最終回で善悪が逆転すると話題のアニメ版海のトリトン。しかし最終回の衝撃は、ザンボット3の方がすごいと思う。
原作漫画の海のトリトンは手塚治虫さん作品で、トリトンの敵としてポセイドン王が出てくる。ポセイドン王はいろいろな生物の合成生物を作れるが、トリトン族は優れているのでうとまれており、トリトンの親は殺されて、トリトンがポセイドン王と戦う。トリトン族は臣下のような関係にあり、名前の由来のギリシア神話ではポセイドンが父、トリトンが子になる。
アニメ版ではポセイドン王が出てこない。漠然と「ポセイドン」といわれているのはポセイドン族のことだ。象徴的にポセイドン像がある。最終回で明かされるのは、かつてのアトランティス人の正統な末裔がトリトン族でありトリトンであるということ。つまりこちらが王の位置にある。その証としてオリハルコンの短剣がある。ポセイドン族は、ポセイドン像によるオリハルコンの力に対する捧げ物として、人身御供、生け贄にされる存在だった。つまり戦争捕虜や奴隷のようなもので、ここが入れ替わっている。ポセイドン族はアトランティス人を追い詰めるが、トリトンが現れてポセイドン像の力を失い、全滅することになる。
だから善悪は交代していない。富野さんの話はとてもよくできている。もともとは父子関係とか主従対決のような話だったんだろうけど、富野さんの時代は学生運動とか左翼活動とかいろいろな現象があって、そういうこともわかりつつ富野さんは、強いもの、優れているものに対して戦っても、自らを滅ぼすという考えを持っていた。ガンダムでジオンが負けるとか、そういう話にもつながる。






