城山羊の会『石橋けいの あたしに触らないで!』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

城山羊の会

石橋けいの あたしに触らないで!』

 

 

2020年12月17日(木)~27日(日)

小劇場B1

 

作・演出:山内ケンジ(青年団の山内健司さんとは別人の)

舞台監督:神永結花、森下紀彦  照明:佐藤啓  音響:藤平美保子

舞台美術:杉山至  衣裳:中島エリカ、海老根優子  演出助手:岡部たかし

照明操作:高円敦美、溝口由利子  音楽:大城静乃  大道具製作:六尺堂、新海雄大

宣伝美術:螢光TOKYO+DESIGN BOY  イラスト:コーロキキョーコ
配信映像:ムーチョ村松、手代木梓、富所浩一、原口貴光、渡部友一郎、石川慎治、北原慶昭
制作:渡邉美保(E-Pin企画)  制作助手:平野里子、高橋由希、高山みなみ

制作プロデューサー:城島和加乃(E-Pin企画)


出演(登場順):
島田桃依(小鳩弓子)
岡部ひろき(美津子の息子・藤堂昭市)
石橋けい(藤堂美津子)
岡部たかし(昭市の先生・サカイ)
吹越満(美津子の夫・藤堂重昭)
岩谷健司(弓子の夫・小鳩康一郎)
米村亮太朗(電通社員、美津子のパーソナルトレーナー・奥田)
筒井のどか(昭市の女友達、奥田の恋人・中沢フミエ)

 

STORY

経産省の官僚を夫に持つ藤堂美津子の見舞いにやってきた弓子は、途中で美津子の息子・昭市と出会う。藤堂家に到着すると、そこには昭市の先生だというサカイという男がいた。弓子はコロナ太りをしたという美津子の発言に同意するが、サカイはそんなことはないと反論し、対立構図を作ろうとする。弓子は気を失ってしまい、目が覚めると美津子の夫・重昭が帰宅していた。その夜、弓子は夫・康一郎と久し振りのセックスをする。2週間後、昭市と再会した弓子は昭市とベッドを共にする。翌月の20歳の誕生日を祝うため、弓子は重昭に仕事を仲介してもらいたい康一郎を伴って再び藤堂家にやってくる。弓子は前回より美しくなった美津子を見て驚く。そこにはサカイや美津子のパーソナルトレーナー・奥田の姿もあったが、なぜか昭市は部屋に閉じこもり、主役不在のままパーティーが始まる。重昭は奥田にいつも美津子にやっているトレーニングをみんなの前でやってみせるように言う。弓子たちはその様子を見ながら、美津子と奥田のセックスを妄想する。その後、昭市のバイト先での友人フミエが昭市に会いに来るが、彼女の目的は奥田に会うことだった。


城山羊の会、2年ぶりの本公演。

チケットが即完売になっていたけど、追加公演にて無事鑑賞。

 

舞台にはピンクのソファとテーブル、椅子。左右の壁際に黒い長椅子。

下手の扉は玄関として用いられ、奥の出入口は玄関や昭市の部屋に通じ、上手の通路はキッチンへと続く。

 

山内ケンジさんお得意の艶笑譚。

『本気のしるし』での好演も記憶に新しい石橋けいさんが5年ぶりに城山羊の会に出演、しかもタイトルに名前を冠していてこのビジュアルとあっては期待せずにはいられない。笑

このコロナ禍、人と人との距離を保つことが求められる中、思いっきり濃厚接触し、あるいはそれを妄想する人たち。その姿は時に滑稽なれど、これが人間本来の姿と安心も感じる。

キャスト全員の衣裳が黒っぽいもので統一されていたのは(弓子に至っては喪服のよう)何か意味があるのかな。あるんだろうなぁ。

 

キャストの中では語り手を務める弓子役の島田桃依さんが大活躍。

一幕の終わりでは「休憩明けは私と夫のセックスシーンで始まるので、そんなの見たくないよという人は遅れて戻ってきてください」、二幕の終わりでは「次の幕は全部私の妄想なのでおばさんの妄想なんて観たくないという人はこのままお帰りください」といったアナウンスも。で、実際、夫とのセックスシーンがあったかと思えば、直後に昭市ともセックスとお盛ん。笑

ちなみに島田さんはこの作品の後、中3日で青年団『コントロール・オフィサー』の初日を迎える。短篇とは言え、すごいスケジュールだな。

 

なおこの作品、無観客で撮影&編集したものを映像配信するとのこと。映画監督もやっている山内ケンジさんだから映像作品として楽しめそう。

 

上演時間2時間(一幕30分、休憩6分、二幕47分、休憩6分、三幕31分)。