今シーズン今まで全く気が向かずにエンジンすら掛けないでいましたが、シルバーウイークに気持ちよさそうに走るバイクを見て久しぶりにApeに乗ってみました。
やっぱりバイクは良いな~と思いながらしばらく乗っていましたが、片押し2ポッドのフロントブレーキのキャリパーのスライド機構が固着したままです。
この症状は去年から気づいていましたが、前回余りにもお金を掛けて整備し過ぎたので手が出せずにいました。
(どうせ私のバイクじゃないし)と放っておくつもりでしたが、ブレーキを引きずった状態なので走った後にブレーキディスクが触れないほどの温度になっています。
ハードブレーキングしていないにも関わらずキャリパーも高温になっています。
久しぶりのバイクが気持ち良くてツーリングに行きたいのですが、このままの状態で走るのは余りにも危険なのでどうにかすることにしました。

ヤフオクで手に入れたマスターとキャリパーのセット、何用かは不明ですが見た感じで付きそうだったので落札。
マスターはジャンクなのでキャリパーだけ使います。

分解して水洗いしたところ

画像のみの判断で落札した右のキャリパー、左は今まで使用していたもの。
ほとんど見た目が一緒なので内部パーツを良いとこ取りで組もうと考えていましたが、ピストン経やスライドピンのネジピッチなど違いが多くて結局バラしたものを洗浄して組み直しました。
ヤフオクで手に入れたものの方がキャリパー本体が80gほど重く剛性が高そうです。

キャリパーステーだけはApeに使っているNS-1のフォークに合わなかったので、今までのキャリパーから取り外して流用しました。

【CD-F025】
パッドは互換性があったのですが今まで使っていた赤パッドはかなり減っていたので、付いてきたものを使うことにしました。
こちらは八割ほど残っていました。使ってみるとかなりガッチリと効くパッドでラッキーでした。

仕事から帰ってきてから宅急便で届いたモノをオーバーホールして組み付けて21時前。
「まだ大丈夫かな・・」ダブルの革ジャンにネックウォーマー、ブーツを履いて準備する。
妻には一言「出かけてくるよ」と。
ハーっと息を吐くと白い吐息が夜の闇に溶けていく。
チョークを引かずにキックを3回でエンジン始動。
探るように走ってブレーキが効くのを確かめる、目指すは15km先にある道の駅。
街灯が少なく暗い国道をハイビームで切り裂きながら突っ走る。
先行する大型トラックに追いついた、こちらの方がペースは良いがこのバイクでは簡単に抜ける相手ではない。
ブラインドの右コーナーを二つ抜けた先に短いストレートがある、仕掛けるならそこだ。
ブラインドコーナー一つ目に差し掛かる少し前、スピードを落として車間を広げる。
コーナーを抜けたらギアを2段落として加速する、フルスロットル。
スピードを殺さないようにノーブレーキで二つ目のコーナーに飛び込む、車間はドンドン詰ま
る。
コーナーを抜けてストレートに差し掛かる、対向車は無い、一気に仕掛ける。
対向車線に出て追い抜きにかかるとトラックは抜かせまいとセンターラインを超えて寄せてくる。
ギアは5速、パワーバンドに入ってフルスロットルのバイクは加速をやめない。
パスしてもなお加速してトラックを引き離す。
短いストレートが終わり大きな左カーブの橋に入る、ジャンクションで暴れるバイクを下半身でしっかりとホールド、上半身はリラックスさせて深く車体を傾ける。
こんな気持ちでバイクに乗れるなんて10年以上前に戻った気分だ!!
途中にある気温計は10度を表示していて、居待月が横からケタケタと笑いかけてくる。
長い直線に差し掛かったところで最高速アタック、上体を伏せてゆっくりと上がるスピードメーターを睨みつける。
タコメーターは1万回転からゆっくり右に、90、91km/h・・・
1万5百回転、レブリミットを告げる黄色い警告灯か振動に合わせるようにチカチカ瞬くころスピードメーターは93km/hを表示してた。
道の駅に着いてキャリパーとローターに触れる、以前のような高温になっていないことを確認してに息をつく。
甘いホットの缶コーヒーを飲み干して帰路に着いた。

バックステップとステアリングダンパーがあればもっと攻められるなあ・・・
自分のバイクが欲しいなぁ・・・無理だな。