学習障害 特徴・診断方法

学習障害 特徴・診断方法

学習障害、別名LSDと呼ばれ、言語能力や算数能力の困難などの症状のほかにも多岐にわたります。学習障害の特徴や診断方法、検査、症状などあらゆる角度から紹介します。

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学習障害は、チックと呼ばれる症状を起こす場合があります。
チックとは、目をしばたかせる、手や足を叩きつける、顔をゆがめる、

肩や首などを不自然に動かし続ける、咳払いを繰り返す、短く奇声をあげることを繰り返す、

などの症状のことを呼びます。


トウレット症候群はその中でも重症の場合で、運動チックと音声チックを伴います。

運動チックは、不自然な身体の動きが反復して現れ、それが多発します。
音声チックは、短い音声をあげたり、意味不明な言葉を繰り返したり、時には汚言を繰り返すこともあります。

学校や家庭生活に支障が出る場合もあります。

多くは6~8歳に出現し1年以上続きます。
女の子より男の子に多くみられるそうです。


併発症として、学習障害、注意欠陥多動性障害、強迫性障害、睡眠障害などがあります。

かつては、育て方に原因がある、とか、愛情が足りないからだ、とか、

両親を責めるようなことがよく言われました。

しかし、最近の医学においては、チックは大脳の基底核の病気であり、

ドーパミン神経系の過敏から来ていると考えられるようになりました。

諸外国ではこの研究は古くからなされ、世間に周知させるとともに、その環境を整える基礎ができています。

日本では、まだまだ世間に周知されておらず、診断や治療を正しく受けられていません。

チックが起きるといまだに「家庭の問題に原因がある」

「精神的な問題」などとみなされがちで、ご両親などは苦しい思いをされている方もいらっしゃいます。

日本において、学習障害といい、注意欠陥多動性障害、

トウレット症候群といい、諸外国に遅れている部分が多々あり、

まだまだ研究すべき点は数々あると思われます。

学習障害と混同されがちなものに、「高機能自閉症」というものがあります。
文部科学省による「高機能自閉症」の定義は以下のとおりです。



3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、

言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものに

こだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。



自閉症の場合、80~90%は知的障害がありますが、

高機能自閉症は知的障害がありません。
IQは標準あるいはそれ以上であることもあります。



その判断基準は、


1、知的の発達の遅れが認められないこと


2、以下の項目に多く該当する。
人への反応やかかわりの乏しさ、社会的関係形成の困難さ
言葉の発達の遅れ
興味や関心が狭く特定のものにこだわること
その他の高機能自閉症における特徴


3、社会生活や学校生活に不適応が認められること

と、されています。



学習障害や知的障害がないため、日本の法律では障害児とみなされません。
IQが高いので障害があるということを発見されにくくなります。
IQが高いにも関わらず、自閉症児にみられるような行動を起こし、周りが戸惑うことが多くなります。
あるいは、誰にも気づかれずに大人になってから分かるということもあるそうです。


高機能自閉症が疑われる場合は専門家に判断をゆだね、

もしそうであった場合、周りの大人が理解しそのように対応することがとても大切です。

決して、「ダメな子だ。」「なぜそんなことをするのか?」など叱責しないでください。
それにより、二次障害(精神的なもの)を併発するようなことも懸念されます。

学習障害と混同されがちなものに、「アスペルガー症候群」があります。

アスペルガー症候群とは、自閉症の一種と言われます。
高機能自閉症とアスペルガー症候群をまとめて「広汎性発達障害」と呼ぶ場合もあります。

高機能自閉症とアスペルガー症候群との違いは、

専門家の間では各々見解が異なり、明確な区分は成立しておりません。


アスペルガーの人は、3つの障害が合わさっていると言われます。

1、社会性
2、コミュニケーション
3、想像力


社会性では、人の気持ちを推測したりすることが苦手です。
意思の疎通が困難であり、孤独感にさいなまれやすくなります。
コミュニケーション能力では、言葉は話せますが、一方的であったりします。
感情や情緒を表す言葉は苦手です。


想像力では、大変限定された趣味を持ったり、

変わったものをコレクションしたり、遊びの部分でかなりのこだわりを持ったりします。



視覚、聴覚等の感覚分野において、過敏になる、あるいは鈍感である場合があります。
手先の不器用、動作の不器用などがあります。
字を書くのが苦手な場合もあります。
(学習障害が現れる場合)


アスペルガー症候群の人は、自分の興味のあるものにとことんこだわり、

異常なまでに調べ上げ、相当な知識を持ちます。
それにより、社会的に活躍した人も多数存在します。

プログラマーなどのような仕事に就く人も多く、

ビルゲイツもアスペルガー症候群だと言われています。


アスペルガー症候群の人の場合、独特のこだわりをやめさせるのではなく、

活かす方向で支えてあげると、思った以上の成果を挙げることになるでしょう。

学習障害(LD)と混同されやすいものに、ADHDがあります。
英語で、Attention Deficit/Hyperactivity Disorderの略です。
注意欠陥多動性障害のことです。


ADHDは、次の3つの症状がある発達障害のことです。

学校での生活態度において以下のようなことがあります。

1、不注意 物事に集中することができない 宿題を忘れたり、学習道具をなくしたりする
2、多動性 落ち着きがない 席についていることができず、教室を歩きまわる
3、衝動性 突発的な行動を取る 順番待ちができない

これらの現れ方には個人差があります。


学習障害(LD)と、注意欠陥多動性障害(ADHD)との違いは何でしょうか?
まずLDは、学業上の問題がある、ということです。
一方ADHDは、行動上の問題であります。


LDは、学業上において定義されます。
学習障害専門家、教育療法士などが調べることが多いです。
知能テストなどで判断されます。

ADHDは、学校あるいは家庭などのふるまいによって定義されます。
それは、精神科医や、臨床心理学者などによって判断されることが多いです。

ただ、はっきりとその違いを区別することは大変難しいです。
というのも、ADHDはしばしばLDを併発しているからです。


ADHDの一番の特徴、不注意、多動性、衝動性がみられるかどうかで、

その判断がなされることが多いようです。

同じような症状が現れることもよくあるのですが、

その対処法は違って来る場合があるので、どちらかを素人が判断せず、

専門家に診断してもらうようにしてください。

学習障害の診断とはどのようにされるのでしょう?
その診断基準はどのようなものでしょう?


学習障害の診断は、専門家の元によって行われます。
まずは家庭や学校での情報を集めます。
病歴や、その生育過程、行動などをできるだけ詳しく伝えることが好ましいでしょう。

内容について、学習障害の疑いが見られれば、知能検査を行います。

知能検査は、WISCがよく使われます。

そこで学習障害が推定された時は、以下の検査を行います。
PRS
K-ABC 心理教育アセスメントバッテリー
ITPA 言語学習能力診断検査

PRSとは、行動や学習を調べるスクリーニングテストです。

K-ABC 心理教育アセスメントバッテリーとは、

子供への課題を与え、その解決法を調べる検査です。

ITPA 言語学習能力診断検査とは、

子供が課題を他の人にどう伝えるのかを調べる検査で、

コミュニケーションをどのようにとるのかを調べる検査です。

それらの検査をすることにより、学習障害である、と判断されます。


これらの検査は、学習障害である子を排除するためにあるものではありません。

学習障害ということを知ることにより、親や先生をはじめ、

周りの人々がその対応を考える原点にもなります。


「なぜあなたはできないの?」と子供のことを責め続けるのではなく、

学習障害であるからなのだ、と受け入れることから始まります。

どうしたらその子にとってうまくできるのかを導き出したり、

一緒に考えたりするように、まず周りが変わる必要がある、

ということを認識させる手立てでもあります。

検査の数値で示されることにより、親は「そんなはずは・・・。」と

受け入れを拒否できず受け入れる状況を作り出すのです。
これらは必ず専門家の手によって行われなければなりません。