結局、温暖化が原因であらゆる不具合が起きています。
その原因の最大たるものがCO2だと、科学的に分析されています。
そして今、CO2が大気中に増えている原因は、石油、石炭の燃焼によるものだと言われています。
最近、コメンテーターの発言が気に成って、まとめてみることにしました。
筆者も勘違いしていた部分が有って、例えば過去のブログでも「ペーパーレス化はCO2削減のため」などと書いていました。
しかし、仕事で製紙工場に行って分かりました。
トイレットペーパーなどの再生紙は、全て原料は古紙です。
新品の紙も、全て原料はおが屑で100%木材です。
つまり、木さえ植え続ければ、紙はいくら燃やしてもCO2は増えません。
バイオ燃料
地中から掘り出された、石油や石炭。
これらが燃やされることで、大気中のCO2が増えていると言われています。
それに対し、元々地表と大気中で循環している分のCO2を使用することで、その量を増やさない試みが、バイオ燃料です。
植物は、大気中のCO2を取り込んで成長します。
その植物、生物由来の原料を燃焼しても、大気中のCO2の総量は増えないという考えです。
だから、いくら薪を燃やしても、紙を燃やしても、生物由来の食物油を燃やしても、CO2の大気中の総量は増えません。
だから、穀物や食物油が由来のバイオ燃料が、温暖化対策として有効なのです。
石油も石炭も生物由来
地中に眠る石油や石炭を掘り出して利用することが、全ての問題だとされています。
しかし、実は石油も石炭も、元は生物だったという説が有力です。
石油は太古のプランクトンの死骸が堆積し、地殻変動により地中に入り、熱と圧力で変化したものとされています(地球内部のマントル由来説も有り)。
石炭も太古の樹木の化石が、同様に地中で変化したものです。
つまり、どちらももともとは地表や大気中に在ったCO2が元です。
バイオ燃料と変わりありません。
切り分けが大事
以上の事実から言えるのは、もともと地球は、今よりもCO2が多かったということ。
事実、過去の大気中のCO2の割合を調べると多かったのが分かっています。
そして気温も、今よりもずっと高い時期がありました。
それをプランクトンや樹木が取り込み、やがて地中に固定されることで、徐々に減っていき、それとともに気温も下降した。
そしてその状態が何千万年も続いて、我々人類も含めた現在の生物は、それに順応したわけです。
それを人類の文明が掘り出し、大気中に急速に放出され、それが現在の温暖化になっています。
つまり、石油や石炭として炭素が固定されていた時代と、それ以前を完全に切り分けしないと、現状は保てないわけです。
水素も石油由来
パリ五輪で起きたことが、物議をかもしています(ほとんど報道されていませんが)。
日本のある自動車メーカーが、公式使用車両を提供する予定でしたが、世界中の環境学者から反対されて、却下されるという事件です。
反対された理由は、その車両が「水素燃料車」だったからです。
その自動車メーカーは、以前から新たな環境対策として水素燃料車を推してきました。
しかし、現在、水素の原料のほとんどが、石油です。
石油を精製する際の副産物として採れるのです。
掘り出され、精製された石油のほとんどは、燃料として燃やされます。
つまり、水素燃料を使用すると、自動的に石油も消費することに成るのです。
では、水から電気分解するのはどうでしょうか?
電気分解には、当然電気が必要です。
それを風力などの自然エネルギーから得たとしても、水素を作るよりもバッテリーに充電したほうが、はるかに効率が良いのです。
水素燃料車を走らせるよりも、バッテリーに充電して電気自動車を走らせたほうが、はるかに環境負荷が低いのです。
きちんとした知識が必要
このように、大手の自動車メーカーですら、勘違いに陥っています。
環境科学の知識が低いコメンテーターも、間違った考えを分散してしまうわけです。
電気自動車にしても、その充電をする電気を作る際にCO2が出ては、意味が有りません。
さらには、電気自動車そのものを作る際にも、CO2が出ます。
つまり、自然エネルギーで充電し、ガソリン車と比較して十分CO2削減効果が出るまで走らないと意味が無いのです。
今、中国製の安価な小型の電気自動車が売れていますが、はたしてCO2削減の効果はいかに。
すぐ壊れては、あまり効果は無いどころか、増やす可能性も有ります。
CO2削減は喫緊の課題ですが、非常に難しいものです。
正しい知識を身につけ、取り組みたいものです。

