ゴールデンウィーク明けに増える不登校5月の連休が明けました。気候も良く、過ごしやすい時期ではあるのですが、小中高の子どもたちに関わる先生やカウンセラーの方はみなさん口を揃えて「ゴールデンウィーク明けからしんどくなる子が増える」と言います。

 

私も実感しているものです。新しい年度に変わってからの張り詰めていた疲れがどっと出てくる時期です。この時期から、夏休みまでの過ごし方について考えていきましょう。

 

この記事でわかること

▶︎どうして連休明けがしんどくなるのか

▶︎不調のサイン

▶︎7つの過ごし方ポイント

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【不登校対応の基本については👇をご覧ください】

 

▶︎どうして連休明けはしんどくなるのだろう?

日本人にとって「4月」とは特別な月です。入学式はもちろん、進級、進学の季節です。クラス編成が変わることで、友達づきあいにも変化が現れてきます。
 
4月は、無意識のうちに「力が入りやすい月」だと言えます。逆に言うと、いつもよりテンションが高めになるため、多少のしんどさを乗り切って「しまい」ます。3月まで学校に行きづらかった子も、4月は頑張ることがあります。
 
授業もまだ本格化しないので、比較的簡単な内容が多いです。勉強にもついていきやすく、年度の始めということもあり、まっさらな教科書、ノートを見て気持ちもやる気が高まります。
 
そしてゴールデンウィークがあるため「目一杯やっても休みがあるから大丈夫」と思ってしまいがちです。そのためより一層力が入り、どうしても力んで過ごしてしまいやすくなります。
 
そして連休を迎えます。ここで、これまで張り詰めていた気持ちが一気に緩み出します。そこで疲れが出やすくなるのです。
 
 

5月を4月と同じように過ごさないといけないと思う

そして連休が明け、5月がスタートします。ここからは授業も本格化します。中学校や高校であれば、連休が明けてすぐに中間テストが始まります。

 

4月と違って、すぐに通常モードになることが求められます。5月も4月と同じようなテンションで過ごそうと思いますが、なかなかそうはなりません。

 

やがて「4月はあんなに頑張れたのに、5月はどうしてこんなにしんどいんだろう」と感じるようになり、頑張れない自分に落ち込むようになります。そこに加えてテストや、学校によっては体育祭や、文化祭があったり、梅雨の時期を過ごし、そして夏を迎え暑さが増し、過ごしにくい季節を迎えます。

 

夏休みまで祝日もほぼないので、約2ヶ月半の間、ぶっ通しで学校が続くようなイメージになります。一方で、1学期は年度が変わることで、友達関係も変わってきます。ここで休んだら、クラスから取り残されるようなプレッシャーも感じます。

 

しんどくて休みたい気持ちもあるのだけれど、休んだら置いていかれるという思いでより緊張感を持つようになり、すり減っていくようになります。

このようにして連休明けはしんどくなりやすくなるのです。

 

▶︎この時期に出やすいサイン

では、疲れも出てくるこの時期には、どのようなサインがお子さんから発されるでしょうか?代表的なものは以下のものが挙げられます。

 

【この時期のサイン】

▫️お腹が痛い・頭痛がすると言う

▫️眠れない、熟睡感がない

▫️朝が起きづらい(夕方には元気になる)

▫️食欲がなくなる

▫️ゲームやネットなど趣味の時間が減る(もしくは惰性的に長時間やる)

▫️イライラし、感情的になりやすい

ポイントは「趣味」「睡眠」「食欲」の3つです。1つでも不調になると、心身のバランスが崩れていきます。

 

 

趣味が楽しめなくなる

この中でも特に私が注目しているのは「趣味」についてです。ゲームやネット、漫画や、スポーツなど、これまで「やめなさい」と言っても取り組んでいたものを楽しんで取り組むことができなくなります。

 

趣味というのは心に余裕があって初めて楽しめるものです。心身の元気を失った状態の場合、趣味を楽しむことができません。学校から帰るとぐったりとしたような状態になり、何も手につきません。趣味を楽しめるかどうかは心の健康度を測る重要な要因になります。

 

 

睡眠がうまくとれなくなる

朝が起きづらくなったり、寝つきが悪くなることもよく起こります。特に起きづらい場合は、起立性調節障害の可能性もあります。

 

【起立性調節障害】

自律神経の働きが悪くなることで、起床時に脳へ血の巡りが低下し、なかなか起きづらくなる病気です。貧血のような状態になり、気持ち悪くなったり、頭痛が起こります。

 

起立性調節障害は、ストレスを要因とするものではないと考えられていますが、起立性があることで、朝起きづらくなり、そこから不登校につながることもあります。

 

寝つきが悪い場合は、色々と考え事をしていて、寝つきが悪くなり、睡眠時間が少なくなることで起きづらくなると考えられます。

 

睡眠がうまくとれないため、日中も眠気が取れず、ぼーっとしたような状態になります。身体もだるくなり、この状態が続くと、疲れやすくなります。身体に不調が出ると心も元気がなくなるようになります。睡眠は健康な生活を送る上で最も重要なものになります。

 

 

食欲が落ちる・もしくは過度に増える

元気がなくなると、食欲が落ちやすくなります。また一方で、ストレスを食で癒すように過食傾向になることもあります。

 

普段の食事を基準として、そこから減っているか、過度に増えているかという点に着目してみるようにしてみましょう。

 

▶︎お子さんのサインが出たら行う7つの対応

連休明けの過ごし方には、気をつけておきたいポイントがあります。逆に言うとこれらを意識することができると、不登校につながりにくくなると言えます。以下のポイントを参考にしてみてくださいね。

 

 
①「疲れが出てよかった」と捉える

これは実は一番大事なことです。一番怖いのは、疲れのサインが出ているのに本人も周りも見落として、燃え尽きてしまうことです。

 

疲労というのは、最初のサインを見過ごすと、脳の認識が鈍くなり、今度は疲れを感じなくなってしまいます。本当は疲れているのに、疲れていないと間違った認識を行い、無理をしてしまうようになります。

 

この状態になると、少し休息した程度では回復が難しくなります。長期にわたって学校を休むようになるのは、無理をし過ぎてしまう場合に多くなります。

 

お子さんが疲れた様子を見せていたら「ちゃんと『休ませないといけない』というサインを出してくれている」と捉えるようにしてみましょう。

 

 

②4月を「イレギュラーだ」と考え、活動量を7割くらいに抑える

4月のように元気いっぱいに過ごさないといけないと考えることがよりプレッシャーになります。

 

そうではなく「4月がイレギュラーだった」と考えるようにしてみましょう。冒頭でも述べたように、4月はついつい気負ってしまう時期です。無意識に頑張ってしまいます。この状態を通常モードと考えてしまうと、疲れが出てくる5月以降が、「自分はダメになった」と感じてしまうことになります。

 

4月が特別で、通常モードよりも活発に動き「過ぎて」いたのです。むしろここからの状態が「通常モード」になります。

 

マラソンで例えると、最初の数キロを全力以上に早く走ってしまっている状態です。その状態で完走するのは難しくなります。スタートダッシュよりも緩めて、ここからは長時間走れるようにしていきます。

 

感覚的には4月の7割くらいのテンションで十分です。夏休みまで約2ヶ月半を過ごすためには、目一杯のテンションでは息切れしてしまいます。テンションを下げてちょうどいいんだと言う気持ちで過ごすようにしてみましょう。

 

 

③疲れたときこそ「規則正しい生活を」

疲れが出てくる時期こそ、「規則正しく過ごす」ことを大事にしてみましょう。いつものように起きて、準備をして、程よく肩の力を抜きながら過ごすようにします。

 

一日のルーティンを「淡々と」「粛々と」過ごすようにしてみるのです。部活動などでハードな運動をすることもあるかと思いますが、それ以外では身体を休めることも大事にしていきます。

 

疲れは一日一日ケアすることが大切です。平日は夜更かしを控えて、早めに休むようにしていきましょう。

 

疲れたときは、長時間寝たいと思いますが、それよりもいつも通り規則正しく生活した方が疲労は早く回復します。疲れたときこそ「規則正しい生活」を意識してみましょう。

 

 

④休日を一日はオフにする

土日があれば、一方は、しっかりと休ませる日にします。一日は買い物や部活、友達と遊ぶなど活動的に過ごしても構いません。

 

ただ週末を目一杯フル稼働すると、月曜日から息切れしてしまいます。一日は身体をゆっくり休ませるようにしましょう。

 

プロのスポーツ選手のようなイメージです。プロスポーツ選手は試合の次の日はリカバリーに当てます。翌日にはハードな練習は行いません。軽く散歩やジョグ程度で終わり(もしくは何もしないこともあります)、疲れをとる一日に当てます。こうすることで疲労が溜まりにくくなり、シーズンを乗り切るようにしているのです。

 

ただ、ゆっくりとすると言っても、一日中寝る日にしてしまうと、今度は月曜日の朝が起きづらくなります。

 

いつもより長めに寝るのであれば土曜日に行い、日曜日は、平日+1~2時間までの睡眠で抑えておきましょう。できれば平日と同じが理想です。そうすることで日曜の夜の寝つきをよくし、月曜日の朝起きやすくできます。

 

 

⑤家族で「サボりの日」を作ってみる

親御さんがセカセカと日々を過ごしていると、お子さんもそうしないといけないと思いがちです。

 

「週に1度はサボりの日を作ろう!」と家族で「サボり」に取り組んでみるのです。④で挙げたように週末の一日は、家事も控えめにして、食事も外食や出来合いのものでもいい、とします。みんなで「サボる」のです。

 

家族がみんなで「サボる」ことで、お子さんも気楽に休みやすくなります。親御さんも疲れを癒す日を作るようにしましょう。

 

【親御さんに向けてのメッセージはこちらです】

 

 

⑥お子さんの思いにも耳を傾ける

新しい学期になり、クラスメイトも変わることで、お子さんも思うこともあります。お子さんと2人でカフェに行ったりドライブに行くなどしながら、お子さんに思いを発散してもらうことも大切なことです。

 

愚痴なども出てくると思います。否定するのではなく「発散」というイメージで、耳を傾けてみましょう。

 

【お子さんの話の聴き方はこちら👇をご覧ください】

 

 

⑦学校の先生と話す機会を作る

お子さんのしんどさが続くようであれば、学校との連携も必要になります。先生に時間を取ってもらったり、必要であればスクールカウンセラーの先生に相談することもいいでしょう。

 

学校での様子と家庭での様子を擦り合わせることによって、お互いに見落としていることを把握することができます。

 

家ではぐったりしているけれど、学校では活発に頑張っていることもあります。学校生活で無理をしやすくなるので、先生にも家庭での様子を知っておいてもらうことはお子さんの環境を整える意味でも効果的です。

 

▶︎お子さんが疲れているなと思ったらご相談ください

連休明けから、6月頃にかけては一番疲れが出やすい時期です。この時期は特にお子さんの様子に着目するようにしてみてください。

 

逆に言うとこの時期を乗り切れたら、お子さんにとって自信につながります。2学期、3学期はより楽に過ごせるようになるでしょう。

 

お子さんの様子で気になることがある方は、無料カウンセリングもご利用ください。早め早めにサポートしていきましょう。

 

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プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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