《イスラーム映画祭6》『結婚式、10日前』 | 新・法水堂

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『結婚式、10日前』

10 أيام قبل الزفة
10 Days Before the Wedding


2018年イエメン映画 121分

監督・原案・脚本:アムルー・ガマール

原案・脚本:マゼン・リファート

音楽:セーラム・ファダーク

撮影:エイメン・カセム  録音監修:マハール・シャルジャビ

カラリスト:アブドラ・バキス  助監督:マーワン・マフラク

製作総指揮:モーセン・アルカリフィ


出演:サリー・ハマダ(ラシャー)、カレド・ハムダン(マアムーン)、モウド・ナギ・ブレイク(サリーム)、カシム・ラシャド(ムシュタク)、バッカー・バシュラヒル(ワリード)、アビール・アブドゥルカリーム(サマール)


STORY

結婚式を10日後に控えたラシャーとマアムーン。だが、マアムーンは2人で住むはずだった実家の部屋を出るはめになる。一方、3年前の内戦で家を失ったラシャーとその家族は、父のいとこサリームの世話になっていた…。【《イスラーム映画祭6》公式サイトより】


《イスラーム映画祭6》上映作品。

本作はイエメンで初めて製作された商業用長篇映画。
タイトル通り、結婚式を控えたカップルの10日間を描く。
内戦なお続くイエメンにおいて暫定首都となっている南部の街アデンが舞台なのだけど、内戦によって街は瓦礫の山と化している。

そんな中でも結婚式を挙げようとする新婦ラシャーと新郎マアムーンには問題が山積み。急遽実家には住めなくなり、家を探すのも一苦労で山の上だったり臭いがキツかったり……。
家賃を捻出するべく予約していた結婚式場に出向き、別れることになったととっさの嘘で内金を返金してもらうあたりはラシャーのたくましさを感じる。稼ぎもラジャーの方が上のようだし。
2人の間にも亀裂が生じ、ラシャーが行方知れずになったりもするのだけど、もちろん最後はハッピーエンディング。
本作はイエメンでは結婚式場で8ヶ月にわたって上映されたそうだけど、市井の人々の暮らしぶりを窺い知ることができてとてもよかった。

上映後、字幕監修の和家麻子さんがリモート出演してのトークセッション。2004年〜2005年にイエメンに留学していた経験を踏まえ、イエメンという国の成り立ち、内戦の実情、映画、結婚などについての話があり、知らなかったことばかりで映画を理解する上でも非常に参考になった。