『沖縄10年戦争』(松尾昭典監督) | 新・法水堂

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『沖縄10年戦争』



1978年日本映画 102分
監督:松尾昭典
企画:日下部五朗、本田達男
脚本:松本功、大津一郎、志村正浩
撮影:赤塚滋 照明:増田悦章 美術:佐野義和
音楽:鏑木創 録音:中山茂二 編集:堀池幸三
助監督:依田智臣 記録:梅津泰子
装置:三浦公久 装飾:山田久司
背景:西村和比古 スチール:中山健司
擬斗:上野隆三 衣裳:豊中健 美粧:田中利男
結髪:白鳥里子 宣伝担当:佐々木嗣郎、丸国艦
演技事務:森村英次 進行主任:野口忠志
協力:東映俳優センター、長崎鼻パーキングガーデン
方言指導:比嘉康博 舞踊:沖縄舞踊団
 
出演:
松方弘樹(首里派宮国グループ・金城友行)
千葉真一(胡屋派伊波グループ・伊波朝勇)
野川由美子(友行の女、クラブのママ・与儀昌美)
藤田まこと(中原組組長・中原宗久)
佐藤允(朝勇の兄・伊波朝市)
小池朝雄(桜木組組長・桜木憲三)
山田隆夫(伊波グループ・喜屋武勝)
栗田ひろみ(政典の恋人・大城恵子)
渡辺篤史(伊波グループ・川満弘)
矢吹二朗(宮国グループ、元警官・石浦昇)
にしきのあきら[現・錦野旦](弘の友人・知念保)
織田あきら(昌美の弟・与儀政典)
渡辺やよい(弘の恋人・知花ミミ)
沢野火子[小泉洋子](朝勇の妻・伊波国子)
加藤嘉(朝市と朝勇の父・伊波朝栄)
菅貫太郎(沖縄県警本部長・高木)
深江章喜(琉栄会会長・宮国清武)
今井健二(東龍也)
川合伸旺(宮国グループ・桃原真喜)
汐路章(新垣康助)
梅津栄(沖縄県警捜査二課長・当間)
曽根晴美(宮国グループ・浜里哲)
林彰太郎(来間昭次)
三戸部スエ(勝の母・喜屋武ハツ)
市川好郎(伊波グループ・亀谷吉信)
成瀬正[成瀬正孝](平良盛義)
岩尾正隆(琉栄会幹部・渡久地)
中村錦司(高林建設専務・大久保)、五十嵐義弘(阿南利一)、蓑和田良太(中年の警官)、秋山勝俊(小林)、阿波地大輔(警官B)、有川正治(苗村)、国一太郎(島袋)、沖田駿一(伊波グループ・下地行男)、大矢敬典(糸数正)、勝野健三(天久照元)、城春樹、吉澤高明、峰蘭太郎(水納)、司千四郎、友金敏雄(日本兵A)、小峰隆司(日本兵B)、志茂山高也(瀬長良安)、福本清三、笹木俊志(西那豪)、波多野博(新聞記者)、森源太郎(本土観光客A)、藤沢徹夫(警官A)、池田謙治(面会室の警官)、宮城幸生(警官C)、白井滋郎(警官D)、平河正雄(本土観光客B)、木谷邦臣(辻本)、司裕介(前川)、岡嶋艶子(祈る老婆)、丸平峯子(金城の母親)、西田治子(ミミの仲間・明美)、橋爪真知子(同・洋子)、細川ひろし(渡久地組員)、疋田泰盛(医師)、浪花五郎(念仏の長老)、ウィリー・ドーシー(ジョニー・ジャクソン)、瀬賀敏之(朝勇の息子・伊波秀男)、平塚義弘(勝の弟・喜屋武利夫)、小国由紀(利夫の姉・喜屋武よしえ)、松本正樹(少年時代の金城)、蓮浩二(少年時代の朝勇)、風吹錠二[クレジットなし](少年時代の朝市)
ナレーター:三村敬三
 

STORY

本土復帰を控えた沖縄では、ヤマト暴力団の進出に備えて「沖縄総連琉栄会」が組織されるが、互いに利害関係のある会長の宮国と理事長の伊波の関係から、結成当初にもかかわらず既に分裂の兆しをはらんでいた。そして、本土の大組織からの招待状を巡り、琉栄会内部で宮国派と伊波派に分かれての戦闘状態が勃発した。決着を付けようと琉栄会本部に乗り込んだ伊波は、この事件を重視する警察に逮捕され、大阪へと護送される。警察はこれによって両派の抗争を阻止しようとしたのだった。沖縄海洋博の開催を前に、本土の桜木組が琉栄会二代目となった宮国派の金城に近づくが、本土ヤクザの侵略を嫌う金城に断られる。桜木組は、伊波の弟・朝勇に接近。子分の困窮を見かねた朝勇は、兄の添書もあったことから桜木組と手を結ぶが、桜木組は両派に手打ちを強要し手中に収める。しかし、宮国、伊波両派の抗争が止むことはなかった…。【日本映画製作者連盟公式サイトより】


『沖縄やくざ戦争』から2年、再び松方弘樹さんと千葉真一さんが共演した実録やくざ映画。


日活映画を多く手掛けてきた松尾昭典監督による唯一の東映映画ということになるが、やはり前作に比べると見劣りがしてしまうかな。

キャストでは『笑点』の山田隆夫さんや『渡辺篤史の建もの探訪』の渡辺篤史さん、藤田まことさんといったあたりが異色な顔ぶれだが、いずれもややパンチに欠ける。深江章喜さん扮する宮国もトップに立つ人物とは思えないほど器が小さい。

唯一、何かやってくれそうな雰囲気を持った佐藤允さんもすぐに途中退場、後半に戻ってきてひと暴れしてくれるけど、もっと千葉ちゃんとの兄弟コンビも見たかったところ。

撮影も前作は沖縄で実際にロケしたのかと思うほどだったが、本作は見るからに沖縄ではなく、海も日本海のような寂しさが漂う。更には白い息さえ見えてたし、まったく沖縄に見せようという気がないように感じられた。


逆に松方弘樹さんは本作の方がよかった。どこか哀愁を帯びた表情が作品のテイストにも合っていて、千葉真一さんもそれに合わせてかアクションもおとなしめ。2人とも女性との情愛を感じさせるシーンがあるのもこの作品のよさではある。

ところでタイトルにある10年ってどの期間のこと?笑