※2024年10月に開催されたオフセッションキャンペーン卓(全10回)の第2回シナリオです。
※前半・後半の2セッションに分かれています。
※後半シナリオは前編・中編・後編の3パートに分かれています。
前半「研究者の手記」
後半「貧民街の調査」
※作成レギュレーション6-7(23000経験点、24000G、250名誉点、13回成長)
→ルールブックⅢ72,74頁参照
◯必要なもの
ソード・ワールド2.5ルールブックⅠ〜Ⅲ
キャラクターシート
筆記用具
ダイス
◯GM向け記載事項
◯シナリオNPC(アリアドネ)
◯サンプルキャラクター(4人)
以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
〇研究者の手記(S3)
想定PL人数:2人~4人
※3人以下の場合、下記のような裁定を適用する
アリアドネ(ゆとシート)を各種判定(魔物知識判定・先制判定を含む)に参加させる
※2人の場合、下記のような裁定を適用する
アリアドネ(ゆとシート)を含む3人で戦闘を開始する
○サンプルキャラクター組み合わせ例
2人:フェリクス、フィンセント、アリアドネ(フェロー)
3人:フェリクス、フィンセント、セシリア
4人:フェリクス、フィンセント、セシリア、アシュリー
〇シナリオの概要
ブルライト地方の森林地帯の奥地に、希少種の薬草が採れる水源地帯があるという。そこに自生する貴重な薬草は高値で売れるため、ギルドが買い取りを約束してくれるようだ。
森の奥へは、現地で調査を続けている植物学者が案内してくれるだろう。まず現地の研究施設で彼に接触し、詳細を聞いてほしい。
〇シナリオの流れ
1 プロローグ
2 植物学者
3 遭遇戦
4 探索
5 肉食獣
6 エピローグ
1 プロローグ
多くの冒険者が集う街、港湾都市ハーヴェス。
時刻は早朝。最近はギルドへの依頼が少なく、暇を持て余しています。そこに、アリアドネがやってきてまだ寝ている皆さんに言います。その手にはブブゼラを持っています。
アリアドネ「おはよう!みんな起きて!!新しい依頼があるみたいだよ!!!」
皆さんは起きて下さい。話に続きがあるようです。
アリアドネ「この地方の水源地帯に、希少種の薬草が採れる地域があるんだって。病気に効くから、ギルドが高値で買い取ってくれるらしいよ。それが報酬だって。早い者勝ちだよ」
詳細な依頼内容は以下の通りです。
・依頼内容は水源地帯で調査を続けている植物学者グレゴール(51歳、人間の男性)の護衛
・危険な野生動物や蛮族の生息する地域であり、実績のある冒険者に護衛を頼みたい
・固定報酬はあまり出せないが、高価な薬草の群生する地域を教えてくれる
・依頼主は著名な研究者であり、群生の情報に関しては信頼できる
・乱獲を防ぐため、場所については我々の間で秘密にしてほしい
・依頼主の目的は、水源地帯で未発見の植物の調査を行うこと
・報酬は1人あたり500G+成果報酬(薬草)
・薬草は1本あたり500Gでギルドが買い取ってくれる
すぐ出発すれば目的地の研究施設には夕方頃に着くことができるでしょう。施設で宿泊できます。他に依頼はなく、この依頼は早い者勝ちです。
あなた達が依頼を承諾すると、マスターはこう言います。
マスター「依頼主の植物学者は多忙で、ギルドに来たのは彼本人ではなく、彼の助手だ。助手によるとグレゴールはここ半年間家族の元に帰っていないらしく、連絡は手紙で済ませているそうだ。仕事熱心なのは結構なことだが、家族も大事にした方がいいと思うな、俺は」
2 植物学者
※グレゴールの正体について
正体はオーガ(Ⅱ377頁)です。本人は死亡しており、オーガが成り代わっています。蛮族であるためバニッシュ等の魔法に反応します。この場合、即座に戦闘(4-4 正体看破)に移行します。
日が沈む頃、皆さんが水源地帯の近くの研究施設に着くと、髭を生やした男性が出迎えてくれます。
グレゴール「よく来てくれた。わしが依頼主の植物学者、グレゴールじゃ。出発は明朝、夜は危険な野生動物が出るからの」
都市から離れているこの施設は守りの剣の影響が不十分で、蛮族やアンデッドも出没します。
施設には宿泊棟があり、受付の女性に1人30Gまたは救命草1本を渡すと宿泊できます。
皆さんは眠りにつこうとした時、受付の方から会話が聞こえてきました。聞き耳判定(スカウト、レンジャー+知力B)をどうぞ。
【達成値10以上】
男女2人が会話しているのが聞こえました。
【達成値14以上】
最近、この近くで大型の蛮族が出たという噂があるようです。
【達成値18以上】
その噂をグレゴールに話したところ、特に驚く様子はなかったとのことです。
朝日とともに、グレゴールが皆さんの泊まっている部屋へやってきます。
グレゴール「出発じゃ。これを持って行くとよい」
あなた達は、グレゴールから1人救命草1d本を受け取ります。
3 遭遇戦
生い茂る森の中を、植物学者に連れられて進みます。目の前に突然、大型の猿が現れました。目標値13/16で魔物知識判定をどうぞ。
〇フォレストコング(Ⅱ397頁)×(人数 - 1)
〇剣のかけら
各5個(HP91、MP19、生命抵抗力12+2d、精神抵抗力10+2d)
戦闘開始です。目標値14で先制判定をどうぞ。
〇戦闘後
敵対勢力消滅です。お疲れさまでした。
〇戦利品表
2-6:150G(赤A)
7-:450G(赤A)
4 探索
大型の猿を倒した皆さんは、森を出て草原に出ました。グレゴールが言います。
グレゴール「このあたりに例の薬草があるはずじゃ。探してみようかの」
右、前、左の3カ所に草むらがあります。探索(スカウトorレンジャー+知力B)が可能です。
右の草むら→4-1へ
奥の草むら→4-2へ
左の草むら→4-3へ
4-1 右の茂み
【自動】
まず、あなた達は薬草を1人一つずつ見つけることができました。
【達成値14以上17以下】
あなた達は、追加で薬草1d本を見つけることができました。
【達成値18以上】
あなた達は、追加で薬草2d本を見つけることができました。
※目標値14に成功したキャラクターがいる場合
アリアドネ「誰かの手帳が落ちているよ!交易共通語で書かれているみたい」
中を開くと、半年前まで予定が書かれていました。では、異常感知判定をどうぞ。
14以上:手帳に血痕がついていることが分かりました。
グレゴール「わしが落としたものじゃ、拾ってくれたのか」
※以前ここまで来たのかと尋ねると「そうじゃ、危ないと思い引き返したのじゃ」と返事をします。
血痕について尋ねた場合、一瞬目を逸らすような素振りを見せます。真偽判定(冒険者レベル+知力B)が可能です。
14以上:あなた達は彼が何かを隠していると感じました。
18以上:あなた達は人族になり代わる蛮族がいることを思い出しました。
※プレイヤーがグレゴールの正体を疑う発言をした場合、目標値14で真偽判定に成功すれば、魔物知識判定が可能です。判定を行っただけでは戦闘になりません。
※バニッシュ(神聖魔法)等の魔法を行使した場合は、戦闘となります。攻撃をしなければ、戦闘になることはありません。
4-2 左の茂み
【自動】
まず、あなた達は薬草を1人1本ずつ見つけることができました。
【達成値14以上17以下】
あなた達は、追加で救命草2d本を見つけることができました。
【達成値18以上】
あなた達は、追加で魔香草2d本を見つけることができました。
4-3 奥の茂み
草むらを分け入って進むと、奥に古びた宝箱が見えます。開けますか?(または調べますか?)
では、開ける(調べる)人は危険感知判定を行って下さい。
18以上:鍵が壊れて顔をめがけて破片が飛んできましたが、間一髪で避けることができました。
17以下:開けようとすると突然鍵が壊れて、顔に直撃しました。2d点のダメージをどうぞ。
宝箱の中身はひらめき眼鏡(Ⅰ337頁、売却価格2000G)です。
また、探索を行う場合、結果は以下の通りです。
【自動】
まず、あなた達は薬草を1人1本ずつ見つけることができました。
【達成値14以上17以下】
あなたは、追加で1d点魔晶石を見つけることができました。
【達成値18以上】
あなたは、追加で2d点魔晶石を見つけることができました。
4-4 正体看破
※グレゴールに対して敵対的な行動を取った場合、即座に戦闘開始となります。なお、彼が蛮族ではないかと問い詰めるだけでは、戦闘にはなりません。魔物知識判定を行った後でも同様です。
グレゴール「戦うつもりはなかったが、仕方ないのう」
彼はそう言うと、3mを超える蛮族の姿(Ⅱ372頁)へと変化します。
(まだ魔物知識判定を行っていない場合は)目標値12/15で魔物知識判定をどうぞ。
〇オーガ(Ⅱ377頁)
〇剣のかけら
5個(HP83、MP35、生命抵抗力11、精神抵抗力10)
戦闘開始です。目標値14で先制判定をどうぞ。
〇戦利品表
2-8:100G×1d
9-12:150G×1d(赤A×1d)
13-:剣のかけら×3
また、彼は希少種の薬草の群生地までの地図および薬草12本(群生地に到着してから戦闘を開始した場合のみ)を所持しています。
グレゴールに戦闘能力がないという話は嘘です。本来なら、野生動物に襲われた後で追い剥ぎをするためにあなた達を雇っていました。
また、計画が失敗しても彼も薬草を集めていたので赤字にはならない予定でした。
依頼主が人に化けた蛮族であることが判明したため、依頼の達成条件は希少種の薬草の納品に変更となります。また、手元には、亡くなった研究者の手帳が残されています。
手帳には、家族の元に帰る予定が記されていました。しかし、彼は蛮族に襲われて亡くなったため、家族の元に戻ることはありませんでした。
※シナリオクリアまでに「手記を家族の元に届けよう」と発言したプレイヤーがいれば、遺族からの感謝の手紙が届き、謝礼として全員の報酬に500Gが追加されます
5 肉食獣
探索を終えて研究所に戻ろうとしたその時、アリアドネが小声で皆さんに言います。
アリアドネ「みんな隠れて!肉食獣がいるよ!」
皆さんは隠れて下さい。茂みから覗くと、大きな牙を持つ肉食獣が獲物を探しています。この猛獣に心当たりがあるかもしれません。目標値14/18で魔物知識判定をどうぞ。
〇サーベルタイガー(Ⅱ397頁)×(人数 - 1)
知名度14、弱点値18
〇剣のかけら
各5個(HP88、MP18、生命抵抗力12+2d、精神抵抗力10+2d)
戦闘開始です。目標値17で先制判定をどうぞ。
〇戦利品表
2-6:100G×2 (赤A×2)
7-12:200G×2(赤A×2)
13-:600G×2(金赤A×2)
戦闘を終え、無事に研究施設へ帰還することができました。ギルドへ戻ると依頼完了です。
6 エピローグ
ギルドに戻ると、希少種の薬草を1本500Gで買い取ってもらうことができます。
このシナリオは、展開によってエンディングが異なります。
○換金アイテム
条件:500G×本数
6-1 正体看破成功
※マスターに報告する様子についてロールプレイを挟むこと
冒険者ギルドに護衛を要請した研究者の正体は、その人間の生前の姿に成り代わったオーガでした。マスターは真相を知ってとても驚くでしょう。
マスター「確かに、最初からおかしいと思うべきだったのかもな。半年も家族の元に戻っていないんだろう?蛮族が成り代わっているのなら守りの剣の影響を受けるから、そもそも帰れないんだ。遺族には彼が亡くなったことが伝わっているだろう」
最後に、アリアドネが言います。
アリアドネ「もし私たちに万が一のことがあったらと思うと・・・故郷の家族に何を伝えるのか、考えておくべきかもね」
6-2 正体看破失敗
あなた達は無事に依頼を終え、ギルドに戻ってマスターに報告します。約束通り、報酬を受け取って希少種の薬草を1本500Gで買い取ってもらいます。アリアドネが呟きます。
アリアドネ「研究者のおじさん、どこか怪しい気がしたんだけど・・・気のせいかな?」
皆さんの中に、グレゴールについて疑問に感じる人がいたかもしれません。しかし、結局彼の正体は分からないまま、ギルドへの依頼を待ち望みながら再び休暇を迎えるのでした。
〇基礎報酬(1500経験点、1成長)
条件:希少種の薬草を最低1本納品している
〇追加報酬(+1500経験点、+1成長)
条件:グレゴールを撃破している
〇追加報酬(+500G)
条件:オーガを撃破していない
または
条件:オーガを撃破し、手帳を遺族の元に届けようと提案している
○名誉点(人数による調整)
3人:+35
次回