ご自分と両想いで幸せな皆様へ

 

こんにちは、タコのマリネです。

 

ホロスコープを読み解くうえで「んんんん?」となるところ、ありませんか?

 

第5ハウス:趣味・恋愛・ギャンブル

第8ハウス:遺産・相続・結婚・生と死・性的関係

 

「なんで趣味・恋愛が同じハウスで、遺産・相続と結婚が同じハウスなの???」と思いません?

 

★ハウスの意味について詳しくはこちら→【★3分でわかるホロスコープ:あなたの人生の重要テーマ

 

現代日本社会において、これをそのまま当てはめて読み解いていいのか…と実は私も疑問なのです。

今日はその理由をお話していきますね。

すこし長めで難しい話になるかもしれませんが、ご興味のある方はぜひお読みくださいませ!

 

 

(写真提供:YUKI /無断転載一切禁止)

 

西洋占星術はもともと、名前の通りヨーロッパでこっそりひっそり広まりました。

ケイト・ブランシェット主演の映画「エリザベス」では、西洋占星術を使って戦争の行方を予知するシーンがあります。

 

 

この映画の中では、イングランドの女王であるエリザベス1世はどこの国の誰と結婚するかものすごく悩んでいます。

イングランド ビッグ・ベン  フリー写真素材 フォトスク

 

しかし彼女は誰とも結婚しません。

ご存知のとおり、エリザベス1世は「私はイングランドと結婚した」と名言を残し、生涯独身を貫きます。

 

なぜ彼女は誰と結婚するか悩んだあげく、誰とも結婚しなかったのか。

 

この時代の王侯貴族の「結婚」というのはいわば国や家同志の利害関係や策略・政略が絡んでいたのです。

日本でも平安時代に藤原道長が自分の娘を天皇や親王の妻にして政権を握ろうとしてましたね。

平安時代の日本は海外との交流が活発ではなかったので宮中の話で終わりますが、16世紀を生きたエリザベス1世であれば、彼女の結婚問題は外交問題に直結するのです。

 

スペイン アルハンブラ宮殿  フリー写真素材 フォトスク

 

この当時「大国」「太陽の沈まぬ国」と言われていたスペイン国王とエリザベス1世が結婚したら、イングランドは大国スペインに併合されかねない。

それならばと大国スペインに対抗するためにフランス王家と結婚しようとしても、信仰上の理由から貴族たちの猛反対にあう。

(このときのエリザベス女王はプロテスタント系のイギリス国教会、フランスはカトリック国。なお、エリザベス女王の先代のメアリー1世は強火のカトリックのため、イングランドの国教をカトリックに変更した上、プロテスタント系の信徒を血祭りにあげます♡そのため「ブラッディ・メアリー」と呼ばれます)

 

エリザベス1世が結婚しなかった理由は不妊体質だったから、結婚にトラウマがあったから、といろいろ言われていますが、結局のところ、独身でいることが政治的・外交的には有利だと判断したのではないでしょうか

 

ここで、エリザベス1世からみて「はとこ」にあたるスコットランド女王メアリー=スチュワートを見てみましょう。

 

スコットランド エディンバラ城  フリー写真素材 フォトスク
 

彼女は最初の結婚相手(政略結婚)のフランス王子が亡くなったあと、スコットランドに帰国して、スコットランド貴族と2度目の結婚をします(恋愛結婚)。

結婚相手に多くの領地を与えたことでほかのスコットランド貴族たちの反感を招き、結婚相手が暗殺されてしまいます。

 

しかし、メアリーはこの暗殺事件の首謀者だと噂された人物と3度目の再婚にふみきります(恋愛結婚)。

これがきっかけで、かねてより女王に不満を抱いていたスコットランド貴族たちがついに反乱を起こすのです。

 

その結果、女王メアリーは廃位され、息子のジェームズ(2番目の夫との間にできた子供)がスコットランド国王となります。

メアリーは祖国スコットランドから逃れるため、血縁のエリザベス1世が統治するイングランドに亡命しますが、処遇に困ったエリザベス1世は約20年間幽閉したのちにメアリーを処刑。

女王メアリーの3度目の再婚相手も身柄を拘束され、暗殺されています。

 

この一連の流れを見ると「うわ~……結婚しなきゃよかったのに…」と思いません?

女王メアリー=スチュワートは、1回目のフランス王子との政略結婚がうまくいったせいで、この時代の「結婚」と「恋愛」の違いをわかってなかったのかなと思います。

自分の「結婚」が内乱や反乱、諸外国からの侵略の火種になりかねないことを理解しておらず、言ってみれば彼女の行動は一国を担う王としては至極軽率だったわけです…。

やっぱり恋愛体質はいかんのです!!!!!

 

同時代のメアリー=スチュワートと比較すると、エリザべス1世が生涯独身を貫いたのは、この時代のイングランドにとっては賢明な判断だっただろうことがおわかりいただけますでしょうか。

 

こうした結婚問題から察するに、第8ハウスが「結婚」のほかにも「遺産」「相続」を意味するのも納得ですよね。

ヨーロッパの王侯貴族にとっては、「結婚」=「国・家同志の利害関係」=「代々家系が守ってきた遺産(城・土地など)を守る・相続する」ということになります。

 

さらに「性的関係」「生と死」も同じ第8ハウスにあることもなんとなくわかってくるのではないでしょうか。

国王の「性的関係」「性的干渉・行為」、そして跡継ぎとなる王子や王女を産めるか産めないか、という点は王家存続のためにとっっっても重要事項!

そしてお世継ぎが生まれたら「よっしゃーーー!!お家断絶は免れたーーーー!!さあ、この子はわが家系をさらに発展させるためには、誰と結婚させるのがいいかしら??」と本人の意志とは関係なく、幼少のうちから結婚相手や嫁ぎ先を計画されるわけです。

生まれてきたら家系を「相続」することがほぼ義務付けられ、「結婚相手」もほぼ決められるのが、王侯貴族たち。

 

王侯貴族にとっての「結婚」は「家」によってほぼ決められたもの。そしてその「家」の遺産を相続し守り抜くこともほぼ決められている。生まれる時期や死ぬ時期と同様に、「結婚」も「相続」も、どれも本人の意志ではどうすることもできないものなのでした。

 

というわけで、「第8ハウス」は主に「自分の意志ではどうすることもできないもの」「受け継ぐもの」とされ、それらが当時の王侯貴族にとっては「結婚」「遺産」「性的関係」「生と死」になる、そのまま第8ハウスの意味するものされることも納得でございます。

 

話をエリザベス1世に戻しましょう。

諸外国との複雑な対外関係もあって生涯独身をつらぬいたエリザベス1世ですが!

その一方で「恋愛」のエピソードは豊富です。

ザっと調べただけでも

 

ロバート・ダドリー

ロバード・デヴァルー

ウォルター・ローリー

 

 

このほかにもたーーーくさんいたと思われます。

この中の誰かと結婚すればいいのでは、と思いますが、一家臣と結婚すると女王メアリーのようにほかの家臣からの反感を招き、下手したらスペインやスコットランドなどの敵国と結んでエリザベス1世に対抗しようとする人も出てくるかもしれないというリスキーさ。

そのため国内の家臣とは結婚はせず、純粋に「恋愛」「恋のロマンス」を楽しんだのでしょう。

このリスキーさを考えると、第5ハウスは「恋愛」のほかに「ギャンブル」という意味も含んでいる理由も納得ですね。

王侯貴族の「恋愛」は「ギャンブル」みたいなもの

 

また、外交問題や政治、家同志の関係や遺産相続と「恋愛」は(一応)無関係ですので、「恋愛」=「趣味(単純に自分が楽しむもの)」という意味にもなりえます。

王侯貴族の「恋愛」は「趣味」です。遊び。

不倫(恋愛)も「趣味」の一つなんです。

フランスのルイ14世なんかは、お后様のほかに「公娼」といって愛人がいたわけですから、「結婚」と「恋愛」は全くの別物なのです。

后の女官に次々と手を出した、エリザベス1世の父親ヘンリー8世なんて……ねぇ?

 

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以上で「なんで趣味・恋愛が同じハウスで、遺産・相続と結婚が同じハウスなの???」という疑問にお答えできたかと思います~!

王侯貴族にとっては「結婚」と「恋愛」は全くの別物でした。

 

ただ、これらの時代的な背景を踏まえたうえで、

 

第5ハウス:趣味・恋愛・ギャンブル

第8ハウス:遺産・相続・結婚・生と死・性的関係

 

これをそのまま現代社会に当てはめていいのかというと疑問でございますね…。

イギリス王室のウィリアム王子やハリー王子も政略結婚ではなく恋愛結婚ですし、日本の皇室だっていわゆる「平民」とご結婚されてますし、現代日本社会に果たしてこの解釈はそのまま当てはめていいのだろうか…??!

 

恋愛や結婚につきものの「親密なコミュニケーション」という意味では第3ハウスだって恋愛や結婚に関わってきそうですし、「遺産・相続」「本人の意志ではどうすることもできない部分」を意味する第8ハウスよりも、人間関係を含む「パートナーシップ」の意味を持つ第7ハウスの方が現代の「結婚」に近い感じがしますよね。

 

時代や社会の変化に伴って、ホロスコープの読み解き方も柔軟に対応させていきたいな~なんて思う今日この頃です( *´艸`)

もっと勉強しないといけませんね!

 

ではでは~

 

タコのマリネ

 

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