ロロ『四角い2つのさみしい窓』 | 新・法水堂

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ロロ『四角い2つのさみしい窓』

 
 
【東京公演】
2020年1月30日(木)~2月16日(日)
こまばアゴラ劇場
 
脚本・演出:三浦直之
 
美術:杉山至  照明:富山貴之  照明オペレーター:佐野瑛美香  音響:池田野歩
衣裳:伊賀大介  衣裳アシスタント:鈴木萌、山本美希
振付:島田桃子、北尾亘  演出助手:中村未希
舞台監督:鳥養友美、大地洋一  演出部:岩澤哲野
小道具・字幕オペレーション:谷口順子
劇中曲:江本祐介  劇中イラスト:いらのりょう
文芸協力:稲泉広平  翻訳:クリストファー・グレゴリー
宣伝イラスト:矢野恵司  デザイン:佐々木俊
広報:浦谷晃代  当日運営:植田佑玖、樺沢優希、中嶋千歩、山道弥栄、大蔵麻月
制作:奥山三代都、坂本もも
 
出演:
亀島一徳(ムオク・リバー/劇団員サンセビ・リスン)
島田桃子(ユビワ・フル)
森本華(団長ヤング・アダルト/貝殻屋店員)
望月綾乃(劇団員・屋根足りない/柚木七緒)
篠崎大悟(劇団員・フィッシュ&チップス/振袖春)
 
STORY
ある日、溜息座の公演を観たサンセビ・リスンは終演後、団長のヤング・アダルトに入団を申し出る。団長は次回公演で解散することを理由に断ろうとするが、サンセビは劇団員のフィッシュ&チップス、屋根足りないらとともに次の目的地、夜海原を目指す。団長はサンセビが似ているという元劇団員ムオクが演じた綱渡り師の役をサンセビに与えて稽古に励む。一方、出産を控えった七緒と夫の春は夜海原に向かう途中、駿ヶ谷駅で出逢ったムオクとユビワの2人と行動を共にすることにする。新婚夫婦なのか姉弟なのか関係がよく分からない2人に戸惑いつつも、マガイで有名な貝殻屋で食事をする七緒と春。夜海原で溜息座の公演があることを知ったムオクは両親と兄を溜息座に殺されたと告白する。

ロロ、10周年の締めくくりとなる新作本公演。
 
美術は先週、「徳永京子の現代演劇講座」のゲスト、杉山至さん。
まず目を引くのが、舞台を切り取るような働きをする木枠と、そこから左右に万国旗のように広がる三角形の旗。木枠の上には◇の形が2つ並んでいて、「ロロ」が傾いているようにも見える。なるほど、「四角い2つのさみしい窓」とはロロのことであったかと勝手に納得。
 
物語としてはロロお得意のロードムービー風展開。
次回公演に向け、トラック(?)で移動する溜息座の面々と夜海原へ旅行する二組の男女。なんせキャストが5人なので双方のパートに出演している人は、衣裳の着脱で瞬間的に役柄を入れ替える。
ユビワがなぜか溜息座の舞台に出演したりと作品内における虚実も混沌としてくるあたりが観ていて面白かった。

音楽もいつも印象に残るけど、今回はのっけから尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」。
宇多田ヒカルさんの「パクチーの唄」も使われていたけど、この前ライブに行ったばかりの川本真琴さんの「1/2」がフィーチャーされていた。
「2コの心臓がくっついてく」というのは観る側と観られる側のことだろうなとこれまた勝手な解釈。

当初、出演が告知されていた板橋駿谷さんは今回お休み。
その代わり(?)、溜息座の公演での屍の中に板橋さんの顔写真を貼ったものがあったり、駅の名前が「駿ヶ谷(するがだに)」だったりと爪痕を残す(笑)。
しかし、本公演に出られないほど忙しくなってしまうとはなぁ。
あ、それと後で知ったけど、亀島一徳さんが長井短さんの夫なのね。なるほどー(何が)。
 
上演時間約1時間59分。