『初めまして。宜しくお願い致します。』
まずは礼儀正しく、敬意を込めてご挨拶。
『ちょっと待ってね。
一回、頭に入れるから。』と先生は
紹介状の中身やデータをインプットする間
邪魔をしてはいけないと、
私は黙って見守る事、数分。
手元には質問ノートをスタンバイ済み。
沈黙の時間の後、
『これ、良く見つけたなー』と。
私の癌を見つけ紹介状を書いてくれた先生と
主治医はお知り合いなので
クリニックの先生を褒めていました。
私が見つけたわけじゃないけど
何故だか嬉しかった。
『でも、浸潤してるからステージ1だわな。』
画像を見ながら、フンフンと頷く先生。
その後、先生から聞かれたのは
①血族で癌に罹患した人
②今までかかった病気や手術
③今、飲んでいる薬
④生理の状況
⑤部分摘出or全摘出どう考えてるか
⑥再建についてはどう考えてるか
⑤に関して
私は、全摘出をしようと
今はそう考えているとお話しました。
反対の胸にも癌が出来る可能性は
仕方ないとして
右胸に関しては、もう癌のことで
苦しい時間を過ごすことは嫌。
放射線を受けて、再発に怯えるなら
部分よりも全摘がいい。
今はそんな気持ちでいます。
⑥に関して
私はとりあえず、再建はしない考えです。
もし、万が一
喪失感でたまらない事があれば
2次再建もできます。
再建された方にお話伺いましたけど、
それはそれで、メンテナンスや色々と
作ったら終わりじゃない事や
それなりの苦労もある事を聞きました。
とりあえず、1次再建はせずに
自分の身体と向き合ってみようと
今はそう思っていますが、先生からは
『まだ、時間あるからゆっくり考えて』と
言われました。
1次再建だと、手術はもーっと後ろに
ずれるそうです。
その後は、今後の検査予定の日程調整。
①骨シンチ
②造影MRI
③造影CT
この3つを3日間に分けて
9月中旬にやるとの事でした。
CTと骨シンチは未体験。
正直、MRIはめちゃくちゃ苦手。
でもやるしかないので、やりますけど。
そうゆう事でまたここから1ヶ月くらい
空白の時間は続くのでした。
試しに
『あのー、手術ってもっと早く出来たり
しませんよね?』と聞いてみましたが
『うん。出来ないね。』と
あっさり断られました。
了解です。ここからあと2ヶ月は長い・・・
診察の最後に、
椅子ごとくるりと身体をこちらに向けて
『これから一緒に頑張っていきましょう』と
言って頂き、深々とお礼をし
『宜しくお願い致します。』と
診察室をあとにしました。
扉を開けると、すぐ前の椅子に
見るからに耳をダンボにして
中の様子を伺っている
Yちゃんがいました。
ひとまず、前進しました。
先生に会えました。
検査までまた待ちの日々だけど
1歩進めただけ良かった。
検査日という目標が出来て
良かった。
気持ちの波は上がったり下がったり。
現実味は増したけど、こうやって
徐々に覚悟が出来ていくんだと思います。