『燃えよ剣』(1966年) | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『燃えよ剣』

 

 

1966年日本映画 90分

監督:市村泰一  脚本:加藤泰、森崎東、長谷部利朗

原作:司馬遼太郎 週刊文春連載 文芸春秋新社刊  製作:小角恒雄 
撮影:酒井忠  美術:芳野尹孝  録音:高𣘺太朗  音楽:渡辺岳夫 
照明:寺田重雄  編集:木村幸雄  進行:白坂茂  助監督:長谷部利朗、沢井謙爾

装置:高須二郎  装飾:稲川兼二  衣裳:長谷清  美粧:奥山かつら店

記録:牛田二三子  殺陣:二階堂武  現像:東洋現像所

 

出演:栗塚旭(土方歳三)、和崎俊哉(近藤勇)、石倉英彦(沖田総司)、小林哲子(佐絵)、内田良平(甲源一刀流・七里研之助)、高宮敬二(壬生浪士・新見錦)、上杉高也(甲源一刀流・六車宗伯)、高野眞二(会津藩士・外島機兵衛)、戸上城太郎(芹沢鴨)、天津敏(清河八郎)、新宮寺寛(甲源一刀流・比留間半造)、小美野欣二、西田智、小田草之介、加島潤、國友和歌子(歳三の姉・佐藤のぶ)、花井緑太郎、岡本忠行、須藤照夫、倉新八、東光男、千利介、鹿島誠一、出水憲司(永倉新八)、水上保広(藤堂平助)、宮城稔、宮武要、宮島安芸男、【劇団くるみ座】北村英三(歳三の義兄・佐藤彦五郎)、入江愼也、玉生司郎(井上源三郎)、宮越勉、松村安子、中畑道子、塩崎純男、松浦武男、佐藤祐爾、宮村時秀、中村恒光、大浜豊、重久剛、川崎裕三、井関悦栄、小早川敦子、西村佳子、森生蘭子
ナレーター:芥川隆行
 

STORY

安政四年(1857年)五月。土方歳三の義兄は日野宿で町道場を開いているが、そこには天然理心流の近藤勇が出稽古に来る。歳三は女には手の早い青年だが剣も強い。それは、喧嘩剣法とも言うべき実戦向きのものだったが、たまたま、甲源一刀流の比留間半造、六車宗伯、七里研之助が道場破りに来た時七里と相対しこの相手に宿命的なつながりを予感した。世が騒然としている中で、近藤は時流を見つめて読書に耽っていた。一方、歳三は、六所明神の神官下猿渡佐渡守の妹で、夫に死別した佐絵という高貴な女性と知り合い、深い仲になっていった。だが、彼は乱世においては剣だけが頼りであることを知っている。ある日、歳三が無法にも闇討ちをかけてきた六車を斬ったことから、七里は彼に勝負を申し込んできた。二人の勝負は結着がつかず、ついに、比留間一門と近藤一門の者たちが、河原で激突することになった。この争いで近藤一門は勝ったが、今度も七里と歳三の勝負はつかなかった。 それから五年後--清河八郎が浪士隊を率いて京都に上り、尊王派に寝返ったりして動乱が京洛に渦巻く頃、左絵と別れた歳三は近藤を押し立て、新選組を組織して活躍を始めた。やがて、沖田総司からの情報で佐絵が勤王派に属していることを知った歳三は佐絵と再会した。しかし、その時現われたのが七里研之助。再三相対した二人は、またもや結着のつかぬまま別れた。やがて、勤王派の動きが激しくなってくると、新選組は彼らの謀議の場所と時刻をつきとめようとし、佐絵を捕えた。歳三は複雑な想いだったが、佐絵の望みで、二人だけで会った。その時の佐絵の情報は、「今夜五ツ、池田屋」というものだったが、もう一つの情報では、場所が“丹虎”だった。新選組は迷い二手に分かれて、それぞれ目的の場所に向ったが、結局、佐絵の言葉の正しいことが分った。そこで歳三は七里と相対した。それは最後の勝負とは思えない程あっけなく、七里は歳三の前に敗れ去った。やがて池田屋騒動も終り、歳三は佐絵の許に駆けつけたが、佐絵は自害して果てていた。【「KINENOTE」より】


司馬遼太郎さんの同名小説を映画化。


主演の栗塚旭さんと言えば土方歳三役の代表格のようなお方だが、私は学生時代、そういった経歴などをほとんど知らずに栗塚さんが経営していた喫茶店「若王子(にゃくおうじ)」で何度かお目にかかっていたので、土方歳三というよりやたら声のよく通るマスターとしてのイメージが強い。笑


まぁそれでもやはり、この代表作を見るとのっけから女性がらみのことでからかわれるなど、ギラギラした生命力の塊のような土方歳三の濃さに圧倒される。近藤勇役の和崎俊哉さんも濃いので、男臭さが渋滞状態。笑

よくこれで1時間30分に収められるよなぁとほとほと感心してしまう。


新型コロナの影響で公開が遅れている岡田准一さん主演の原田眞人監督版は柴咲コウさんが小雪というヒロインを演じていることもあり、内容はだいぶ違ったのものになっていそうだけど、確実に2時間は超えるだろうな(と思って調べてみたら2時間28分だそうな)。