ロンドンマラソン(1) 忍耐力 | 世界を走ってやる!

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自分の足で色んなところを走りたい。いつまでもどこまでも元気に走れる頑丈なランナー目指して、走り方を研究しています。

走り始めは2008年9月2日


もしも、今回の旅が初めての海外旅行だったり、海外マラソンが初めてだったとしたら、私はロンドンマラソンを完走できていただろうか?

いや、この旅そのものを楽しめていたかどうかすら怪しい。

決して、スムーズとは言えない旅の始まりだったから。

トラブルは成田空港を出発する時から起きていた。

いや、数日前からだ。

私の出発する数日前にドバイには大雨が降った。その雨は、普段あまり雨の降らないドバイの空港が機能しない程、激しい雨だったようで空港は大洪水に見舞われたようだ。

なんとなく目にしていた数日前の飛行機の欠航のニュース。

心の中で、もう数日出発が早かったら自分も巻き込まれていたんだろうな。と思う程度だった。

成田に着くと搭乗予定の便に遅れが生じている。
多少の遅れは良くある話なので、そこまで気にもならず、成田行きのバスに乗る前に買ったおにぎりを出国ゲート内の売店で買った缶チューハイと共に頂くことにした。


今回の旅はきままなひとり旅だ。

誰に気を使うこともなく、時間に縛られることもない。

図書館で借りてきた本を読みながら、ハイボールとじゃがりこわさび味を食べながら飛行機搭乗時間を待った。

じゃがりこのパッケージにはなぜかうる星やつらのラムちゃんが描かれている。


ラムちゃんと言えば、昨年佐藤家のふたりとハセツネの試走に行った時のことを思い出す。

山の中を歩いていたら、目の前からビデオカメラを持ったラムちゃんの格好をしたおじさんが歩いて来たのだ。

目を疑ったが、頭にはつのがあり、足元もブーツだ。そして、ヒョウ柄のスカートをはいていた。

まぎれもなく、それはラムちゃんだったが、妙にばかでかく、ごっついラムちゃんだった。

あきらかに非日常的な状況ではあったが、山の中で人とすれ違う時はあいさつするというのが山のマナーだから、当たり前のように「こんにちは。」と挨拶をしたが、軽く無視された。

そんなことを思い出しながら、このロンドンマラソンが終わって翌週には日本ではマウントフジ100という100マイルレースが行われ、そこに佐藤家のけえこさんが出走し、てつやさんがサポートをするんだなーとか、世界一の女子トレイルランナーのコートニーも来るから応援に行きたいなとかそんなことを考えてた。

時計を見てもまだ時間に余裕がある。

ふと、隣を見るとインド人のふたりの男性が柿の種のわさび味をつまみにビールを飲んでいる。

そう言えば、職場のネパール人の女性もわさびやからしが好きだと言っていた。

………

飛行機での楽しみといえば、食事と映画。

昔は良く映画も見に行っていたが、最近は劇場に足を運ぶこともほとんどなくなったので、ネットや飛行機に乗った時くらいしか映画も見なくなってしまった。

とは言え、飛行機で映画を見始めると必ずと言って途中で寝落ちしてしまう。

場合によっては、行きと帰り2回に分けて見る羽目になることすらある。

今回、搭乗したのはエミレーツ航空。

エミレーツはUTMBに参加の時に利用したので、これで3度目かな。

意外とサラダが美味しいと思うのだが、基本的に機内食の味は出発する国でつくった物が出てくるので、帰りより、行きの方が美味しい。

1食目はビーフ


今回の赤ワインは美味しかった。


美味しいの基準は人によって違う。


「美味しかった = 自分の好みの味」だと私は思っている。


機内食で出てくるパンとバターですら美味しいと思う。



2食目は魚。


こちらの味付けは和食あるあるな味。

どこの飛行機も和食だと同じ味付けな気がする。


乗り継ぎの為、ドバイ空港に一旦降りる。


乗り継ぎの人で溢れている。

ここで手荷物検査の為、長々と待たされる。


やっと解放されるが、ドバイの空港内は飛行機の遅延の為、どこもかしこも人だらけだった、



飛行機遅延の為、指定店舗にて無料だ食事ができると言うので、かなり久しぶりにマックに行ってみた。



なんでも頼んで良いのかと期待したが、ここでもチキンorビーフの2択だった。



待ち人で溢れた空港は椅子も中々空いてなかったし、ラウンジなんかも入るのに並んでいた。


ロンドンに辿り着くまでに、時間帯が東京→ドバイ→ロンドンと3度変わるので、いったい家を出発してからすでに何時間経過しているのか分からなくなっていた。


ドバイ→ロンドン間の飛行機は2回建になっていて上の階はファーストクラスになっている大きな機体だった。


機体が大きいからか、テレビも大きかったし、ドバイ→ロンドン間は行きも帰りも空いていたので、割と広々座れてよかった。


帰りなんて、横になって帰れたから、いつもより足のむくみも軽減された。


ドバイ→ロンドン便はチキンorラム


…………



わたしがロンドンを訪れるのはこれが5回目だ。

最後に訪れたのは、2003年だった。

細かいことを全く覚えていないが、ユーロスターでロンドン・パリ間を移動しているので、その時のチャンネルトンネルの入国スタンプ押してある。

今では、入国も機械で自動で行える為、旅券には日本国内の入出国の記録しか残らない。

スタンプを押してもらいたい場合は、人のいるブースに行けば押して貰えるようだが、今回は早く荷物を受け取ってホテルに行こうと早々出てきた。

にも関わらず、ターンテーブルからは一向に荷物は出てこなかった。

根気よく待ったが、流れてくるのは同じ荷物ばかり。

空港スタッフが荷物の出てこない人はあそこで申請してと荷物待ちの人達に言ってたので、諦めてその列の方へ向かった。

その列の最後尾を探すも、なかなかの長さ。

でまたここで待たないといけないのか。。。

どうやら今回の旅のテーマは我慢、いや、「忍耐」となりそうだ。


中には喚き散らして最後には泣いている女性もいた。


騒いだところで荷物は出てこない。

感情の浮き沈みは余計な力を使うだけだ。


私はどんな時も常に冷静を保つようにしている。

怒りという感情からプラスとなるものは何も生まれない。


相手がいる場合は、お互いの気分が悪くなるだけだ。


怒りたい人、文句を言いたい人は勝手にひとりで気分が悪くなれば良い。


周りの関係ない人まで不快な気持ちにさせていることに気付いて欲しいが、そういう人は一生気が付かずに不幸な日々を人より多く過ごすのだろう。かわいそうに。


荷物の手続きを終え、ホテルへと向かったのはもう、夜の9時くらい。

幸い最寄駅まで地下鉄で乗り換えなしで行けたのは良かった。



10時を回り、人気のない高級住宅地をとぼとぼ歩きながらホテルへと向かう。

リュックひとつの旅はとても楽だ。

この時は使っていたアシックスのバッグは、榛名湖マラソンの入賞商品で、過去2度ほどサイズ違いのバッグをもらったが、どちらも遠征レースの時に活躍している。

ここ最近はバッグではなくなったけど。
これまでもらったのは、電動歯ブラシとガトーハラダのラスクだ。

暗闇の中を歩き、やっとホテルに到着した。

飛行機+ホテルで21万とあって、無駄のない作りの部屋である。



荷物の少ないひとり旅にはちょうど良い。


しかし、ヨーロッパ特有の建物の古さなのか、ただ施設管理が行き届いてないのか、シャワーの水圧の弱さとお湯が出るまでの時間の長いシャワーールームは疲れ果てた旅人がリラックスできる空間だとはお世辞でも言い難かった。


部屋でやっと一息つくことができたものの、急ぎ足でホテルまでやってきてしまったので、手元にあるのは機内食でもらったソイジョイくらいだ。


なんだかんだとまる1日食っちゃ寝しかしていないので、ソイジョイとホテルに備え付けのインスタントコーヒーをこの日最後の食事とした。


旅は2日目へと続く。