やみ・あがりシアター
10周年記念公演
『すずめのなみだだん!』
SUZUMENO NAMIDADAN!
2023年1月6日(金)〜8日(日)
駅前劇場
作・演出:笠浦静花
舞台監督:吉野葵 舞台美術:いとうすずらん
照明:黒太剛亮(黒猿) 照明操作:江花明里
音響:香田泉 (零´sRecord)
制作:横井佑輔(Play Plan) 衣装:鈴木佳奈
WEB:松葉智恵乃 宣伝美術:Erina
演出助手:小山優梨
出演:
土本燈子(すーちゃん)
加藤睦望[やみ・あがりシアター](すずき)
みつごろう(靴屋・日辻󠄀直美)
利佳(直美の娘・日辻󠄀マリア)
見米克之(役所職員・八木)
大塚由祈子[アマヤドリ](先生・久地楽)
石川将丸[BLUELABEL](靴屋従業員、生徒・亜由沢)
星秀美(生徒・安治野)
小林桃香[露と枕](生徒・岩名)
湯浅くらら[ノックス](生徒・及川)
喜田裕也(生徒、及川の恋人・升味)
ふじおあつや(生徒、升味の同僚・佐波)
STORY
だだん!!!!もんだい! どうしてすーちゃんは、ハダシなのでしょうか!
答え:足の裏を地面につけておくのが、彼女の戒律だからです。すーちゃんは学校に通うのも初めてなんですから、皆さん親切にしましょうね。でもね、すーちゃん、君の足の下に神の世界はなくて、実は地球は丸いってこと、だんだん分かってしまうんだよ。【公式サイトより】
2017年に初演された作品の再演。
10周年を迎えるやみ・あがりシアターが再演するのは今回が初めてだとか。
入場すると、下手から緑・黃・赤の3色に染められた舞台。床にはそれぞれの色の葉っぱ。
開演時間になると、全身茶色系の衣装に身を包んだ役者陣が登場し、「だだん!!!」と勢いよく床を踏みつけながら問答を始める。
やがて彼らが「すずめのなみだ団」と呼ばれる宗教団体である(名前はオウムからの連想?)ことが分かり、そのうちの2人が「ダダンの声」を聞くべく裸足のまま下界に降りてくるところから物語が始まる。
葉っぱが片付けられ、黒板が登場。机や椅子も出てきて、靴屋になったり学校になったりする。
細かい設定はよく分からないが、下界に降りた彼女たちには名前がなく、1人は靴屋に現れてそこに居候させてもらい、従業員の亜由沢と同じ定時制高校に通い始め、久地楽先生に「すーちゃん」と名付けられる(学校関係の登場人物はすべて海や川の生き物にちなんだ名前、それ以外は羊と山羊)。
もう1人はこれまた経緯は不明だが、「すずき」と名乗ってマッサージ師となり、亜由沢のクラスメイトでもある佐波の担当に就く。とび職らしき佐波は高いところが好きだという彼女を現場へと連れて行く。
すずめの涙団の教義では地面に足をつけていなければならないということで、すーちゃんは常に裸足なのだが、クラスメイトとともに出かけた海を見て地球は丸いということを理解していく。
すーちゃんの変化というのが本筋の一つとしてあるが、及川と升味のチャラいカップルの結婚や靴屋の日辻󠄀母娘のやりとりなどサイドストーリーも丁寧に描かれているのがやみ・あがりシアターのいいところ。そこも相まって「横に聞いてもいい」という言葉に説得力が増してくる。
先日配信で観たばかりのムシラセ『瞬きと閃光』にも出演していた土本澄子さんが一風変わった少女役を好演。「だだん!」は真似したくなりますな。笑
上演時間1時間42分。