ワタナベエンターテインメント『物理学者たち』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ワタナベエンターテインメントDiverse Theater

『物理学者たち』

 

 
2021年9月19日(日)~26日(日)
本多劇場
 
作:フリードリヒ・デュレンマット 翻訳:山本佳樹
上演台本・演出:ノゾエ征爾
プロデューサー:渡辺ミキ、綿貫凜
美術:伊藤雅子 照明:吉川ひろ子
音響:井上正弘 衣裳:清水崇子
舞台監督:川除学 演出助手:大江祥彦
音響オペレーター:鹿野英之
ヘアメイク協力:武井優子 美術助手:佐藤茉奈
衣裳助手:北條祐介、新海杏実 衣裳進行:宗宮彩子
演出部:荒木美優、浦本佳亮 肖像画製作:盛合剛 リコーダー指導・編曲:須藤みぎわ
楽曲演奏:Vn.三國茉莉[クロイツェルソナタ|愛の哀しみ|美しきロスマリン|ガヴォット]、Pf.三國洸[クロイツェルソナタ]
舞台写真:遠山高広
大道具:C-COM 小道具:高津美術装飾
宣伝美術:郡司龍彦 宣伝イラスト:パンチ
著作権代理:シアターライツ
プロデューサー補:渡部隆 票券:大河内裕子
制作デスク:宮内彩嘉
制作:會澤直人、加藤美秋、藤田千賀子
制作助手:大須賀瑞季
 
出演:
草刈民代(院長マティルデ・フォン・ツァーント)
入江雅人(ヨーハン・ヴィルヘルム・メービウス)
温水洋一(ヘルベルト・ゲオルク・ボイトラー 通称ニュートン)
中山祐一朗(エルンスト・ハインリヒ・エルネスティ 通称アインシュタイン)
坪倉由幸[我が家](警部リヒャルト・フォス)
吉本菜穂子(看護婦長マルタ・ボル/刑事)
瀬戸さおり(看護婦モーニカ・シュテットラー)
川上友里(ヨーハンの元妻、宣教師夫人リーナ・ローゼ/警察官)
ノゾエ征爾(宣教師オスカー・ローゼ)
竹口龍茶(警察官ブロッハー/看護士マッカーサー/リーナの息子アードルフ)
花戸祐介(警察官グール/看護士ムリリョ/リーナの息子ルーカス)
鈴木真之介(法医学者/看護士長ウーヴェ・ジーヴァース/リーナの息子カスパー)
 
STORY
物語の舞台は、サナトリウム「桜の園」の精神病棟。そこに入所している3人の患者-自分をアインシュタインだと名乗る男、自分をニュートンだと名乗る男、そして「ソロモン王が自分のところに現れた」と言って15年間サナトリウムで暮らすメービウスと名乗る男-三人は「物理学者」であった。そのサナトリウムで、ある日看護婦が絞殺された。犯人は“アインシュタイン”を名乗る患者であり、院長は放射性物質が彼らの脳を変質させた結果、常軌を逸した行動を起こさせたのではないかと疑っていた。 しかしさらなる殺人事件が起き、事態は思わぬ方向へ動くのであった…。【公式サイトより】

ワタナベエンターテインメント"Diverse Theater"第1弾。
スイスの劇作家、小説家のフリードリヒ・デュレンマットさんが1961年に発表した作品。
 
舞台奥中央に院長の父の肖像画。ドアは左右真ん中の3ヶ所。
壁は細長い木の枠組で構成。下手に古めかしい机と椅子3脚。上手にソファやランプ。
 
フリードリヒ・デュレンマットさんについては恥ずかしながら初めて名前を知ったけど、冷戦まっさなかの時代、加熱する核兵器開発(1961年はソ連が世界最大の核実験を行った年)を背景にした本作は60年経った今も色褪せない。
とは言っても小難しい作品にはなっておらず、3人の狂人たちを通して笑いも随所に交えながら展開されていく(作者自身は本作を喜劇と位置付けている)。ちょっとじっくり戯曲を読みたくなったので早速図書館に予約。笑
 
キャストはいずれも経験豊富な面々で安心して観ていられる。
草刈民代さんは銀髪のウィッグに杖をつき、腰もやや曲がっての演技。かと言って、わざとらしい老人演技ではないのがよかった。
川上友里さんとノゾエ征爾さんの宣教師夫婦もいい味を出していたけど、ここのシーンはノゾエさんが書き足した箇所なんだとか。
 
上演時間2時間8分(一幕1時間3分、休憩10分、二幕55分)。