Dante Alighieri②『神曲』<原文で読む古典の楽しみ>イタリア語 | Laylahの猫足イタリア語

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らいらです。「NHKまいにちイタリア語」でのやり直しイタリア語の学習記録をぺたり♪イタリア語で伝える愛の言葉・愛の表現もどうぞ☆

ひらめき電球今日覚えた使えるイタリア語



右矢印前回のDante Alighieri①はこちら


 
がんばって聴いてみたら、わかる単語もそれなりにあってほっとしたイタリア古典文学。白崎容子先生の「原文で読む古典の楽しみ」。今日はダンテ『神曲』の2回目をディクテーションしましたネコ



くーさん 白崎容子先生のセリフ

パパ Marcoさん(斜体字)のセリフ

(スクリプトがなく答え合わせもできないのですが、学習の記録としてディクテーションに挑戦したものをそのまま載せています。
途中の猫まーく(ネコ)は私の感想です)






本 原文で読む古典の楽しみ

  
黎明期からルネサンス時代のイタリア文学
   Quattro passi nella letteratura classica italiana



右矢印イタリア古典文学作家6人の作品を通して、現代とは異なる黎明期からルネサンス期のイタリア語の響きを楽しみ、魅力に触れ、気に入った一篇を口ずさめるようになるのが、この講座の目的の1つ。





10月6日放送分
Lezione2 Dante Alighieri②




La letteratura italiana delle origini e del Rinascimento
黎明期からルネッサンス時代のイタリアの古典文学




くーさん 今日も引き続きダンテの『神曲』«地獄篇»の第1歌、1つ目の詩です。

第1歌の冒頭でダンテは…



パパ Dante si è perso in una buia foresta. È stata una esperienza terribile.


くーさん 暗い森に迷い込んで、すごく怖い思いをしたと言っていましたね。この同じ部分を、まずはもう一度聴いてみましょう。



Nel mezzo del cammin di nostra vita
mi ritrovai per una selva oscura
ché la diritta via era smarrita.



(以下略)



くーさん  内容は前回見たので、今日は早速トピックに入りましょう。





本 今日のトピック




Metrica della Divina Commedia 『神曲』の韻律



くーさん 『神曲』は韻文、つまり詩としての法則、韻律に従って書かれています。韻律についてキーワードを3つ押さえておきましょう。


まるあか 3行詩 terzina (o terza rima)


3行ごとに1つのまとまりになっているということ。このまとまりを「3行詩」と呼びますが、イタリア語ではterzina とか terza rima と呼びます。


例えば、


Nel mezzo del cammin di nostra vita
mi ritrovai per una selva oscura,
ché la diritta via era smarrita.


この3行でひとつのまとまり、1つの terzina です。



2つ目は、


まるあか連鎖韻  rima incatenata


incatenata 鎖でつながれた

rima 脚韻



鎖でつながれた脚韻ということで連鎖韻と言います。

最初の3行詩 terzina それぞれの行の最後の単語に注目しましょう。



vita

oscura

smarrita



2行目と3行目が ita と韻を踏んでいます。便宜的に ita という音をアルファベットのAとして、脚韻Aと呼ぶことにします。


2番目の terzina は、1行目が dura、3行目が paura となり、ura と韻を踏んでいます。

前の terzina の2行目も oscura ですので、ura という音ですね。1番目と2番目の terzinaura という同じ脚韻でつながれています。ura をアルファベットのBとして脚韻Bと呼びましょう。


3番目の terzina はどうでしょう。

1行目が morte、3行目が scorte、どちらも orte ですが、これはその前の terzina の2行目の forte とも orte が同じ音です。orte を脚韻Cとしましょう。

そしてこの terzina の3行目は trovai、初登場の音 ai これは脚韻Dとします。

3つの terzina が A B A B C B C D Cのように韻を踏んで、まるで鎖の輪が順番につながっていくみたいですね。脚韻が最後までずーっとこのように連なって、全体が1本の鎖のようになるんです。これが鎖でつながれた韻律 rima incatenata なんです。

『神曲』は全部で14,233行、これが全部この法則に従っているんですよ。



パパ Questo è uno degli aspetti più straoridinari dell'opera di Dante.


くーさん すごいですよね。ダンテってどういう頭してたんでしょうね。

もっとも、こういう法則があるから語順も変わるし、意味をとるのに私たちは苦労するわけですけれど。ここまできれいに揃えるってすごいですよね。



さて、もう1つのキーワードは?



まるあか11音節詩行 verso endecasillabo



『神曲』は1行が11の音節でできています。もちろん、14,233行全部です。これにもびっくりですよね。


パパ Sì, veramente.


くーさん ここで、音節って一体何なの?ってことになりますよね。

基本的に1つの母音が1つの音節を作るのですが、母音の文字が2つあっても、それが二重母音なら音節としては1つ、また2つの単語に分かれていても、音節としては1つにまとまる場合もあります。音節の具体的な区切り方はテキストを参照してくださいね。

それで、韻律とか音節が何のために必要なのかっていうと…


パパ In poesia il ritmo è molto importante.


くーさん そうですね。詩ではリズムがとっても大切だからなんです。


1行のどこにアクセントがあるか、それによってリズムが決まってきます。音節はそのために欠かせないものなんですね。

例えば、この前一緒に発音した1行目、


Nel mezzo del cammin di nostra vita


ここ( camminivitai )が強く聞こえましたよね。音節で言うと6番目と10番目です。


ちなみに2行目は?


mi ritrovai per una selva oscura


ritrovai vaiselvaseloscurascu、この3ヶ所にアクセントがありました。4番目と8番目と10番目の音節です。


アクセントの位置は行によっていろいろですが、最後から2番目、つまり10番目の音節(11行音節詩行なので、最後から2番目は10番目になる)には必ずアクセントが置かれるということを覚えておきましょう。

では、脚韻とアクセントが作り出すリズムに注意しながら、9行を通して、もう一度聴いてみましょう。

特に前回お話した5行目の selva selvaggia のところ、クレッシェンドの迫力をお聴き逃しのないように。




くーさん ところでマルコさん、『神曲』に初めて出会ったときのことを覚えていますか?


パパ Sì, ed è stato molto impressionante perché io questi versi li ho letti per la prima volta alla scuola elementare.


くーさん え?小学校ですか?


パパ Sai, io sono di firenze e il nostro maestro amava molto Dante.


くーさん ああ、先生がダンテマニアでいらしたんですね。フィレンツェ出身のマルコさんは、小学生で "Nel mezzo del cammin" なんて口ずさんでいたわけですね。

パパ Sì.


くーさん 3行詩、連鎖韻、11音節、そんなことにも注意しながら、皆さんも口ずさんでみてくださいね。



では、2つ目のトピックです。



まるあかLa struttura del mond dell'aldilà 冥界(あの世)の構造



『神曲』に描かれた冥界(あの世)

冥界は、


Inferno 地獄

Purgatorio 煉獄

Paradiso 天国


この3つに分かれています。


作品としての『神曲』では、


パパ La prima parte, l'Inferno, comprende trentaquattro canti di cui il primo funziona come introduzione.


くーさん 第1部が«地獄篇»、34の詩で構成されています。


第2部の«煉獄篇 Purgatorio»と第3部の«天国篇 Paradiso»はそれぞれ33の詩。合計100の詩からできています。


パパ Pensate la grandezza di questo poema.


くーさん大作ですよね。


パパ L'Inferno dove ci sono le anime chi ha peccato in modo grave.


くーさん 地獄には、生前、重い罪を犯した人というか、その魂がいます。地獄と天国の間にある Purgatorio 煉獄、これはカトリック教会に引き継がれているキリスト教の教義で、天国に入る前に罪を清める場所です。
地獄だと救われる見込みはないのですけれど、煉獄なら罪の償いをして天国に行ける望みがあるんですね。

1300年、復活祭の少し前に旅を始めたダンテは、地獄、煉獄、天国の順に巡りますが、


パパ Vediamo un po' dove si trovano l'Inferno, il Purgatorio e il Paradiso.


くーさん その位置関係はというと、まず地獄が地球の中心に向かってすり鉢状に伸びています。

地獄の下まで降りてから、地球の反対側の地上に出ると、そこは山の形をした煉獄。煉獄の山をてっぺんまで昇ると地球を取り囲むように天国が広がっています。

地球が丸いということは知られていたんですね。


パパ Si sapeva già da lungo tempo che la Terra è rotonda. Ma si credeva ancora che il sole con tutti pianeti girasse intorno alla terra.


くーさん ああ、そうなんですね。でもまだ地動説ではなくて、天動説の時代でした。



さて、ダンテは今地獄の入り口に近い暗黒の森にいます。«地獄篇»の冒頭、第1歌と第1歌、2つの歌の舞台です。


暗黒の森の地獄の入り口には、


パパ C'è la porta dell'Inferno.



地獄の門があるんですね。


パパ E c'è la scritta che finisce con le famose parole.


くーさん この門に刻まれた文言の最後の言葉も、実は有名です。


パパ Lasciate ogni speranza, voi che entrate.


くーさん 『この門を入るおまえたち、あらゆる望みを捨てよ』

怖いですね。でもとっても有名だし、せっかくなので発音してみましょう。よかったらこれも覚えて、場所を選んで使ってみると凄みがきくかもしれませんよ。


パパ Eh, sì. Bene. Adesso vediamo un po' come l'Inferno al suo interno.


くーさん 地獄の中をちょっとだけ覗いてみましょうか。

地獄の門を過ぎると、圏谷 Cerchio と呼ばれるスペースが円周を描きながらすり鉢状に下へしたへと下降していきます。下へ行くほど罪の重い人がいます。

まず一番上ですが、


パパ Per primo troviamo l'Limbo. È il primo Cerchio, cioè la prima parte dell'Inferno.


くーさん リンボ、辺獄と呼ばれる最初の cerchio 。ここにいるのは幼くしてなくなった子ども。古代の人など。


パパ I non cristiani, però nella vita sono stati uomini giusti. 


くーさん 罪は犯していないけれどキリスト教の洗礼を受けていない亡霊たちがいます。

そのすぐ下には、


パパ Ci sono l'lussuriosi.


くーさん 道に外れた恋に走った者として、フランチェスカ・ダ・リミニが道ならぬ恋の相手パオロと一緒に突風に吹かれています。チャイコフスキーをはじめ、後の芸術家たちが競って作品に取り上げましたね。


パパ La storia di Paolo e Francesca è così bella e commovente, anche secondo me è uno dei episodi più belli. Forse è più bello.


くーさん パオロとフランチェスカ、マルコさんも一押しのエピソードのようですね。

ダンテもすごく同情して気の毒に思うあまり、気絶してその場にどばっと倒れてしまうんです。けっこうかわいいところがあるんですよね。ダンテって。

地獄にはなんとローマ教皇たちもい入れられているし、プッチーニが楽しいオペラにしたジャンニ・スキッキが驚くほど下のほうにいたりします。

意外な人が思わぬところにいる«地獄篇»、こんなことを言ってはバチが当たりそうですが、«煉獄篇»や«天国篇»よりもはるかに面白いです。


今日は詩の韻律と地獄の中をちょっとだけ覗いてみました。

次回は森に迷ったダンテが、その後どうしているか、続きを読みましょう。


パパ Non vedete l'ora, vero?


くーさん お楽しみに!





ヘッドフォン 白崎容子先生くーさんMarcoさんパパのセリフ(斜体)は例によりディクテーションしました
 (スクリプトがなく答え合わせもできないのですが、学習の記録としてディクテーションに挑戦したものをそのまま載せています)。



メモまいにちイタリア語2017年10月号応用編より
原文で読む古典の楽しみ
黎明期からルネサンス時代のイタリア文学
Quattro passi nella letteratura classica italiana

Lezione2 Dante Alighieri②



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