『チック』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『チック』

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2016年ドイツ映画 93分

監督・共同脚本:ファティ・アキン

脚本:ラース・フーブリヒ  共同脚本:ハーク・ボーム 
原作:ヴォルフガンク・ヘルンドルフ『14歳、ぼくらの疾走』(小峰書店)
製作:マルコ・メーリッツ  共同製作:ズーザ・クッシェ、カッレ・フリッツ

撮影:ライナー・クラウスマン  編集:アンドルー・バード

音楽:ヴィンス・ポープ  美術:ジェニー・レースラー

衣裳:アンナ・ヴュッバー  メイク:キティ・クラチュケ、ペーター・ボウアー 

 

出演:トリスタン・ゲーベル(マイク・クリンゲンベルク)、アナンド・バトビレグ・チョローンバータル(“チック”アンドレイ・チチャチョフ)、メルセデス・ミュラー(イザ)、アニャ・シュナイダー(マイクの母)、ウーヴェ・ボーム(父ヨーゼフ・キルゲンベルク)、ウド・ザメル(ヴァーゲンバッハ先生)、クラウディア・ガイスラー=バーディング(フリードマンの母)、アレクサンダー・シェアー(裁判官)、マーク・ホーゼマン(ノルマンドルフの警官)、フリデリーケ・ケンプター(弁護士)、セーニア・アセンザ(父の愛人モナ)、ナディーン・デュボワ(母のテニス仲間・ヴェーバー夫人)、ヘニング・ペケル(同・シューバック氏)、ティル・ウォンカ(若い警官)、カイ=イヴォ・バウリッツ(警官1)、アルフレート・ハルトゥンク(警官2)、カテリーナ・ポランジャン(数学教師シュトラール)、アーニャ・ベンデル(タチアナ)、マティス・シュミット=フォス(フリードマン)

 

STORY

ドイツ。14歳のマイクは、クラスのはみ出し者。授業でアル中の母親についての作文を読めば、“変人”と笑われ、先生からは大目玉。同級生のタチアナに片思いしながらも、臆病で話しかける事すらできないが、3週間後の彼女の誕生パーティーに向けてこっそり似顔絵を描いていた。そんなある日、クラスに転校生がやって来る。“チチャチョフ”という聞きなれない名前の転校生は、遠いロシアからやって来たらしい。目つきが悪く、変な髪型で二日酔い。奇妙な転校生は“チック”と呼ばれ、その噂はたちまち学校中に広まる。やがて訪れた終業式。タチアナの誕生パーティーの招待状は、マイクとチックにだけ届かなかった。似顔絵を破り捨て、部屋で1人、涙を流すマイク。そして始まったマイクの夏休み。母親は断酒のための病院に入院。浮気中の父親は200ユーロを置いて、愛人と旅行に出かけて行った。そこへチックが、オンボロのディーゼル車に乗って現れる。どうやら盗んできたらしい。ドライブに誘われ、渋々車に乗り込むマイク。2人はタチアナの誕生パーティー会場を訪れると、渡せずじまいだったプレゼントを渡して去っていく。こうして、スマホも投げ捨て、青いオンボロ車でひたすら南を目指して旅に出た2人。目指すは、チックの祖父が暮らすという未開の地“ワラキア”。警察に追われ、奇妙な出会いを繰り返しながら続く2人の旅の行方に待つものは……?【「KINENOTE」より】


ヴォルフガンク・ヘルンドルフさんの『14歳、ぼくらの疾走』をファティ・アキン監督が映画化。

『50年後のボクたちは』というダサい邦題は拒否。笑


ファティ・アキン監督が児童文学を映画化と聞いてちょっと驚いたけど、孤独な少年が主人公で、移民やセクシュアリティの問題も扱われ、何よりロードムービーになっているところはアキン監督らしい要素ではある。


この作品は昨年、舞台版の再演を観ているけど、白人のマイクとロシアからの移民でモンゴロイド系のチックとの組み合わせの妙は日本人キャストでは出せないものがある(舞台版でチックとマイクを演じたのは柄本時生さんと篠山輝信さん)。

ただ、作品的には舞台版の方が笑えたし(チックがカミングアウトするところとか)、スピード間もあってよかった。


あとタチアナがなぁ…失礼ながら、学校一の人気があるようには見えなかった。