おいしい映画/ポトフ 美食家と料理人(2023)×デリシュ!(2020) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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2024/1/2観:シネプレックス小倉

『La Passion de Dodin Bouffant ─ ドダン・ブファンの情熱』

2023年 フランス映画 134分

監督・脚本/トラン・アン・ユン

撮影/ジョタン・リッケブール

美術/トマ・バクニ

【キャスト】

ウージェニー/ジュリエット・ビノシュ

ドダン/ブノワ・マジメル

【あらすじ】19世紀末フランス。森に佇む美しいシャトーに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが、究極のメニューを次々と創り出す。深い絆と信頼で結ばれ互いをリスペクトしているが、プロとして自立しているウージェニーは、ドダンのプロポーズを断り続けてきた。そんな二人の料理への情熱と愛の行方が描かれる。監督は繊細な映像美で高く評価されるトラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『夏至』『ノルウェイの森』)。調理過程の撮影はワンカット、魚や肉を焼く音が音楽、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修(公式サイト参照)。

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目にも美味しいフレンチの数々が堪能できる「美味しい映画」ご紹介です。

 

先ず1本目は今年正月2日にシアター鑑賞した本作。映像の美しさにウットリでした。

そして「美食家のおっちゃん、太・・・かなりな男前でんな♪(スズ子憑依!)」

…と思ってたらブノワ・マジメルだった!びっくり うわああ、太・・・貫禄出たなあ!

『王は踊る(2000年)』のスリムなルイ14世が・・・(遠い目)。

だがしかし、自らも腕前を振るう美食家なのだから役にピッタリでした。

如何にも美味しい物ばかり食しているのだと納得のメタボっぷり。

そんな要らぬ心配は的外れ、一見そこまでメタボではない料理人ウージェニーの方が

病に倒れてしまいます。懇意の医師は「原因が分からない」と肩を落とします。

がっ!素人の私でも分かる!美味いモンの食べ過ぎですがな(こらこら!)。

 

でも、これだけのセンスとスキルを持った無敵の二人が作り出す美味いモンを

いったい誰が「コレステロール値気に成るから…」と拒否できようか(私は食べる!)

冒頭から延々二人で料理する様子が続くのを飽きることなく眺めていられる

目にも心にも美味しい映画であり、主人公二人が夫婦という概念に捕らわれず

真のパートナー関係、対等な相手として尊敬し合う様子に深く感動しました。

なのにウージェニーは・・・(涙)。そこから立ち直って行くドダンに大声援を送りたくなる

悲しい事もあるけれど勇気と癒しを静かに与えてくれる良作映画です。

 

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2024/1/29:DVD観

Delicieux ─ 美味しい』  2020年 フランス×ベルギー合作 112分

監督・脚本/エリック・ベナール

脚本/ニコラ・ブークリエフ

撮影/ジャン=マリー・ドルージュ

美術/ベルトラン・セール

【キャスト】

マンスロン/グレゴリー・ガドゥボワ

ルイーズ/イザベル・カレ

公爵/パンジャマン・ラベルネ

【あらすじ】1789年、革命直前のフランス。誇り高い料理人マンスロンは、創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったことが貴族たちの反感を買い、主人である傲慢な公爵に解任され息子と共に実家に戻ることに。もう料理はしないと決めたが、ある日彼の料理を学びたいという女性ルイーズが訪ねてくる。不審がっていたマンスロンだが、彼女の真っ直ぐな想いに触れ料理への情熱を取り戻し、ついにふたりは世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むことになる。店はたちまち評判となり公爵にその存在を知られてしまい…(公式サイト参照)。

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「美味しい映画」2本目のタイトルは ずばり「美味い♪」です。

本作も出来ればシアター鑑賞したかった!美しい料理の数々と風景を目で楽しめます。

17~18世紀の静物画を連想させるこんな映像が随所に。

 

本作もおっちゃんメタボで女性は適度にほっそり。生活習慣病には触れられません。

こちらはフランス革命起きたばっかり時代ゆえ、貴族や僧侶そりゃまあ腹立つ!

「デリシュ」と名付けた主人公の創作料理を偏見たっぷりに酷評。

皿ごと床に投げ捨てる態度には低血圧の私でも高血圧になりそうな気分でした。

ははーん、革命起きてるもんな。こいつら全員ギ〇〇ンでんがな(まだスズ子憑依!)。

だいたい「デリシュ」はスライスしたポテトと黒トリュフのパイ包み焼で

まずい訳がない!投げ捨てた僧侶はスナック菓子しか食べてないのでは?

 

そして、弟子入り志願する謎の女性ルイーズ。マンスロンは娼婦と思ったけれど

実はマンスロンの主人だったポンコツ公爵に夫を殺された貴族の夫人でした。

マンスロンに近づいて復讐を果たそうとしたものの、ポンコツの気まぐれの所為で

計画は徒労に終わります。結果的にはそれで良かった。成就してたらマンスロンも罪に。

 

ルイーズはマンスロンに申し訳なく思い修道院に去って行くのですが、

マンスロンは仕事が手に付かなくなり彼女を連れ戻しに行き互いの気持ちを確認♪

二人でレストランを運営しハッピーエンドなのでした。

後々、公爵のお抱えシェフだったとかジャコバン派に追求されたりしない?

・・・などと要らぬ心配をしましたが、映画はハッピーなまま幕を閉じてホッとしました。