『クイーンズ・ギャンビット』第7話(最終回)「エンドゲーム」 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『クイーンズ・ギャンビット』

THE QUEEN'S GAMBIT

 

 
2020年 NETFLIX(アメリカ) 68分
企画・脚本・監督・製作総指揮:スコット・フランク
原作:ウォルター・テヴィス 企画・製作総指揮:アラン・スコット
撮影:スティーヴン・マイズラー 美術:ウーリ・ハニッシュ
編集:ミシェル・テソロ 音楽:カルロス・ラファエル・リベラ
衣裳:ガブリエル・バインダー 音響:ワイリー・ステイトマン
音楽監修:ランドール・ポスター 視覚効果監修:ジョン・マンギア
日本語字幕:高橋百合子
 
出演:アニャ・テイラー=ジョイ(エリザベス・ハーモン)、ビル・キャンプ(ウィリアム・シャイベル)[写真のみ]、マリエル・ヘラー(アルマ・ウィートリー)、トーマス・ブロディ=サングスター(ベニー・ワッツ)、モーゼス・イングラム(ジョリーン)、ハリー・メリング(ハリー・ベルティック)、マルチン・ドロチンスキー(ワシリー・ボルゴフ)、イスラ・ジョンストン(若きベス・ハーモン)、クリスティアン・サイデル(ヘレン・ディアドーフ先生)、レベッカ・ルート(ロンズデール先生)[回想]、ジェイコブ・フォーチュン=ロイド(D・L・タウンズ)、クロエ・ピリー(母アリス・ハーモン)、アケムンジ・ンディフォーンイェン(ファーガソン先生)[回想]、【以下、登場順】セルジオ・ディ・ジオ(ベスの父ポール)、マリアン・ミダー(エスペロ先生)[回想]、ゾエ・ホッヘ(少女1)[回想]、ピーター・ギルバート・コットン(ルーテル教会の牧師)、シャーロット・ルーカス(ドッジ夫人)、ニッキー・ゴールディ(ブロッカー夫人)、ジョン・シュワブ(国務省の護衛ブース氏)、ユーリ・パデル(ロシア人のリムジン運転手)、エヴジェニ・ヴェレニン(ロシア人のラジオアナウンサー)、コンスタンティン・フランク(ロシア人の大会ディレクター)、マルカス・ロジェス(ソビエト代表ルチェンコ)、フレデリック・シュミット(同ラエフ)、ミシェル・ディークス(フランス代表デュアメル)、ヒューゴ・グリム(スウェーデン代表ヘルストロム)、ヴラド・シリアク(シャプキン)、ティル・トレンケル(イタリア代表フレント)、ジューザス・ブドライティス(老人)、ティート・リレオグ(2人目の老人)、ヤニナ・エルキン(ボルゴフの妻)、ジョン・ホリングワース(ランドール・フォスター)、アントン・クリムスキー(ロシア人ウェイター)、ベン・ブレナー(若いロシア人男性)、ジョナサン・ファイラ(ロビーの記者1)、マーク・ツウィンズ(同2)、フランク・シュトレフィンク(同3)、ダニエル・モントーヤ(同4)、マシュー・デニス・ルイス(マット)、ラッセル・デニス・ルイス(マイク)、マックス・クラウス(ベニーの友人アーサー・レベルトフ)、ライアン・ウィチャート(同ヒルトン・ウェクスラー)
 
STORY
ベスを訪ねてきたジョリーンは、シャイベルが亡くなったと告げる。葬儀へ向かう途中、メスーエン養護施設に立ち寄る2人だったが、ベスは足を踏み入れることを拒む。しかし、退屈な葬儀で気が変わったベスは養護施設を再び訪れ、シャイベルが自分のことを気にかけてくれていたことを知る。クリスチャン・クルセードからの支援を断ったベスはソ連行きの費用を捻出するため、ベニーや文化局に連絡を試みるがうまくいかない。ベスはジョリーンがロースクール進学のために貯めていた金を借りてソ連に向かう。ルチェンコら強敵を破り、注目を集めるベス。やがて迎えたボルゴフ戦は両者譲らず中断が入るが、その夜、取材陣の中にタウンズの姿を見つけたベスは思わず抱きつく。そして翌朝、ベニーたちから救いの電話がかかってくる。

NETFLIXオリジナルシリーズ最終回。
 

 
最終回のサブタイトルは「エンドゲーム」。まんまですな。
前回、突然現れたジョリーンの目的はシャイベルの死を知らせること。
養護施設の地下に行ったら、ベスの活躍を伝える新聞や雑誌の切り抜きの数々。
序盤から泣かせますなぁ。
 
ジョリーンのお陰もあって無事にソ連にわたり、大会に参加するベス。
元チャンピオンのルチェンコとの戦いは2日にわたるものに。その夜、ベスがホテルで見かけたのがボルゴフたちと対策を練っているルチェンコの姿。以前、ベニーがソ連はチームで戦うが、アメリカは個人主義だから負けると話していたけど、まさにその言葉通りでベスには味方が傍にはいない状態。
ボルゴフとの対戦も1日では決着がつかず。その夜、タウンズに再会し、翌朝、ベニーから電話がかかってきて、ハリーやマット&マイク、レベルトフ、ウェクスラーらと考えた対策についてレクチャーをしてくれる。
ベスの母親が交通事故を起こしたのは無理心中を図ってのものだったことが最終回になって明らかになったわけだけど、恐らくそれ以来、ベスは一種の人間不信に陥っていたのだろう。それを紛らわすために酒や薬に依存することにもなってしまったのだが、自分にはシャイベルやジョリーン、タウンズも含めて仲間がいることを知った今、ベスが酒や薬に溺れることはもうないであろう。
 
何よりもよかったのはラスト。
空港に向かうリムジンの中で、護衛は「ソ連を倒した」と喜び、ベスがホワイトハウスで大統領とチェスをすることになるかもしれないという話をしているが、ベスは途中で降りて、名もなき市民との一局に挑む。
チェスの前にはアメリカもソ連もない。それを体現するかのようなシーンだった。
 
アニャ・テイラー=ジョイさんが実に魅力的。
音楽や衣裳も含めて演出面もよく、あっという間の全7話だった。