先週の障害戦は土曜日に重賞のみ1鞍でした。
障害未勝利戦がなかったのでこちらの更新はお休みでした。

今週は土曜日に阪神でOP平場、日曜日に東京で未勝利戦が
組まれています。


・6月22日(日)東京1レース ダ3000m 発走10:10
(栗東)
テーオーサンドニ
→96秒0 6/5・小野寺【ダ/中】

日曜日の東京での未勝利戦の初障害馬は関西馬1頭です。

2024年のテーオーサンドニは4走でしたが、うち2走は海外。
昨年は2度のアメリカ遠征を経験しました。
前走は3月のアラブ首長国連邦での重賞に挑戦しましたが
帰国初戦がこの障害未勝利となります。
この馬の2歳上の兄、ポールトゥウィンは2023年3月に入障。
その初戦から2着と好走し、2戦目で勝ち上がりました。
試験タイムの96秒0はかなり早い時計でした。
何度も書いていますが、「試験タイムが早い≠即通用」です。
2022年以降に96秒0で合格した馬は3頭。
トップウイナーは新潟で3着。
メイショウキリモンは新潟で6着。
プリモスペランツァは小倉で6着。
テーオーサンドニはどうなるでしょうか。

ダービーが終わって、2歳新馬戦が始まりました。
最近は育成や馴致が早まっている影響なのか、早い時期の
新馬戦を使った馬が、後々まで活躍することも多くなりました。


一方で日曜日には安田記念が行われ、ジャンタルマンタルが勝利。
2歳・3歳・4歳と連続でG1を勝つことで、早熟説を一蹴。
昨年暮れの香港マイル13着からの巻き返しを図りました。

障害戦は未勝利が2鞍。
土曜日は東京、日曜日は阪神で行われたレースを回顧します。


・6月7日(土)東京1レース ダ3000m
(美浦)
スカパラダイス
→14人気/11着
マーゴットメネス
→13人気/中止
ウェイトゥザドーン
→10人気/中止
(栗東)
ヘザルフェン
→8人気/10着

勝ちタイム:3分27秒3(晴・芝:良/ダート:良)

初障害の2頭が競走中止となりましたが
どちらの人馬とも、異状なしでした。

鷲頭虎太騎手が障害戦の騎乗20戦目で初勝利を挙げました。
勝ったのは5番人気のジオフロントでした。
2周目3コーナーで3番手、最終コーナーでは先頭に並びかける
積極的な騎乗で、逃げ馬を振り切り、2着馬に詰め寄られるも
ハナだけ残しました。3キロ減も大きかったと思います。
飛越も良かったですし、好レース・好騎乗でした。

2番人気のプラチナトレジャーがハナ差の2着。
道中は上手く脚を溜めて、ラストもしっかり伸びていましたが
勝ち馬は3キロ減だったこともあり、残られてしまいました。
飛越については、鞍上の伴啓太騎手が
「飛ぶときに上に飛越してしまい、飛ぶたびに半馬身は遅れた」
とコメントしたように、飛越ごとに後れを取っていました。
このあたりが改善されるかが、鍵だと思います。

3着はコンクエストでした。
スタート直後は2番手、スタンド前でハナに立つとペースを落として
マイペースの逃げ。最後の直線でもバタっとは止まらずに
逃げ込みを図りましたが、残り200mで脚が鈍りました。
今回はチークピーシーズ着用でしさが、効果もあったという
コメントを石神深一騎手がレース後に話していました。
兄は障害重賞勝ち馬のトゥルボー、好走する下地はある馬。
次走は馬体がシボれていると良いかもしれません。

4番人気のスペクトログラムは7着でした。
1枠1番から出て、インコースをロスなく追走していましたが
ラストも伸び切れず、流れ込むだけの内容でした。
小牧加矢太騎手が騎乗していることもあり、人気先行にも見えます。
引き続き小牧加騎手が継続騎乗だったとしても、次走は軽視したいです。


・6月8日(日)阪神1レース ダ2970m
(美浦)
ゴールデンスロープ
→9人気/3着
(栗東)
メイショウカゲカツ
→8人気/8着
テイエムデンセツ
→11人気/10着

勝ちタイム:3分20秒8(曇・芝:良/ダート:良)

日曜日の阪神での未勝利戦で勝ち上がったのは
2番人気のサンダーアラートでした。
小倉・新潟とタイプの違うコースで連続2着と、レースを覚えており
今回の阪神コースでも安心して見ていられる内容でした。
相手は人気を集めたタマモエースに絞ってマークする乗り方をした
上野翔騎手の好騎乗もあった、見事な勝利でした。

1番人気のタマモエースが2着でした。
インをロスなく立ち回り、飛越も危ないところはありませんでした。
上手にレースをこなしましたが、勝ち馬にはそれ以上に巧く乗られました。
もう《順番待ち》という状況は変わらないと思います。

初障害のゴールデンスロープが3着に入りました。
流れに乗りながら、飛越もまずまず。何回か雑な飛びもありましたが
初めての障害戦とは思えないスムーズな追走でした。
上位2頭には離されましたが、センスが垣間見えた一戦だったと思います。

4着イグニスは逃げる展開に持ち込みました。
スムーズにハナに立ち、良いペースで飛越も問題ありませんでしたが……。
最後の直線がダートというのは、マイナスだったようで
石神深一騎手も、最後は芝の方が良いとのコメントが。
次は置き障害のローカル開催となれば芝で走ることが出来ます。
そこでも単騎で行ければ、好勝負できると思います。

ダービーが終わりました。
今週からは2歳新馬戦も始まり、クラス編成も「3歳上」となります。
障害戦も同様ですが、3歳馬が出走してくるのは
まだもう少し先だと思われます。

今週の障害戦は土日とも1レースに組まれた未勝利戦です。


・6月7日(土)東京1レース ダ3000m 発走10:05
(美浦)
スカパラダイス
→116秒9 5/15・五十嵐【芝/中】
マーゴットメネス
→115秒9 5/22・水沼【芝/短】
ウェイトゥザドーン
→115秒9 5/22・草野【芝/-】
(栗東)
ヘザルフェン
→97秒2 5/22・森一【芝/-】

土曜日の東京での未勝利戦の初障害馬は4頭です。

2022年の夏の小倉でのデビュー戦で新馬勝ちをしたスカパラダイス。
1勝クラスを勝ち上がれず、2024年には栗東の寺島良厩舎から
美浦の大和田成厩舎に転厩しています。
父はシルバーステート。ケガの影響で5戦4勝で引退しました。
産駒はまだ障害戦での勝ち星はありません。
シルバーステート産駒の障害馬といえばアルカンサスが
すでに障害で26戦、走っています。

平地11戦1勝のマーゴットメネス。
未勝利を勝った後の1勝クラスでは大きい着順が大きく
このタイミングで入障となります。
管理する伊坂重信調教師は2020年に開業。
これまで障害戦では5勝を挙げています。
障害で2勝を挙げているパーリーブラックが厩舎にはいますが
この馬の初障害戦に騎乗したのが水沼元輝騎手でした。
伊坂厩舎の馬に水沼騎手が乗ったのは過去に5戦ありましたが
まだ馬券圏内に来たことはありません。

平地で10戦走ったものの、勝ち上がれなかったウェイトゥザドーン。
父はジャスタウェイ。産駒の東京コースでの障害戦成績は
モサとビートザレコードの2勝です。
試験は草野太郎騎手が合格させましたが
レースでは金子光希騎手が騎乗する予定です。

外国産馬のヘザルフェン。父のゴールデンホーンは
ケープクロス~グリーンデザート~ダンジグと続く血統です。
管理するのは昆貢調教師。「マテンロウ」や「ヒルノ」の
冠名の馬を多く管理していますが、厩舎の直近の障害戦勝利も
2018年10月のヒルノマゼランです。


・6月8日(日)阪神1レース ダ2970m 発走09:50
(美浦)
ゴールデンスロープ
→113秒5 5/15・大江原【芝/-】
(栗東)
メイショウカゲカツ
→100秒6 5/22・難波【ダ/中】
テイエムデンセツ
→100秒2 5/29・井上【ダ/中】

ゴールデンスロープは昨年11月以来のレースとなりますが
この休養期間に去勢され、セン馬として入障となります。
障害試験を合格させた大江原圭騎手がレースでも騎乗します。
小笠倫弘厩舎の馬に、大江原騎手が騎乗して最後に勝ったのは
2023年10月のトモジャリア。それ以来の勝利となるでしょうか。

23戦3勝。勝ち鞍は全てダート戦だったメイショウカゲカツの
父はダンカーク。産駒が障害で挙げた勝利は、直近では2024年の
アイスジャイアントがいます。
管理する西園正都調教師は、これまで障害では通算15勝。
最後に勝利したのは2022年9月のウインガヴァナーです。

テイエムデンセツは2回目の障害試験で合格。
合格した1週前にも試験を受けましたが、その時は106秒5でしたが
タイムオーバー、踏切不安定とされました。
管理する鈴木孝志調教師は障害戦では森一馬騎手や難波剛健騎手を
起用することが多いですが、テイエムデンセツは試験から
井上敏樹騎手が騎乗。この調教師と騎手は過去にはニンギルスで
3戦(平地1戦、障害2戦)でコンビを組みましたが、全て着外でした。

日曜日に行われた、東京優駿。
現3歳世代7950頭の頂点に立ったのはクロワデュノールでした。
7万人を超える観衆が集まり、今年のダービーも盛り上がりました。

障害戦は土日で1鞍ずつ。
土曜日に東京で行われた未勝利戦を振り返ります。


・5月31日(土)東京4レース ダ3000m
(美浦)
グローリーアテイン
→10人気/10着
ミラキュラスライト
→8人気/11着

勝ちタイム:3分29秒3(雨・芝:やや重/ダート:不良)

初障害で馬券に絡んだ馬はいませんでした。

勝ったのは障害2戦目、2番人気のスズカハービンでした。
中団追走から少しずつポジションを上げていきました。
飛越は1回だけ危ない箇所がありましたが、それでも気持ちは折れず
最後の脚比べでもしっかり伸びてきました。
ハービンジャーの産駒としては2024年12月のマテンロウジョイ以来の
障害戦の勝利となりました。

2着も障害戦2戦目のヘヴンリーハンド。
初障害は新潟での置き障害で、今回は東京の固定障害でしたが
飛越そのものが上達していました。追走もスムーズになっていました。
次も上位争いできると思います。

人気を集めたホウオウエクレールは3着でした。
飛越も気になるところはありませんでしたし、好位追走から
しっかり脚を伸ばしましたが……何かしらに負けてしまう
運の無さもあります。力は出し切れたレースだったと思います。

3番人気で7着だったゲインサポートは近走は3着・2着が多く
人気になりましたが、レース途中からは外斜飛が酷かったです。
何か精神的なものなのか、気になるところ。
おそらく陣営は対策は立ててくると思うので、次は馬具を
使ってくるかもしれません、注意しておきたいと思います。

いよいよ次の日曜日は競馬の祭典、日本ダービー(東京優駿)です。
3歳馬の頂点を決めるレース、一生に一度しか出走できません。
今年はどんなドラマが観られるのでしょうか。
とても楽しみです。

障害戦は土曜日に東京で未勝利戦、日曜日に京都でOP平場戦です。


・5月31日(土)東京4レース ダ3000m 発走11:35
(美浦)
グローリーアテイン
→117秒3(良)4/16・草野【芝/中】
ミラキュラスライト
→116秒4(良)5/1・五十嵐【ダ/中】

2023年11月の新馬戦を勝利したグローリーアテイン。
その後は8走しましたが、勝ち星を挙げることができず
このタイミングで入障となります。
試験は草野太郎騎手が合格をさせましたがレースでは
金子光希騎手が騎乗予定です。
管理する金成貴史厩舎の馬に金子騎手が乗るのは
今年の2月にバーミリオンクリフ以来。
さらにこの調教師と騎手のコンビで勝ったのは2020年5月、
マスラオ以来の勝利を狙います。

エイシンフラッシュを父に持つ、ミラキュラスライト。
平地では18戦して2勝、2着2回、3着3回でした。
父は障害戦に強い種牡馬としてイメージされています。
重賞を勝ったテーオーソクラテスや、OP特別勝ちのフェーレンベルクなど
障害戦では計28勝を挙げています。
(2019年から産駒が障害を走り、通算成績は28-18-18-166)
エイシンフラッシュ自身は東京コースでGⅠ競走を2勝しましたが
産駒はまだ東京での障害戦での勝ち星はありません。