自分の気持ちをうまく話すことができず、何かを聞かれても黙り込んでしまったり、一人で抱えてこんでしまう子どもたちがいます。

 

気持ちを伝えることが苦手なお子さんにはどのような接し方が必要でしょうか?

 

今日はその点について紐解いてみましょう。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする
 

1. どんな場面で話せなくなるだろう?

 

お子さんはどんな場面で固まったり、黙り込んだりすることが多いでしょうか?

 

当てはまるものがないか振り返ってみましょう。

 

【黙り込んでしまう場面(例)】

▫️自分が悪いことをしてしまい、それについて説明を求められたとき

▫️悪いことをしていなくても、強めに質問されたとき

▫️家では答えられるが、学校では答えられない

▫️自由な意見を求められたとき

▫️授業中に当てられたとき

 

多くの子どもたちは、普段は話すけれど、都合の悪いことや、厳しく質問されたときなどに黙り込んでしまうことがあります。

 

バツが悪く、黙り込んでしまうことは誰にでも起こりうることです。

 

周りが怒らない態度などを見せると、正直に話すようになります。

 

しかし、どう周りが態度を緩めたとしても、徹底して話さない場合もありますし、「自分は悪くないこと」でも黙り込んでしまう場合もあります。

 

また「はい/いいえ」で答えられる質問ならすぐ答えるけれど、自由な回答を求められるもの(「どんな気持ちだった?」「どう考える?」など)の場合に答えられなくなることもあります。

 

そこで次に振り返ってほしいのは「そのとき周りの人間はどのような聞き方をしていただろう?」という点です。

 

 

【周りの聞き方(例)】

▫️強めの口調で「何があったの!?」などと聞く

▫️「早く答えて!」と急かすような言い方になってしまっている

▫️「これはこういうこと?」というように決めつけた言い方をしてしまう

▫️何について答えていいかわからない「曖昧な質問」をしてしまっている

 

これらの聞き方、尋ね方をすることで、子どもたちが萎縮してしまい、話せなくなることもあります。

 

またASD(自閉スペクトラム症)などの特性を抱えるお子さんの場合、曖昧な質問(「どう思った?」など)にどのように答えていいかわからなくなり混乱してしまう場合もあります。

 

お子さんはどんな場面で話しにくくなるのか、またそのときの周りの態度はどのようなものだったか。

 

まずそこから振り返ってみましょう。

 

2. キーワードは「共感」と「待つ」と「リフレッシュ」

 

自分の気持ちを話すことが苦手なお子さんへの対応として、3つのキーワードがあります。

 

 ①共感

 

例えばお子さんが友達に対して嫌な言い方をしていまい傷つけてしまった、という例を考えてみましょう。

 

通常は「これを言ったの?」「なんて言ったの?」と質問することになります。

 

これで答えてくれる場合はいいのですが、そうでない場合は、まず「共感」です。

 

例)自分の発言で、相手が泣いてしまってびっくりしたよね。怒られると思って不安にもなったと思うよ。どんなことを言ったか教えてもらってもいい?

 

まずこのように、今お子さんが置かれている状態を推測して共感を強めに伝えるようにします。

 

「自分のことを理解しようとしている」と感じられたとき、渋々ながらも話そうと思いやすくなります。

 

 ②待つ

 

質問をしたら、できる限りじっくりと待つようにします。

忙しかったりして早く答えが知りたいこともあるかと思います。

 

何十分も待つのは現実的ではありません。まず質問をしたら「ゆっくり10秒」を意識がけてみてください。

 

待っている間は他の質問はしません。

 

お子さんが話し出したら焦らさず聞きます。そしてまた質問し、待つということを繰り返します。

 

ペースを合わせてくれる人に対しては、徐々に口を開いてくれることもあります。

 

 

 ③リフレッシュ

 

 

それでも話が進まないときは、30分(低学年ならさらに短く)程度を目安に、リフレッシュの時間をとります。

 

お茶を飲んだり、トイレに行ったりすることで、気持ちがリフレッシュされることがあります。

 

またリフレッシュは「聞き手」にとっても効果的です。

 

一度時間を置くことで、聞き方について再検討することができ、もう一度冷静に尋ねることができるようにもなります。

 

時間がかかる場合こそ、間に小休憩は入れるようにしましょう。

 

【より詳しい傾聴術についはこちらの記事もご覧ください👇】

 

3. 特性がある場合

 

例えば言語的な理解が弱いお子さんの場合、何をどう話していいかわからなくなり、答えを探している間に黙り込み、周りがイライラしてしまい、言われるがまま頷く、ということがあります。

 

本人は必死でどんな説明をしようかと考えているのですが、うまくまとめることができません。

 

時間が経過することで周りも焦ってきます。つい強い口調になることもあります。

 

怒られるのが怖いので、早めに決着をつけようと、やっていないことでも、また事実と違うことでも「はい」と答えてしまうことがあります。

 

特性があるお子さんの場合、時間をしっかりとり、話せる場を作ることが重要です。

 

また言葉だけで伝えるよりも、紙に書いて、何について考えればいいかを共有しながら話した方が考えやすくなります。

 

「はい/いいえ」の方が答えやすいお子さんの場合は事象を細分化して「これはどっち?」というように選んでもらいながら確認することも効果的です。

 

今何の話をしているのか、相手が聞きたいポイントは何なのかが明確になると答えやすくなります。

 

そのためにも「書きながら説明する」ことは効果的と言えます。

 

【特性を抱えるお子さんについてこちらもご参考ください👇】

 

4. 正論は「いったんわきに措く」

 

起こったことを理詰めに詰めて、お子さんが言い逃れができないように追い詰めるのは逆効果と言えます。

 

犯罪者であれば、言い逃れができない証拠を突きつけられると自供するかもしれませんが、子どもたちはそうではありません。

 

正論を突きつけられればそうなるほど、意固地になることもあります。また嘘をついたことを「嘘ではない」と思い込んでしまう場合もあります。

 

「こんなこと言われて相手は傷つくと思わないの!?」と尋ねるのも効果的とは言えません。

 

まずはお子さんに合わせながら、「共感」「待つ」そして「リフレッシュ」を取り入れながら聞くようにしましょう。

 

とはいえ、やってはいけないことを教えることも大切なことです。

 

お子さんが理解を示してきたら「でもね、こういうときはやっぱりそういうことをやってはいけないんだよ」と最後に伝えるようにします。

 

【自閉スペクトラム症(ASD)を抱えるお子さんについてはこちらをご参考ください👇】

 

5. 大事なことは基本的なこと

黙り込んでしまうお子さんに対してウルトラQのテクニックがあるわけではありません。

 

大事なことは「基本」です。

 

じっくりと耳を傾け、質問を明確にし、待ちながら、共感しながら聴くことです。

 

「話しても大丈夫」と思える安心感が、正直な思いを話すきっかけになります。

 

困ったときこそ「基本」特に「傾聴の基本」を大事にしましょう。

 

特性などで悩む方はご連絡ください

なかなか対応が難しいと感じられる場合は一度ご相談ください。

 

課題を整理し、何が足りていないか、どう対応すればいいかについて一緒に考えましょう。

 

【夫婦関係に悩まれるときもお声がけください👇】

 

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【ブログ著者:なかがわひろかについて】
 
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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。