Bunkamura製作『オイディプス』 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

シアターコクーン・オンパレートリー2019

DISCOVER WORLD THEATRE vol.7

『オイディプス』

OEDIPUS

 

 

2019年10月7日(月)~27日(日)

Bunkamura シアターコクーン

 

原作:ソポクレス
翻案・演出:マシュー・ダンスター  翻訳:木内宏昌
美術・衣裳:ジョン・ボウサー  振付:シャーロット・ブルーム
照明:勝柴次朗  音楽:かみむら周平  音響:井上正弘

ヘアメイク:林摩規子  映像:栗山聡之
衣裳スーパーバイザー:中野かおる

アソシエイト・デザイナー:中根聡子  演出助手:桐山知也
通訳:時田曜子、河井麻祐子、阿部のぞみ

舞台監督:南部丈

 

出演:

市川海老蔵(オイディプス)

黒木瞳(妻イオカステ)

森山未來(コロスのリーダー)

高橋和也(イオカステの弟クレオン)

中村京蔵(予言者テイレシアス)

谷村美月(操縦士)

笈田ヨシ(羊飼い)

市川新十郎(指揮官)

内田淳子(コロス)

冨岡弘(コロス)

武元賀寿子(コロス)
今里真(コロス)

市川新八(コロス)

天野はな(コロス)

小谷俊輔(衛兵)

加藤亮介(衛兵)

柳本雅寛(コロス)

市川福太郎(少年)

湯浅永麻(コロス)

平原慎太郎(コロス)

池田葵(娘アンティゴネ)

髙畠美野(娘イスメネ)

 

STORY

「父を殺し、母を娶るであろう」という恐ろしい予言から逃れるため、放浪の旅に出た古代ギリシャ・コリントスの王子オイディプスは、旅先のテーバイで他国の脅威を退け法の秩序を取り戻した英雄として請われ、王となる。
オイディプスは先王ライオスの妃イオカステを妻に迎え安寧な日々を送るが、ほどなくしてテーバイ中に疫病が蔓延する。コロスのリーダーを中心に、オイディプスに助けを求めるテーバイの市民たち。オイディプスは国を救うために神託に従い、先王殺害の犯人を捜すが、やがて明らかになるのは恐るべき真実だった…。
残酷で悲劇的な運命がオイディプスに襲いかかる…。【公式サイトより】 

─────────────────────────── 

Bunkamura30周年記念作品。

 

ソポクレスによるギリシャ悲劇の古典を英国の演出家マシュー・ダンスターさんが自ら翻案して演出。

 

舞台美術は近未来的。

冒頭、大きな扉が開いて防護服を着たコロスの集団が入ってきてスプレーをかけられるシーンは、原発事故を起こした原子力発電所を想起せずにはいられない。

上方にはオイディプスとイオカステの館。普段は中が見えないようになっていて、そこに桜の木が映し出される(最後には枯れた状態に)。

 

歌舞伎、元宝塚、ダンサーと寄せ集め感のあるキャスティングだったが、あまり奏功しているようには見えなかった。

特に市川海老蔵さんは恐らく世間的には熱演と称賛される演技だったのだろうけど、私には上滑りしているように感じ、台詞がびっくりするぐらい響いてこなかった。

あのう、一度唐組でも観に行って稲荷卓央さんの演技とか参考にした方がいいんじゃないかな(超絶上から目線。笑)。ビジュアル的にはよかったんだけどねぇ。

 

あと、一体いつになったら谷村美月さんはその能力に見合った役と巡りあえるのだろう。本作も原作戯曲では老人が演じるコリントスの使者にあたる役を演じていたのだけど、彼女である必要性がほとんど感じられなかった。

森山未來さんもあまり楽しんでいるようには見えなかったな。

 

上演時間約1時間50分。