.P)

映像・撮影:Nomadic TOKYO & Co.

宣伝美術:三ツ橋勇二 宣伝写真:井上桂佑

広報協力:古堅瑞希 制作補佐:相馬里咲

制作協力:菅野佐知子(劇団チョコレートケーキ)、塩田友克

 

出演:

関絵里子(部長・真山カヲル子)

岸本鮎佳(留置担当官・尾俣紙子)

アサヌマ理紗(同・津田好実)

里内伽奈(同・新保寿々音)

奥村佳代(54番・栃木天使(えんじぇる))

小林きな子(29番・牧村叶)

加藤美佐江(33番・梶三美子/秀樹の母)

徳橋みのり(10番・鳴川志摩子)

吉野めぐみ(4番)

板垣雄亮(留置所副所長・谷和馬)

近江谷太朗(叶の夫・牧村秀樹/カヲル子の父)

 

STORY

警察官の父の影響で、責任感の強い大人になった真山カヲル子。現在は留置所の管理を担当する留置担当官の部長を務めていたが、副所長の谷とは不倫関係にあった。そんな中、舅を殺した容疑で高校時代の友人・牧村叶が収容されてくる。その一方で、若い留置担当官・新保からは、津田が尾俣からパワハラを受けていると相談される。


岸本鮎佳さんによる演劇ユニット・艶∞ポリス、10周年記念公演。

真山カヲル子役の今藤洋子さんが稽古中の怪我のため降板し、7日と8日昼は中止。8日夜と9日は異儀田夏葉さん、それ以降は関絵里子さんが代役を務めた。


舞台には可動式の島舞台が2つと台が1つ。島は四角いうちの2面に鉄格子を表す青緑色の枠組があり、ドアが取りついている。留置所の場面ではこの2つをくっつけて1つの部屋になり、他の場面では基本的に左右に分かれて設置。頭上にも青緑色の枠組。

 

恐らく主人公のカヲル子にとって、「他人様に誇れるような恥ずかしくない人生を送りなさい」という父の言葉は呪縛のようなものであったのだろう。副所長の谷と不倫関係に陥るのは、その呪縛を解こうとする彼女なりの反抗心の表れなのか…。

劇中では、カヲル子はパワハラを疑われた部下の尾俣にアンガーマネジメントについてレクチャーする(6秒間待って怒りを抑えるというもの)のだが、牧村叶の夫・秀樹に対しては感情を顕にしてしまう。

彼女にとっては、友達のために怒れることこそが「恥ずかしくない人生」であり、この瞬間にこそ、彼女は父親からの呪縛から真の意味で解き放たれたのだと感じた。


全体的にクスクス笑えるところもあり、それぞれの登場人物もどこか憎めななくて(男性は除く)楽しく観ることができた。中では人狼ゲームをやろうとするくだりのやりとりが好き。

関絵里子さんは急遽代役を務めることになったとは思えないほど作品に馴染んでいた。


ところで公式サイトのあらすじに「警察官にはなれなかったけど」とあるのだけど、留置担当官、通称・担当さんも警察官なのでは?

 

上演時間1時間35分。