2014年7月7日の読売新聞夕刊の一面に、
「小中高でがん教育」
という見出しが躍りました。
日本人の死因1位である「がん」への理解を子どもの頃から深めていくために「がん教育」を推進していこうと教育内容の検討会が設置されたようです。
現在「保健」の時間に生活習慣病などとともに取り上げられているようですが、がんに焦点を絞った授業はまだまだ少ないとか。
もちろん、この手の教育が多くの人が通う「学校」という場で教えられるというのは、意味のあることだとは思います。
とはいえ、がんに限らず生活習慣に関わるものは、文字通り「実生活」と密接に関わるものです。
学校の授業という場で伝達されることが、児童生徒たちにどれだけインパクトがあるのか。
その点はきちんと考えおかなければ、単なる知識の一つとして与えられる程度では、彼・彼女の生活場の悪習慣を見直したり、意識的に生活に活かすことにはつながらないでしょう。
最悪の場合、単にテストに出されるから一応覚えるというその他多くのコンテンツと一緒になってしまう。
それじゃあせっかく「イイコト」する意味がなくなっちゃいます。
まぁそもそも、学校にあれもこれも求める動きはどうなんでしょう、というのが私の意見。
何かあると、「小さいうちから、若いうちからの教育が重要だ」なんて言われることも多くあります。
もちろん「三つ子の魂・・・」ということわざもありますが、それって乳幼児期に母から教えらえることなわけで、小学生ではもう遅いということもあります。
となると、幼稚園からとか、生まれてすぐから、とかドンドン早期化していく場合もあります。
いやいや、そもそも家庭で、家族の中で培うべき「文化」ってことが重要なのに。
すぐに「教育コンテンツ化」してしまうのは・・・。
何でもかんでも「知育化」してしまうのもどうなんでしょう。
「体で覚える」とか「心で感じる」ことももっともっと重要視されても良いでしょう。
それこそ、がんについての知識がつめこまれて終わりであるくらいなのであれば、
体の作り方などを実技を交えて行う「体育」をもっと充実させた方がどれだけ効果的か。
イスに座る姿勢や立ち居振る舞いなどの「所作」などは、
日本文化の中には古くから伝統的に組み込まれている、いわばお家芸。
そうしたことを「体で覚える」方がどれだけ有益か。
みなさんはどう思われますか?