COCOON PRODUCTION 2021『シブヤデアイマショウ』 | 新・法水堂

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COCOON PRODUCTION 2021

『シブヤデアイマショウ』

Shibuya de Aima Show
 

 
2021年4月18日(日)〜25日(日)
Bunkamuraシアターコクーン
 
総合演出:松尾スズキ
構成台本:松尾スズキ、天久聖一
コーナー演出:杉原邦生「関所(肝心帳)」、宮崎吐夢「円山町に立つ女」、康本雅子「宮下公園ブルース」
 
音楽・音楽監督:門司肇  美術:池田ともゆき  照明:大島祐夫  音響:藤森直樹
衣裳:安野ともこ  ヘアメイク:大和田一美  振付:振付稼業air:man
歌唱指導:蔵田みどり  映像:上田大樹  演出助手:大堀光威  舞台監督:津江健太
音楽アドバイザー:香月彩里  アクション指導:前田悟
所作指導:藤間貴雅「関所(肝心帳)」  邦楽アレンジ・謡:やまみちやえ「関所(肝心帳)」
長唄三味線:杵屋五助「関所(肝心帳)」  邦楽囃子:望月秀幸、藤舎呂近「関所(肝心帳)」
楽曲提供:虻瀬/Abuse(「iesu」)「宮下公園ブルース」
似顔絵イラスト:松尾スズキ  特別協力:八嶋智人
宣伝イラスト:五月女ケイ子  宣伝美術:榎本太郎
チーフ・プロデューサー:加藤真規  プロデューサー:森田智子、金子紘子
制作:和田幸子  制作助手:川越ひかる  票券:青木元子
 
出演:
松尾スズキ(芸術監督)
のん(松坂牛之助)
秋山菜津子(パートのおぱちゃん/追われる女)
猫背椿(アオザイを着た女/三日月/武蔵ギャル弁慶)
宮崎吐夢(西郷どん/街娼)
近藤公園(乞食/司会者)
桑原裕子(ミスバカボン/冨樫サエモン/犬)
康本雅子(ハチ公)
齋藤桐人(聖徳太子/犬)
乾直樹(福祉課の職員/吉田類/犬)
香月彩里(着信音/ミス西郷どん/街娼仲間/番卒/犬)
谷須美子(ミス西郷どん/街娼仲間/番卒/犬)
エリザベス・マリー(ミス西郷どん/犬)
中根百合香(ミス西郷どん/犬)
笹岡征矢(前説/犬)
りんたろう(福祉課の職員/犬/タップダンサー)
永石千尋(ミス西郷どん/番卒/犬)
飯嶋あやめ(ミス西郷どん/番卒/犬/タップダンサー)
佐山太一(犬/タップダンサー)
 
ミュージシャン:
門司肇(ピアノ)
斎藤まこと(ベース)
大久保敦夫(ドラム)
河村博司(ギター)
磯部舞子(ヴァイオリン・パーカッション)
伊藤充志(キーボード・サックス)
大石俊太郎(サックス・フルート・クラリネット)
城家菜々(マニピュレーター・キーボード・フルート)
 
ゲスト:生田絵梨花、橋本じゅん(デュエット:香月彩里)/おいでやすこが
 
STORY
故郷を追われるように出てきた松坂牛之助は、父親の友人が関係する舞台の仕事に就くため、東京に向かう。渋谷に到着するも、待ち合わせのハチ公を探し求めるうち、『ミス・サイゴン』のオーディションに向かうミュージカル女優と遭遇。そのままついていくと、そこは『ミス西郷どん』のオーディション会場だった。その後、シアターコクーンの楽屋口にたどりついた牛之助は“関所”を無事に通過し、芸術監督の松尾スズキと出会う。それまで舞台に興味のなかった牛之助だったが、進行係として参加したショウを見た途端に心を奪われる。

生バンドと豪華キャストによる大人の歌謡祭。
 
天井から「シブヤデアイマショウ」の文字。
下手に階段状のステージがあり、古代の神殿のような門に「Theatre Cocoon」の看板。
上手に生演奏のバンドが陣取り、背景に満月と雲。
 
That'sエンタテインメント。
松尾スズキさんがかつてパリやタイで観てきたショウを日本でも、ということで企画された今回の演目は、いまだ感染症終息の目途が立たず、3度目の緊急事態宣言が発令されようとしている中で観ると、尚更染み入るものがあった。
 
開演すると笹岡征矢さんが前説として登場し、歌って踊れない先輩たちのために「シブヤデアイマショウ」と言ったら拍手をよろしくとお願い。
近藤・猫背・宮崎・桑原の4名に続いて秋山菜津子さんが出てきて白井晃さんいじりの後、芸術監督・松尾スズキさん登場。八嶋智人さんになりたいという松尾さんから、出演CM28本と数が多い割に印象が薄い宮崎吐夢さんは「印象う寿司」に改名させられ。更には佐藤二朗さんやムロツヨシさんになりたいと情緒不安定な松尾さん。
 
そこからようやくのんさんが出てきて、芝居パートが本格的にスタート。
のんさんは男役ということで、スーツ姿が様になっている。
『ジーザス・クライスト・スーパースター』、『サウンド・オブ・ミュージック』、『ミス・サイゴン』、『オズの魔法使』などお馴染みのミュージカルのパロディがありつつ、劇場の楽屋口では『勧進帳』のパロディ(ここを杉原邦生さんが演出をしているというのがミソ)。
おいでやすこがの漫才で1部終了。
 
第2部はショウ開始。進行係なのにセンターで登場の牛之助。
『RENT』の「Seasons of Love」に続いて『レ・ミゼラブル』の「One Day More」パロディ。
「Seasons of Love」は実家の親からの仕送りがネタになっていたのだけど、笑いつつもちょっと何だか泣けてきてしまったなぁ。
生田絵梨花さんが昨年中止となった舞台『四月は君の嘘』から「Perfect」、橋本じゅんさんが『レ・ミゼラブル』から「宿屋の主人の歌」。最後は2人揃って『キレイ』のメドレー。
生田さんは橋本じゅんさんも言っていたけど、『FNS歌謡祭』を見ているかのようだった。一瞬にしてガラッと空気を変えてしまうのはさすが。そんな生田さんを正座しながらニコニコ見ているのんさんも可愛かったけど。
ショウの後、ハチ公の正体が明らかになるのだけど、のんさんがギターを持ち出して「タイムマシンにおねがい」を歌ってくれるとは。その姿、実質最前列でしかと網膜に焼きつけた。笑
 
残念ながら明日の公演は中止に。
歌詞にも「明日のことは分からない」とあったけど、そんな中でもあくまでエンタテインメントに徹した作り手、出演者、関係各位に感謝を述べたい。
 
上演時間2時間41分(1部1時間31分、休憩21分、2部49分)。