舞台芸術学院『この道はいつか来た道』 | 新・法水堂

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舞台芸術学院創立70周年記念特別公演

『この道はいつか来た道』

 

 
2019年10月11日(金)~19日(土)
駅前劇場
 
作:別役実  演出:鵜山仁
舞台監督:古屋治男  照明:宮永綾佳
音響:秦大介  舞台美術:乘峯雅寛
宣伝美術:土谷朋子  WEB:斎藤拓
制作:牛山晃一、武藤香織
企画:舞台芸術学院  製作:イエロージャップ
 
出演:
金内喜久夫(男)
平岩紙(女)
 
STORY
とある町の片隅に電信柱が一本。そこへ段ボールを引きずった女がやってくる。続いて茣蓙を背負った老いた男がやってきて、女に結婚して欲しいと迫る。2人はホスピスから抜け出してきた末期がん患者だった。
                                                                                        
舞台芸術学院創立70周年記念公演。
金内さんは演劇部本科六期、鵜沼さんが二七期、平岩さんが五十期の卒業生。このお三方は2011年の60周年記念公演『月にぬれた手』(作の渡辺えりさんも卒業生)にも参加されているが、東日本大震災のため、予定を変更しての上演を余儀なくされたとのこと。
 
今回の『この道はいつか来た道』は金内さんが過去に3回ほど出演された作品。相手役はもう少し年配の女優さんが想定されているようだが、祖父と孫ほどの年齢差であっても違和感はなかった。
 
別役作品ではお馴染みの電信柱。その前にはポリバケツ。
短い作品ながら、死に直面する中で本当の愛を捜し求める男女の姿が静かな余韻を残す。
2人はホームレスとなっていて、住民税も所得税も払っていないという台詞が出るなど、先日の台風での避難所使用拒否をめぐる台東区の対応を思い出さずにはいられなかった。
 
上演時間約45分。

ロビーにはお三方のサイン。
このすぐそばには渡辺えりさんと宮藤官九郎さんがいました。笑