パンチェッタ『声』【配信】 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

PANCETTA 12th performance

『声』

 

 

2021年6月4日(金)~6日(日)

OFF・OFFシアター

 

脚本・演出:一宮周平(パンチェッタ)
舞台監督/照明:黒太剛亮(黒猿) 当日制作:潮田塁
絵:松本亮平 グラフィックデザイン:斎藤俊輔

撮影:市川唯人 音響プラン・Special thanks:竹下好幸

 

出演:

佐藤竜(課長/見ざる/こえた/上司/アしクサ)

新行内啓太(先輩社員かわごえ/言わざる/男(こえたの父)/男)

一宮周平(しんどう/聞かざる/語り/先生/こえたの同級生/女/やまちゃん)
音楽、ピアノ:加藤亜祐美

 

STORY
「prologue」暗闇から聞こえる声。明るくなると声の主は2人の男にかつがれている。
「High tone」しんどうが美声院で流行りのハイトーンにして出社すると、早速先輩社員のかわごえに気づかれる。そこへやってきた課長もハイトーンになっていた。かわごえは課長が受付のやよいちゃんのためにハイトーンにしたのだと噂話をする。
「Three wise monkeys」見ざる・聞かざる・言わざるの三猿。ボスを決める選挙。見ざるは立候補した聞かざるがリンゴやバナナで買収をしているのを見ながら、見ざるを決め込む。ボスになった聞かざるは世界中の猿を集めて運動会を実施。ところが一匹の猿が腐ったバナナを食べたことから、病が猿たちに感染。だが聞かざるは「止めてくれ」の声を聞かざるを決め込む。ナンバー2の言わざるはボスの声代わりとなっていたが、答えに窮する質問ばかりをされ、肝心なことは言わざるを決め込む。
「Mismatch」ある日、男は赤ん坊を拾う。やがて大きくなった赤ん坊が小学校に入学することになり、「こえた」と名付けられる。こえたは体は大きいが声が小さいと先生に叱られ、同級生にもからかわれる。こえたはクラスで孤立したことを男に言えずにいたが、男はこえたを声と表情をズラす“ミスマッチ”が出来る男として売り出す。
「Ano」通勤電車では痴漢に遭い、会社では上司にガミガミ小言を食らう。女が落ち込んでいると、男が優しく缶コーヒーを差し出す。
「アしクサ」友人の結婚式の帰り、かわごえがやまちゃんの家に行くと、そこにはアしクサという名のAIがいた。アしクサはやまちゃんのかわごえに対する想いを見抜く。
「epilogue」


パンチェッタ(PANCETTA)最新作の千穐楽公演をアーカイブ配信にて。

 

舞台には白い立方体の台が3つ。下手に加藤亜祐美さんの演奏スペース。

prologue、epilogueを含めて“声”に関する7つのストーリーからなるオムニバス。

 

「Three wise monkeys」はミュージカル調。見ざる・言わざる・聞かざるの三猿を主人公にして、間もなく日本で開催されようとしている世界的なスポーツイベントをめぐる政府の対応を戯画化。いやホント、賢い猿ばかりで困りますな…。

「Ano」は最後の「あの…」以外は台詞がなく、電車の「ガタンゴトン」や上司の小言「ガミガミ」など擬音語・擬態語を用いて演出。

「アしクサ」は佐藤竜さんの動きに笑ってしまう。そんな名前じゃ売れんだろうな。笑

 

上演時間1時間25分。