情熱のフラミンゴ『ちょっとまって(完全版)』 | 新・法水堂

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情熱のフラミンゴ 第8回公演

『ちょっとまって(完全版)』

Wait A Minute: Full Version

 
 
2021年6月18日(金)〜22日(火)
プーク人形劇場
 
脚本・演出:島村和秀
楽曲提供:マリアッチ・サムライ 照明・舞台美術:小駒豪
​音響:丹野武蔵 衣装:坊薗初菜 演出助手:藤聖也
人形製作監修・舞台監督:石田律子(プーク人形劇場)
宣伝美術:カナイフユキ 当日パンフレットデザイン:藤本麻衣
撮影:須藤彰 制作:西村ともね、安多香子
 
出演:
兵藤公美[青年団](女1・警察官)
西田夏奈子(女2・歯科助手)
秋場清之[情熱のフラミンゴ](男1・タナベ)
声の出演:藤聖也(隣人/警察官)、西村ともね
 
STORY
警察官の女は派遣で歯科助手をしている親友の女から連絡を受ける。昨年のクリスマス以来、仲違いをしていた親友と和解できたと思ったのも束の間、親友の寝室に入るとそこに男の死体があった。「ちょっとまって」警察官の女は動揺しながらも事の経緯を聞き出す。死体はまなづるマリアッチクラブで知り合ったタナベという男のもので、死後6日が経過していた。

​昨年12月に試演版が上演された作品の完全版。
 
下手に寝室へと続くドア。中央に窓のある壁。その横にサボテンの鉢があり、上手にテーブルとお茶のセット。壁には絵画がかかり、外壁に蔦が絡まっている。

作風は毎回違うようなのだけど、今回のは非常に好み。
冒頭は舞台と客席の2階部分を使っての男1と女2のやりとり。その後、女2が舞台上に降りてきて、はずみで男1が死んでしまう。
男1は死体となった後も舞台上をさまよい続けるが、長い間親友でありながら、クリスマスに喧嘩して以来、5か月間連絡をとっていなかった女1と女2のふたり芝居となる。

兵藤公美さんと西田夏奈子さん、このお二人の化学反応が素晴らしく、時に狂気を感じさせる演技合戦が凄かった。なかなかこの年代の女優2人が主役を張れる作品というのもそうそうないと思うが、ある意味、女同士の友情を描いたシスターフッドものとしても楽しめた。
また、時折挟まれる男1によるマリアッチ(メキシコの伝統音楽)もいいアクセントとなっていた。
 
上演時間1時間24分。
 
終演後は『みちていく』の竹内里紗監督を招いて島村和秀さんとのアフタートーク。
兵藤公美さんと仕事をされたそうで楽しみ。