ここ数日比較的涼しい日々が続いています。
生徒たちの中には長袖を羽織って通塾してくる子もちらほら。
急な気温の変化と、夏の疲れで、若干体が気だるい感じです。
みなさん、体調崩されていませんか?
さて、もう数日たってしまいましたが、
今週の月曜日8月25日に文科省が「全国学力・学習状況調査」の結果を発表しました。
その結果が26日の朝刊1面を飾っていました。
今回の目玉は、47都道府県中最下位の成績であった沖縄県が大躍進をしたことでしょうか。
小学生の「算数A」が最下位から6位になったとのこと。
その要因として、これまで全国TOPクラスの成績を出し続けてきた秋田県と教員の交流を行って、「秋田流指導」を取り入れたと記されています。
平成19年から再開された全国学力調査ですが、それ以降秋田県は常に上位の成績で、教育関係者の間では、一時期「秋田詣」が盛んに行われていました。
国際学力調査のOECD-PISAでも、上位成績を出していたフィンランドが一時期かなりの注目を浴びており、「フィンランド詣」もブームとなっていました。
現在は、その熱も、その当時と比べれば冷めているのでしょうか。
とはいえ、今回、こうして沖縄県が秋田県に示唆を受けて大躍進となったら、今回最下位層にランクした地域による「秋田詣」の復活ということにもなるかもしれませんね。
もちろん、地域の学力が、こうしたテストによって全国との比較という形で見られるのは、良いことだと思います。
あるいは、実際に小中学生の保護者のみなさんからすれば、我が子の通う学校や地区の教育状況がどのようなレベルにあるのか、純粋に知りたいと思うのかもしれません。
教育というのは、特に、知育に関しては、外見的な特徴に何か大きな変化が伴うものではありませんから、学習の成果を測るためにテストをするというのは、ある意味当然の流れ。
ただし、このブログでもくり返し書いてきていますが、そのテストが目的となってしまうと、また別の問題をうむことになるわけです。
テストとは、あくまでも学習・指導の成果を測り、今後の学習・指導の改善に資するものでなければなりません。
その意味でテストとはあくまでツールであり、手段であるわけです。
それが、いつのまにかテストが手段ではなく、目的となってしまい、「テストで良い結果をとるための学習」が学習の主役となってしまうわけです。
そうなると、入試などが良い例ですが、「テストで出ることだけを学習する」とか「テストが終わる=学習が終わる」という考えが横行してしまうことになるのです。
これは、モッタイナイ。
もう、悲劇と言ってもいいかもしれない。
全国学力・学習状況調査も、もうそういう対象となってしまっているかもしせませんね。
地域の全体的な学力水準を底上げするというのは、教育行政サイドからすれば重要な施策です。
ですが、その手法が、単にあるテストで結果を上げることにばかり注力されるものであったら・・・
それは本当に学力水準が上がったことになるのでしょうか。
そのあたりはやっぱり今一度よくよく考えておかなければいけないと思います。
それは学校教育(公教育)の現場ももちろんですが、私たちのような私教育の部類に入る塾や予備校などの教育支援機関でも同じことが言えます。
「勉強がつまらない」という人の多くは、テストという存在に辟易しています。
教科書で習うことの多くが、自分とは関係ない世界で、頭の中だけの世界で、つまり、テストの世界の中だけで通用することだと思っている人もいます。
教科書で習うことも、日々のテストや入試で問われる知識も、実は、自分の身近な生活につながることなのに・・・
教科が分かれていて、同じ世界のことを説明しているのに、それぞれを別のものだと思っている人もいます・
理科と社会、国語と英語、国語と数学、数学と理科・・・
一緒に考えるとより楽しく、より実感を伴って、より深く理解できるのに・・・
学校ではなかなか難しいんでしょうね。
以前「総合的学習」というものがありましたが、現在は「ゆとり」の反省からか、なりを潜めています。
さらに塾でも教科がきっちり分かれていて、講師も「文系」「理系」などできっちり分かれていると、なかなか教科横断的な話ができない人もいるでしょう。
そういう人の方が多いのかな。
そうなると、多くの児童生徒たちは、いつまでたっても、どこにいっても、教科書的・テスト的な学習を延々と続けなければならないことになります。
運が良ければ、心ある、力ある先生に出会えて、良い刺激をもらえるかもしれない。
そうでなければ、単に教科ごとに学習して、テストを受けて、受験をして、「つまんないけど、やんなきゃいけないものだから」と勉強を続けていく。
それで、大学生かなんかになったら、これまでのようなみんな一律の教科もなく、何となく単位はとれちゃうから、ここぞとばかりに勉強しなくなり、遊び呆けてしまう・・・
もうこれは悲劇です。
そうならないように、少しでも。
自分のまわり、自分の目の届く範囲だけでも、その大きな流れに抗い続けていきたい。
私たちが出会った子どもたちのうち、その何割かだけでも、そういう学習の価値に気づき、将来自分の子どもや次の世代へ、そうしたメッセージを発する存在になってくれれば良い。
それがわたしたちの気の遠くなるほど長期的な社会貢献の一つなのでしょう。
心ある方、私たちの思いに共感して頂ける方、ぜひ一緒にがんばりましょう。
そういう在り方の先にしか、この国の未来はないとさえ思っています。
全国学力・学習状況調査の話題から、ここまで随分と熱っぽくなってしまいました(^_^;)
そういえば、我らが神奈川県がどうだったのかというと・・・
微妙。
ほとんど平均かそれ以下といったところです。
横浜や川崎などの大都市部では全国平均以上だったようですが、県全体でみれば、多くのもので平均以下だったようです。
「神奈川県民、がんばれ!」
でも、それは単にこのテストで良い点とれってことではないよ。
ちゃんと自分の弱点が分かって、克服する努力ができるかどうかってこと。
私たちもそのお手伝いがちょっとはできるのかな。
一緒にがんばりましょう。