エレファントカシマシ「日比谷野外大音楽堂 concert 2023」 | ラフラフ日記

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主に音楽について書いてます。

2023年10月8日(日)、今年のエレカシの野音は配信で見た。
映画館で観るライブビューイングも惹かれたが、体調のこともあり、自宅で見ることにした。

その前日、浜崎あゆみのライブ延期のお知らせがあった。

 

「ayumi hamasaki 25th Anniversary Live Tour」兵庫・京都公演開催延期のお知らせ

https://avex.jp/ayu/news/detail.php?id=1111712
浜崎あゆみ体調不良の悪化で兵庫&京都公演が延期

https://natalie.mu/music/news/544157

 

体調不良の深刻な悪化。
現時点で声が出せる状態ではない。

などの言葉に気が気でなくなり、「浜崎本人はこの延期に納得しておらず、現在も公演の実施を希望」しているが、「今後の浜崎の活動に支障を来しかねないと判断」し、マネジメントサイドが決断したと知り、決断してくれて心からありがとうと思うとともに、「あゆ、マジの無理はやめてくれ~」と心から思った。いろいろな感情や考えがかけめぐったが、何より心配だった。

エレカシのこととあゆのこと。
前にもこんなことがあったなと思ったのは、2017年11月のこと。

エレカシ紅白初出場発表 → あゆ宮城公演中止のお知らせ → エレカシ大宮公演 → あゆ市川公演

があった数日間のこと。この怒濤の日々のことは、「これは覚悟ではない。挑戦だ。」からの 3記事に書いてある。あのときの

 

宮本「負けるなよ!」
あゆ「あなたの声がしてる 負けないでって声がする」


は忘れられない。

 

どうして私はいつもこうなんだろう。光と闇、引き裂かれる。でも、皆そういうものか・・・とか思いながら、今年のエレカシ野音はスタートした。

 

 

 

終演後、私の第一声は、はぁ、エレカシかっこ良かったなぁ。

 

全人類のテーマソングとも言える「地元のダンナ」でスタートし、アビーロードスタジオ(!)での宮本浩次独演会でもやった「季節はずれの男」、そして、「赤き空よ!」!

私これ聴きたいと思ってたのよ。2015年になるかなぁ、武道館で聴いた(観た)のがすごく印象に残ってて。曲に合わせて赤い照明だったかなぁ、この曲を歌いながら歩く宮本浩次に、演奏するエレファントカシマシに、夕焼け空を味わいながら歩く特別な時間を感じて、これはエレカシでしか味わえない景色であり時間だなって思ったから。実際には、赤い照明だったのか、宮本浩次は歩いていたのか、記憶は定かではないんだけど、エレカシでしか味わえない「夕焼け空を味わいながら歩く特別な時間」っていうのがあるなと。荒川の土手に行かないと味わえない感じというか。(2015年の武道館でのライブは、ライブDVD『エレファントカシマシ 新春ライブ2015 日本武道館』に入ってます)

 

「真冬のロマンチック」か? でも、季節的にどうだろ、季節に敏感なエレカシがやる?と思ってたら、「穴が入いりたい」だった! 楽しそうなエレカシ、きたー!

 

「さらば青春」を歌詞間違えからやり直し。青春は大切に扱わなきゃならない。「甘き絶望」、ひさしぶりに聴いた! 「Baby自転車」、

 

“円滑なコミュニケーション
素晴らしいインスピレーション”

 

1996年の曲だが、そのころはエレカシっぽくない?と感じた歌詞も、不思議なくらいエレカシっぽいじゃないか!と感じた。

 

石くんとミヤジのギターが最高。

 

今回サポートギターがいないことで、石くん(石森敏行)のギターが聴ける!という期待の声も聞いたが、ギターソロは宮本が弾くことも多く、「もっと石くんのギターの音量を上げろ!」という声もちらほら聞いたような気がする。「歌も歌って、ギターソロも宮本なの?」という気持ちもわからなくもないし、何より宮本が大変そうとも思うのだが、そりゃ宮本が弾かないわけにはいかないというか、宮本にとってはギターソロも歌なんだというか、そりゃ宮本が弾かなければならないよなこれは…と思うことも多かった。

 

その上で、ミヤジと石くんのギターが最高。

 

「流れ星のやうな人生」の “今の自分を信じてみなよ” ってすごすぎる。その一言を聴くために聴いてるところある。そしたら宮本も最後、

 

“今の自分を信じてみなよ”

 

と繰り返しててもう。

「ファイティングマン」の “自信を全て失っても 誰かがお前を待ってる” と一緒っていうか。大人になった今でも、“今の自分を信じてみなよ” と歌ってる。

 

そして、それは唐突に、

 

“許されるなら
バカらしくも鮮やかな夢を
追いかけて行こう明日あるかぎり”

 

というフレーズが胸に刺さった。“明日あるかぎり”……そうか、私にはまだ、明日があるんじゃないか?

そんなことを思ってたら、宮本が泣いた。バカらしくも鮮やかな夢を、まだ追いかけて行っても良いのかい? 「エレファントカシマシ」というバカらしくも鮮やかな夢を……と宮本が思ったどうかは知らない。ただ、エレカシは歌った。「はじまりは今」と。

 

「星くずの中のジパング」! もう『扉』の曲は何をやってくれても嬉しい。私は。

でも、すごい曲だよ。「星の砂」とかね。宮本が日本(ジパング)を描くとこうなるのかという。こうなるのかって、どうなってるのかはわからないんだけど、なんかすごいよね。

 

そして、初披露された新曲「No more cry」。

CM で聴いたときは、これがエレカシの曲だとはすぐに気づけなくて、そんなことははじめてで。良い曲でさ、“ノーモー “ア” クライ” の “ア” が特徴的だなあーと思った。

 

「友達がいるのさ」。

“歩くのはいいぜ!” 「出かける」とか「歩きだす」っていう、何でもないようなことをなんでこんなにドラマチックに歌えるのかというと、出かけることの大変さを、歩きだすことの容易じゃなさを知ってるからなんだよ。「出かける」ってすごいことなんだよ。

いつかは、出かけられなくなる日が、歩きだせなくなる日が来るのかも知れない。けど、私はまだ、出かけられるんじゃないか? 歩きだせるんじゃないか? 明日があるんじゃないか? そう思えた。

 

「yes. I. do」がめちゃめちゃ沁みたし、めちゃめちゃ響いたし、めちゃめちゃかっこ良かった。

 

私思うに、エレカシの「ブルース」と「ハードロック」のバランスが私の好みど真ん中なんじゃないか? いや、エレカシに出会って私の好みがそうなったのかも知れない。

 

ブルースとハードロックのバランス。ローリング・ストーンズとレッド・ツェッペリンのバランスか?

 

でもそれは、バランスがとれてるとかじゃなくて、塩梅というか、距離の取り方というか。

 

 

 

エレカシの野音というと、“聖地” と言われるだけあって、「野音ならでは」の、野音でしか見られないエレカシというのがあって、セットリストにもそういうものを感じるし、エレカシもファンもそれを意識したり期待するところがあったと思うけど、私は今回あまり「野音ならでは」ということを感じていなかったかも知れない。

(今年の野音はタイトルに「祝・日比谷野音 100周年」と付いていた。エレカシは「100周年のうち、33回」だそうだ! 野音は今度、建て替えられる)

 

もちろん、ひさしぶりに聴いた曲もあったし、野音ではこういう選曲でこういうライブをするエレカシだけど、アリーナではこうなるっていうのがあるにはあるのだけど(そして、それは悪いことではない)、なんというか、今のエレカシならアリーナでもこのライブをするんじゃないか?って思わせるものがあった。

 

ような気がする。

 

 

 

昨年の野音は、どんなことを感じてたかなぁ。

エレカシ野音 2022 ~ 自然体のその先に

 

 

 

2023年10月25日(水)発売 エレファントカシマシ ニューシングル 『No more cry』